ネイチャーエンジニア Blog

全国各地で年間100箇所以上探索するフリーランスITエンジニアが、自然をもっと楽しむための情報を発信。


TOP | 自己紹介 | 運営者のアプリ・ゲーム | 運営者の本


外来種はなぜ嫌われるのか?外来種問題のもたらす影響と本当の原因

ネイチャーエンジニアの亀田です。

 

最近、外来種という言葉を度々目にします。

ニュースでも外来種として生き物の名前が報じられたりしていますよね。

 

ヒアリ、ブラックバス、アメリカザリガニなど…


池の水を抜く某テレビ番組でも外来種について扱っていますね。

 

ただ、短い時間のニュースだと外来種問題そのものについて詳しく説明がなされず、一方的に悪者扱いされているケースもあるので、

 

「外来種って悪い生き物なんでしょ?」

「在来種をいじめるやつだから駆除するべきだ」

 

というイメージを持っている方も多いと想像しています。

 

そんな方に、外来種問題の影響と、その根本的な原因と対策についてお話ししたいと思います。

 

 

 

■ 目次

 

外来種とは?

f:id:kkamedev:20180623113005j:plain

外来種は、もともとその場所にいなかった、他の地域から人為的に持ち運ばれた生き物のことです。

 

 「人為的に」というところがポイントです。

 

渡り鳥のように、遠距離を自力で移動してきたような生き物は外来種ではありません。

 

関連: "渡り"を制する者は野鳥観察を制す!季節と野鳥の関係を知ろう!

 

この外来種がなぜニュースなどで頻繁に取り扱われるのか?

 

それは、人間にとって悪影響があるからです。

  

それではこの「外来種がもたらす影響」について、お話していきます。

 

外来種のもたらす影響 

外来種のもたらす影響は、大きく3つあります。

 

それは、

  1. 人間にとって危険
  2. 生態系への影響
  3. 経済への影響

です。

  

1. 人間にとって危険 

外来種の悪影響と聞いて、真っ先にイメージするのはこれではないでしょうか?

 

このカテゴリの外来種は、よくニュースなどでも報道されますね。

 

例1. ヒアリ

ヒアリは刺されると火傷のような激しい痛みに襲われる、強力な毒を持ちます

 

名前も、ヒアリは漢字で「火蟻」と、その攻撃力が名前にもあらわれています。

 

世界の侵略的外来種ワースト100にもランクインしている世界的な外来生物です。

 

例2. ワニガメ

外来種ワニガメ
体の大きさや攻撃力から、もし攻撃されたらケガをしてしまう生物がいます。

 

ワニガメは確かに噛まれると危険ですが、実際はこちらからストレスをかけない限り、向こうから積極的に攻撃してくることはありません

 

ワニガメは大きさが1メートルほどもあり、そのいかつい見た目から凶暴なイメージがあるのだと思います。

 

ただ泥や沼の中に擬態して隠れて暮らしているので、誤って踏んだり触って噛みつかれると大ケガをしてしまいますので注意が必要です。

 

2. 生態系への影響 

外来種はもともとその地域に生きていたわけではありません。

 

もともとその地域に生きていた生き物のことを、在来種と言います。

 

外来種がその場所に居付くと、この在来種に影響を与えてしまいます

 

外来種は人間が持ち込んだものなので、人間よりも在来種が一番迷惑を被っているとも言えますね。

 

ただ、人間には無関係かというとそうではなく、人間に有益な在来種が減少することで、結果的に人間にも悪影響があります。

 

例1. アメリカザリガニ

外来種アメリカザリガニ
アメリカザリガニは在来種であるメダカやヤゴ(トンボの幼虫)を食べてしまいます

 

生き物が、もともとその場所に存在しなかった生き物への耐性や対抗策を身に付けるにはとても長い時間が掛かります。

 

その猶予を与えられずに、一気に天敵が増えるような状況ですから、在来種にとってはひとたまりもないでしょう。

 

しかも、見知らぬ環境に放り出されて生きていけるような強力な力を持った天敵ということです。

 

例2. ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)

外来種ミシシッピアカミミガメ
在来種への影響は、直接食べてしまうことだけではありません。

 

食べるえさが在来種と競合したり、住処が重なって在来種が住む場所が減ってしまう、という影響があります。

 

また、在来種と外来種が交雑して、純血の在来種がいなくなってしまう、という影響もあるのです。

 

これらは直接的に在来種に攻撃しているのではないのですが、場合によっては直接食べるよりも大きな影響を与えてしまうのです。

 

日本の在来ガメも住む場所を追いやられている在来種たちです。 

 

3. 経済への影響

経済への影響とは、主にお金に関する損害をもたらす影響のことです。

 

農業や建築物の破壊、対策自体に掛かる費用も経済的な損害になっているでしょう。

 

例1. アライグマ

アライグマは、畑に侵入して畑にあるものを食い荒らしてしまいます

トウモロコシやスイカなど、せっかく育てた作物を食べてしまうのです。

 

作物を食べられても損失になるし、アライグマを畑に入れないようにする対策にもお金が掛かります。

 

アライグマ、とっても可愛いですが、農家の方にとっては厄介な外来種なのです。

 

外来種の侵入経路

f:id:kkamedev:20180623132829j:plain
外来種は人為的に持ち込まれたという話をしました。

 

「でも、具体的にどうやって持ち込まれているの?」

 

という疑問がありますよね。

 

具体的な侵入経路について、説明して生きます。

 

1. ペットのかご抜け、放出

1つ目は、ペットなど飼育している生き物が外来種になるパターンです。

 

でもこれには意図的なものと意図的でないものがあります。

 

結果的に外来種になってしまったことは同じではあるのですが…

 

■ 意図的でないもの

大切に飼っていたペットが逃げ出してしまった、というものです。

 

さらにこれには、個人レベルだけではなく、動物園からの脱走やペットショップからの脱走など、大規模なものもあります。

 

■ 意図的なもの

引越し先のマンションでペットの飼育が禁止でかわいそうだからと逃してしまう。

 

これは犬・猫だけでなく、カブトムシなどの虫や観葉植物も同様です。

 

先ほど紹介した、ミドリガメも縁日で売られていたものを飼いきれなくなって逃してしまって野生化したものです。

 

2.  持ち込み、付着

輸入品などに付着して外来種と化したものがいます。

 

例えば、樹木を輸出入、または国内でも運搬することがあります。

 

その樹木に虫が卵を産み付けていたとします。

 

すると、運搬先に本来生息していない虫が住み着いてしまう可能性があるのですね。

 

サクラを痛めてしまうクビアカツヤカミキリは、このパターンで持ち込まれたと言われています。

 

3. 経済的利用(食用、天敵導入)

経済的に悪影響のある在来種への対策(=天敵導入)や、食料不足で食用として輸入されたものがあります。

 

天敵導入で有名なのは、沖縄のマングースですね。

 

ハブ対策として持ち込まれたものです。

 

食用に導入されたもので有名なのは、ウシガエルです。

 

こちらも外来種問題でよく名前を聞く生き物です。

 

外来種は悪者なのか? 

f:id:kkamedev:20180623133008j:plain

ここまで、外来種の問題点や現状についてお話してきました。

 

外来種は人間や在来種に対して害をなします。

 

それでは、外来種は悪いヤツなのでしょうか?

 

きちんとこの記事を読んでくれた方はきっと、

 

「外来種って一方的に悪いわけではないんじゃない?」

 

と思ってくれているのではないでしょうか。

 

そう、外来種をただただ悪者扱いするのは間違っています

 

外来種の定義が他の地域から人為的に持ち運ばれた生き物である通り、全て人間が持ち込んだものです

 

決して外来種自らが侵略するためにやってきたわけではありません。

 

人間が生き物を思うようにコントロールできなかったために、 自らを苦しめているわけですね。

 

それでは、僕たちには外来種問題に対してどういう意識を持ってどういう行動をとるべきでしょうか?

 

運搬物に紛れてしまうようなものを完全に防ぐのは難しいとしても、普段の意識を変えることで防げる問題もたくさんあります

 

生き物を飼うときに守るべきこと

僕たちの身近で一番起こりうるのは、「生き物を飼う」ということですね。

 

犬、猫、カブトムシ、多肉植物…

 

例えば今は海外のクワガタやカブトムシも簡単に手に入る時代になりました。

 

最初はかわいがってよく世話をしていたとします。

 

ところが、子供が成長して部活を始めて世話をしなくなったり、引越しでペットを飼えなくなってしまう。

 

そんな時、殺すのはかわいそうだからと近くの公園に放してしまう。

 

この行為こそが外来種問題の種です。

 

これは海外の虫でなくても、国内の虫でも同じで、旅行先で捕まえた虫を逃すことも同じことです。

 

生き物を飼う時は、以下を守りましょう。 

 

  • 生き物が逃げないようにきちんと対策をする
  • 死ぬまで責任を持って飼い続ける
  • 飼えなくなる可能性があるのならそもそも買わない
  • どうしても飼えなくなった時は殺すしかない

 

どうしても飼えなくなった時は殺すしかない」について少しだけ補足します。

 

ペットを外に逃がすのは、在来種・逃す虫双方にとって不幸なのです。

 

都会しか知らない子供を突然山奥に放してしまうようなものです。

 

また、殺すくらいならと、誰かに受け渡すという手段に甘えるのも危険です。

 

受け渡し先が信頼できるかどうか、よく見て判断しなければ同じ問題が繰り返されてしまうのです。

 

おわりに

外来種=駆除と短絡的に情報発信されている場合もよくありますが、ただ駆除するだけでは外来種問題はなくなりません。

 

外来種問題がなぜ起こっているのか、どうやって防ぐのかをそれぞれが知っておかなくてはなりません。

 

僕たちの身の回りで起こりうる、生き物の飼育する時に意識すべきことをもう一度貼っておきます。

 

  • 生き物が逃げないようにきちんと対策をする
  • 死ぬまで責任を持って飼い続ける
  • 飼えなくなる可能性があるのならそもそも買わない
  • どうしても飼えなくなった時は殺すしかない

 

旅行先などで、それぞれの地域の特徴を一番表現するのはその地域の生き物たちです。

 

僕は生き物が大好きなので、旅行先ではその土地に生き物に出会うのが一番の楽しみです。

 

関連: 【野鳥旅行記】ニュージーランド:キーウィに会いにスチュワート島へ

 

その地域ならではの醍醐味をこれからも楽しむためにも、在来種を守っていきたいですね。