写真の虫は、数mm程度の大きさの虫。
注意して探さないと気付くことすらできない、とっても小さな虫たちです。
例えば、一般的なダンゴムシであるオカダンゴムシでも15mmくらいの大きさ。
しかし、こんな米つぶサイズの虫にだって、写真のような面白い虫がたくさんいます!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな僕が、今回は実は魅力的な小さな虫たちを紹介します。
小さな虫の大きな魅力
虫は大きくて強い虫が人気です。
- カブトムシ
- クワガタ
- カミキリムシ
- アゲハチョウ
どれもかっこいい、魅力的な虫です。
でも小さな虫にも、彼らに負けないくらい大きな魅力があります。
しかし、一般的にあまり知られていないマイナーな虫も多い。
例えるなら、隠れた実力派インディーズバンドを見つけたような気持ちになります。
葉っぱをめくったり、偶然地面で見つけたりして生まれる、小さな虫との出会いはまさしく運命です。
では、一体どんな魅力を持つ虫たちがいるのか?
ほんの一部ですが、素敵な小さな虫たちを紹介していきます。
米つぶサイズの小さな虫たち
ミドリグンバイウンカ
この記事のメイン画像として使わせてもらった虫です。
その色合いと、目が大きいところから、カエルのような顔をしていてひょうきんに見えます。
葉についていると見つけづらいかもしれませんが、たまに木の幹についている時があり、その時は見つけやすいです。
カシルリオトシブミ
金色と瑠璃色の輝く美しい姿を持つオトシブミの仲間です。
この虫、なんと3〜4mmくらいしかない(米つぶより小さい)のと、とても臆病な性格ですぐ隠れたり死んだふりをするので、きれいに撮影するのに苦労する虫です。
クロルリトゲハムシ
体のトゲトゲが特徴的な甲虫です。
発見した直後はじっとしていることが多いのですが、撮影したりして警戒し始めると急に逃げ始めます。
トゲで身を守っているのだと思いますが、こういう防御型の体の作りをしている虫は、基本的に臆病な虫が多いのでしょうね。
アミガサハゴロモ(幼虫)
背中に生えている綿毛が特徴的ですね!
幼虫なので飛行はできないのですが、空高くジャンプをしたあと、この綿毛をパラシュートのように使って、空からヒラリハラリと舞い降りるおもしろい虫です。
電子書籍「都会で自然を楽しむ 〜おもしろい虫編〜」でも表紙を飾ってもらいました。
ミスジミバエ
ミバエの仲間は、ハエの中でもオシャレさんが多いグループです。
僕は初めてミバエを見た時、「こんなにキレイなハエがいるのか」と感動を覚えた記憶があります。
全体的に数は多くない印象ですが、ミバエは他にもオシャレな種がたくさんいるので、ぜひ他のミバエも見つけて見てください!
ナミツチスガリ
8mm程度の小さなハチですが、こうして大きく見るとカッコイイ姿です。
このハチは狩りバチで、他の小さなハチをエサにします。
名前の通り、土に巣を作るので、地面に小さな穴が空いていたらその近くでこのツチスガリを見られるかもしれません。
クサカゲロウの仲間(幼虫)
クサカゲロウの仲間の幼虫には、この写真のように体にゴミを乗せて移動するものがいます。
自分の体をゴミで隠しているんですねー。
このことを知らないで初めて見た時は、「あれ?ゴミが動いてる!?」となりました。
でもあんまり慎重に動く感じではなくてよく動くので、葉っぱの上にいると動いているのが見えて割とすぐに気付けます。
ツノゼミの仲間
ツノゼミはセミと同じカメムシ目ではありますが、セミとは違うグループの仲間です。
丸っこくて小さい、かわいらしい虫です。
南米の方のツノゼミはそれぞれ個性的な進化を遂げていて、とても奇抜な姿をしているのです。(日本ではそれほど奇抜な姿のツノゼミはいませんが)
世界的に見て面白い虫ですよ!
虫めがね(ルーペ)を使って小さな虫を観察しよう!
紹介してきたように小さな虫たち、とっても個性的で面白い虫ばかりです!
面白い小さな虫は、他にもたくさんいるのですが、ちょっと厄介なのは、肉眼では小さすぎて面白いところがよく見えないことです。
そこで活躍するのが、虫めがね(ルーペ)です。
ルーペも色々種類があるのですが、米つぶサイズの虫を見るのに適しているのは、以下のようなもの。
- コンパクトな手持ち型・携帯型
→歩きながらサッと出しやすい - 倍率は最低5〜10倍程度
→倍率が高すぎると見られる範囲が狭くなり、ピントも合わせずらくなる - ライトが付いている(できれば)
→葉の裏など、暗い場所でも見やすい
上記を満たすルーペはこちら。
5000-10000円くらいです。
もう少し低価格のものならこちら。
ライトは付いていませんが、コンパクトで倍率は10倍。
2000-3000円程度で使い勝手の良いルーペです。
小さな虫を撮影するには近接用カメラが便利!
個性的で面白い小さな虫たちを写真におさめたい、と思うかもしれません。
でも、小さな虫を撮影しようとすると、一般的なデジカメだとなかなかうまく撮影できません。
というのも、カメラには「最短撮影距離」というものがあり、例えば最短撮影距離が50cmだったら、それ以上近付くとピントが合わないのです。
でも、小さな虫を撮影する時は10cmとかまで近づきます。
そのため、最短撮影距離が遠い一般的なカメラでは、小さな虫をアップで撮影するのは難しいんですね。
そんな小さな虫を撮影するのにオススメなのが、このカメラ。
このカメラには、「顕微鏡モード」 という機能があり、被写体に1cmまで近づけます。
そこからまさに顕微鏡並に拡大した写真が撮影できるのです。
さらに「Tough」の名がつく通り、
- 防水15m
- 低温-10℃まで耐えることができる
- 耐衝撃2.1m
と、屋外撮影に適したカメラなのです。
この記事で紹介している虫たちの写真は、もちろんこのカメラで撮影したものです。
(正確にはこの1つ前のモデルですが)
僕は結構虫の動きに合わせて慌ただしく撮影することも多いので、落としたりぶつけたりしてしまうこともあるのですが、その「タフさ」で元気に活躍してくれています!
おわりに:小さい虫に出会う喜びを感じよう!
今回紹介させていただいたような、「小さな体の面白い虫たち」は身近にたくさん暮らしています。
その世界があることを知った上で少しのぞかせてもらうだけで、そこには未知の世界が広がっているんですよ。
僕はその世界を知ったおかげで、色々な発見ができるようになりました。
例えば、花壇の花がありますが、花だけでなく花の付近にいる細かな虫を見ていると、実にいろんな種類の生き物がいます。
春、キク科の園芸種の花を見て見ると、そこには「カツオブシムシ」という小さな虫が必死に蜜を吸っていたりします。
こんなふうに、小さな虫は虫探しならではの喜びが味わえる虫なのです!
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