目立つ場所にとまっていろんな声で鳴いてる鳥がいる!
あの鳥は何?
こんな疑問にお答えします。
冒頭の写真の鳥は、モズ(百舌)。
秋の季節には、電柱や電線に止まって鳴く姿をよく目にします。
モズは「百の舌を持つ鳥」の名前の通り、実に多彩な鳴き方をする歌名人です。
さらにかわいい外見に似合わず、「小さな猛禽」とも呼ばれるハンターでもあるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、モズの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
モズはずんぐり体型のかわいい鳥
モズは丸っこく、ずんぐりした体型を持つ、かわいらしい見た目の鳥です。
オスとメスでは若干姿が異なり、オスは「過眼線」と呼ばれる、目の部分にある線が黒く目立ちます。
モズのオスは過眼線が黒く目立つ
一方メスの過眼線は茶色で、胸周りがうろこ状になっているのが特徴的です。
モズのメスの胸まわりはうろこ状
体長20cmほどで、スズメよりも少し大きいくらいのサイズ。
杭や電柱などよく目立つ場所に止まり、尾をクルクルと回す仕草をします。
尾を回す仕草は、モズらしい特徴的な行動なのですが、この行動にどんな意味があるのかは不明のようです。
モズは「小さな猛禽類」と呼ばれるハンター
モズはかわいらしい姿の鳥ですが、その外見には似合わない「小さな猛禽類」という呼び名があります。
その理由は、見た目のイメージと異なり肉食性が強い鳥であること。
昆虫やカエルなどはもちろん、ネズミや小鳥を食べることもあるんですね。
姿に似合わず肉食性の強いモズ
さらには、モズの取る有名な習性「早贄(はやにえ)」というのもあります。
早贄はモズが秋によく行う習性で、獲物を枝などに突き刺しておく行動のこと。
ただ、その行動の理由は良くわかっておらず、以下のような説があります。
・非常食として取っておくため
・縄張りアピールのため
その理由は謎ですが、狙われる獲物側にとってはモズは非常に恐ろしいハンターに見えていることでしょう。
虫側から見たモズの恐ろしさは、以下の記事で紹介した漫画「サバイビー」でも表現されています↓
このように、モズは小さな猛禽類とも呼ばれるハンターなのです。
モズ(百舌)は鳴きまね上手
モズは漢字で「百舌」と書きます。
この名前の由来は、モズが「様々な声を出し分けられること」。
そう、モズの鳴き声は実に多彩なのです。
・「ギギッ」
・「ギチチチ…」
・「ジュジュ」
・「チチピー、チチピー」
本当に1種の鳥の声とは思えないほどのバリエーションがあり、その名に恥じぬ鳴きまねっぷりです。
※モズの鳴き声は、動画版(YouTube)で聞くことができます▼
僕も探索中に鳥の鳴き声を聞いて、シジュウカラかと思って見上げたら、モズがいて驚いた記憶があります。
モズの鳴き声の中でも、秋によく聞く「ギチチチ…」と甲高く鳴く声は特に印象的。
この声を「モズの高鳴き」と言いますが、モズは餌の少なくなる冬に備え、この高鳴きで縄張りアピールをしているのです。
「ここは俺の陣地だー!」と叫んでるわけですね。
そのため冬を控えた秋の季節(10〜翌1月くらいまで)は、いろんな場所でモズの高鳴きが聞こえてきます。
ちなみに、秋によく縄張り争いになる別種の鳥がいます。
それが、以下のジョウビタキ。
よく縄張り争いしているジョウビタキ
ジョウビタキは都内でもみられる冬鳥で、晩秋くらいになると日本にやって来ます。
その時期以降は、モズとの縄張り争いの場面に遭遇することがあるかもしれませんよ!?
モズと同じ分類に属する鳥たち
モズはスズメ目モズ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[スズメ目]
▼
[モズ科]
おわりに:小さな猛禽モズを観察してみよう!
モズは小さな猛禽類という別名とは裏腹に、鳴き声や行動パターンが多彩で色々な表情を持つ可愛らしい鳥。
モズは農耕地のほか、林縁などでよく見られますので、秋〜冬のシーズンにはぜひ観察に行ってみてください!
また、モズの登場するスマホアプリも絶賛配信中!こちらもぜひご覧になってみてください!
■ 環境育成&野鳥観察ゲーム「鳥パラダイス」
■ 野鳥撮影ゲーム「鳥マスター!」
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