※2018/11/6更新
秋に見られる、面白い虫を教えて!
こんな要望にお答えします。
上の写真は、キタテハというチョウ。
このチョウは季節によって姿が変化する、面白いチョウです。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、キタテハの特徴と魅力を紹介します。
キタテハの特徴
春先と秋によく見られるチョウ
キタテハは1年を通して見られるチョウですが、特に春先と秋頃はよく目立つところに出てきます。
オレンジの地色に黒と青の斑点がとてもキレイです。
キタテハは、草原や河川敷、森や畑などの環境で見られます。
後述するセイタカアワダチソウの花の蜜によく集まるので、この花がある場所で観察しやすいです。
セイタカアワダチソウの花に集まる
下の黄色い花はセイタカアワダチソウ。
セイタカアワダチソウは、秋に花を咲せます。
キタテハはこの花の蜜が好きなようで、秋にはこの花の周りでよく観察できます。
ちなみにセイタカアワダチソウは外来生物でもあります。
季節によって姿が変わる【夏型と秋型の違い】
キタテハは季節によって変身するチョウ。
夏型・秋型というのがあり、チョウが生まれる時期によって姿が変わるのです。
左:秋型、右:夏型
秋型の方が赤みが増し、翅の形がとがった感じになります。
季節によって、姿を変えるなんて、とっても面白いですよね!
このように、チョウの季節ごとの姿を「季節型」と言います。
季節型については、以下の記事で詳しく説明しています↓
成虫越冬
虫に関する用語で、「越冬形態」という言葉があります。
これは冬をどういう姿(成虫/さなぎ/幼虫/卵)で越すのかという言葉です。
キタテハは1年を通して見られると先述しましたが、その理由が成虫越冬であること。
多くのチョウは卵や幼虫の姿で越冬しますが、キタテハは成虫の姿で越冬するのです。
真冬でも暖かい日には、運が良ければヒラヒラと舞う姿を見ることができます。
春に見られる越冬後の姿を観察してみよう
初春の3月頃になって暖かい日が増えると、キタテハは他のチョウたちよりも一足早く活動し始めます。
秋に生まれたキタテハは、厳しい冬を生き延びたものだけが春の暖かさを感じることができるのです。
そんな春の彼らの姿を、ぜひ観察してみてください。
越冬したチョウは、冷たい冬の雨や風を耐え凌いだ猛者たち。
多くのチョウのその「はね」は、ボロボロになっています。
↓は比較的綺麗な状態ですが、はねの外側の方は擦り切れています。
厳しい冬を乗り越えた彼らを見たら、出会えて嬉しい気持ちと共に「お疲れ様」と言いたくなる気持ちにさせられます。
キタテハと同じ分類に属する虫たち
キタテハはチョウ目タテハチョウ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
▼
[タテハチョウ科]
はねをひらくと姿が変わる?ギャップが面白い!タテハチョウの種類と魅力
おわりに:キタテハを観察してみよう!
キタテハは日本では決して珍しくない、普通種です。
だけど、季節によって姿が違ったり、寂しい冬でもその姿を見せてくれたり、たくさんの魅力を持つチョウです。
この記事で、もしキタテハを見かけたら、ぜひゆっくり観察してみてください!
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■ トノサマバッタ
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