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野鳥の命を奪わない為に知っておくべき野鳥観察のマナー

ネイチャーエンジニアの亀田です。 

 

あなたは、野鳥観察をする時のマナーを知っていますか?

 

「初心者なので、よく知らない」

「なんとなく…」

「知っているけどちゃんと守れているかというと…」

 

記事のタイトルにある通り、野鳥観察の仕方によっては野鳥たちの命を奪ってしまう可能性があります。

 

かく言う僕も、実は野鳥の命を奪いかねないマナー違反を犯してしまいました。

 

この記事では、マナー自体の説明ではなく、マナーをなぜ守らなくてはいけないか、どうしたら野鳥とバードウォッチャーをより良くしていけるか、と言う切り口でについてお話しします。

 

■ 目次

 

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日本野鳥の会の野鳥観察のマナー

日本野鳥の会では、「野鳥撮影のマナー7か条」というものを発信しています。

他の組織の発信している野鳥観察のマナーも概ねこのような内容で、一般的なマナーと考えて良いと思います。

 

マナーのタイトルだけ抜粋して引用させていただくと以下になります。 

1 野鳥の巣には近づかない

2 野鳥を追い回さない

3 珍鳥や人気の鳥の情報を公開しない

4 周囲の人や撮影場所選びには十分な配慮をする

5 餌付けや、環境改変は行わない

6 自然にやさしいマナーを心がけよう

7 ストロボは使用しない

 

参考: 日本野鳥の会 : マナーを守って 野鳥撮影を もっと楽しもう — 野鳥撮影マナーブック —

 

マナーの目的は、野鳥を守る他の人とのトラブルを避ける、というもので、その内容は目的に則した正しい内容だと思います。

 

でも僕はこの内容は知っていたにも関わらず、マナー違反を犯してしまいました

 

それはなぜでしょうか?

 

ということで、実際に僕がマナー違反してしまった時の話をします。

 

僕が犯してしまった、鳥の命を奪いかねないマナー違反

僕が森を歩いていると、目の前に10人程度のバードウォッチャーらしき方達がカメラを構えていました。

 

その方向を見てみると、どうやらサンコウチョウという鳥がいるようでした。

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僕はサンコウチョウをしっかりと撮影できたことがなかったので、素直に「見たい!」と思いました。

様子を見ると、どうやらそこには巣があり、親鳥が卵を温めているようでした。

 

先ほど掲載した日本野鳥の会のマナーには、野鳥の巣の近くで撮影などをすると親鳥が警戒して巣を放棄してしまい、その巣の卵からヒナがかえらなくなる可能性があるため、「野鳥の巣には近づかない」というものがあります。

 

僕はそのマナーがあることは知っていました。

ですが、自分よりもベテランのバードウォッチャーの方がたくさんいて、鳥も特別警戒心をあらわにしているようには見えなかったので、合流することにしてしまいました。

 

むしろその時は、親が交代で卵を温めている様子を見ていて、

  • 親鳥はどうやって当番を交代するのか
  • 親鳥のペアがどうやってコミュニケーションを取っているのか

ということに興味津々になっている状態でした。

 

そして、親鳥の抱卵の当番が代わるまで約1時間ほど、近くで観察してしまったのでした。

 

その後、別の場所で他のバードウォッチャーさんと出会い、少し話をした時。

大人数が集まって撮影をしていると巣を放棄することがあるんだよね」という話を聞きました。

 

その時、「やってしまった」と思いました。 

 

サンコウチョウのヒナの命を奪うかもしれないマナー違反をしてしまったのだと。

 

野鳥観察初心者に、マナーを守ってもらうための方法 

それでは、マナーを守るには何が必要なのでしょうか?

 

僕は、先ほどの例の時に気付いたことがあります。

 

サンコウチョウの撮影中、僕のほかにもたくさんの方達がマナー違反していたことになります。

ですが、僕が感じたのは「マナー違反してヤバいけど、どうしても撮りたいから撮っちゃえ」というような後ろめたさ、のような雰囲気を感じなかったことです。

 

中には心の中で後ろめたさを感じていたり、マナーをあまり重要視していなかった人もいるかもしれませんが、ほとんどの人は純粋に野鳥が好きで撮影していたように見えました。

 

単純に「マナーを知らない」人、僕のように「つい夢中になってしまった」人が多い印象でした。

 

そのような方達は、きっと野鳥の命が奪われることなど望んでいなくて、むしろそれが起きたらとても悲しい気持ちになるでしょう。

 

この経験をした後、考えを整理して、僕はマナーを守ってもらうための方法に1つ結論が出ました

 

ところで、野鳥観察を始める人に、まずマナーから勉強する人はほとんどいないと思います。

 

鳥に興味を持って始めたのですから、鳥を知ることに努力するでしょう。

 

すると、この方達がマナーを知り・実践していくのはどういうタイミングになるのでしょうか?

 

それはきっと、観察に行く中で、他のバードウォッチャーの行動を見たり、情報交換する中で覚えることが自然な流れです。

 

仮に本やWebなどでマナーにふれられていたとして、文字情報だけを知っていてもきっと守られるものにはならないです。

 

僕もマナーは本で読んだりはしましたが、本質的に理解したのは、実際に探索する中での暗黙的なルールを先輩に聞いたり感じ取ったりしたからです。 

 

したがって、探索中に出会ったバードウォッチャーの先輩達が、初心者達の行動を作っていくのです。

 

探索中、ベテランのバードウォッチャー達が何かの鳥を撮影していたら、一緒に撮影することがあります。

 

その時、鳥の近くで撮影していたら「近くに行っても大丈夫なんだ」と思うし、遠くから鳥に気づかれないように撮影していたら「この鳥はデリケートなんだな」と感じます。

 

野鳥観察以外の行動もきっと一緒で、「電車に乗り込む人が入り口を囲むようにバラバラの方向から入っていったら順番関係なく電車に乗る」し、「列を成して順番に乗り込んでいたら後ろに並びます」よね?

 

なのでバードウォッチャーの先輩たちが、バードウォッチャー初心者のお手本になっていくです。

グループの中で当たり前の行動=「文化」ということですね。

 

僕も今から野鳥観察をする人から見たら、先輩のバードウォッチャー。

僕の周りで鳥の話をする際には、会話の中で野鳥への接し方などについても伝えていこうと思います。

 

野鳥観察初心者のみなさんは、先輩方の行動をマネする前に「どの先輩をお手本にすべきか」をぜひ考えてみてくださいね。

 

未来の野鳥を守るのに必要なのは、マナーではない

若い世代に取って野鳥は身近ではない

僕は今回マナーを改めて考えて見て、現在のマナーを遵守すると、逆に野鳥のことを守れなくなる危惧があるのでは?という疑問が湧いてきました。

 

先ほどから例に出し続けている「野鳥の巣には近づかない」 マナーですが、あるところでは「常識である」と書いてありました。

 

しかし僕はあまりこれが一般的なマナーとは感じませんでした。

気になって周り(野鳥観察していない人たち)に聞いてみても、マナーのことを知らない、という返答でした。

 

「営巣中の鳥に近づかない」というマナーは、かつては一般常識だったかもしれません。

ですが、少なくとも僕の周りの30代以下の若い世代にとっては一般常識ではないと感じています。

 

周りに同世代でバードウォッチャーがいない。

そもそもある程度都会で暮らしていたら、よく見るのはツバメの巣くらい。

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ツバメの巣を遠い場所からこっそり観察する、なんてやりませんから、むしろ下から上にある巣を見上げる、くらいの距離感が一般的なのではと思います。

 

つまり、野鳥の繁殖自体が身近なものではなくなっています

 

マナーが野鳥を守るためのものであることは重々理解していますが、マナーによる制約が強いと人を野鳥から遠ざけることになる。

 

すると、若い世代にとってどんどん野鳥が身近なものでなくなり、悪意なく野鳥の生活を考慮できない行為を取ってしまうのではないか、と思うのです。

 

僕だって、野鳥の巣を見る経験は多くないですので、森の中で野鳥の巣を見つけることはそうそうできません。

 

野鳥を身近に感じ、よりよく知って行く為には、観察する機会を奪うのではなく、増やさないといけないと思うのです。

 

その際、接触を排除する、ではなく、鳥にストレスをかけずに済むノウハウを共有すべきなのではと考えています。

 

葛西臨海公園のコアジサシ保護の取り組み

葛西臨海公園で素晴らしい取り組みがあります。

 

葛西臨海公園には、夏にコアジサシというカモメの仲間が飛来します。

その飛来する砂浜に保護区を設けて繁殖しやすい環境を作っているのです。

 

さらに素晴らしい点は、この繁殖期のタイミングで積極的にコアジサシを観察する観察会を開き、 その生態について伝えているのです。

choruien2.exblog.jp

 

観察会に出てコアジサシが好きになり、正しい接し方を知った観察者の方はそれを守り、他の人の模範になるでしょう。

そしてそれが文化になっていく。

 

排除する形でなく、接しながら学ぶことで、野鳥にとってもバードウォッチャーにとっても良い未来を作っていく。

 

そういう方向性の動きがもっと出てくることを願います。

 

おわりに 

マナーを守ることで野鳥を守ることができたり、野鳥観察をする際のトラブルを防げます

 

でも今の若い世代の様子を見ると、未来にも野鳥を観察する為には、マナーを守るだけでないやるべきことがあるように思います。

 

マナーから一歩前進して、野鳥に負荷をかけずに野鳥観察をより楽しむ為にはどうしたら良いのか、皆さんもぜひ考えてみてください。

 

野鳥と僕たちバードウォッチャーの為にも、日々勉強をしながら野鳥を楽しむ方法を共有していけたらと思います。

 

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