ネイチャーエンジニア いきものブログ

虫・鳥などの動植物の魅力や知識など、自然観察をもっと楽しむための情報を発信します。

アカボシゴマダラの特徴と魅力【美しい外来種のチョウ。幼虫はかわいいゆるキャラ】

アカボシゴマダラの幼虫

かわいい顔の虫!
これってどんな虫?

こんな疑問に答えます。

 

身近な場所にも、不思議で面白い生き物はたくさんいます。

 

今回紹介する虫も、そんな不思議な1種。

 

上のゆるキャラな姿をした虫は、アカボシゴマダラというチョウの幼虫です。

 

つぶらな瞳にちっちゃなお口がとても可愛らしいです。

 

しかもこの幼虫、恥ずかしがり屋のような仕草を見せるもので、顔を伏せてうつむくんですよ笑

 

僕はネイチャーエンジニアの亀田です。

 

年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。 

 

そんな虫好きの僕が、今回はアカボシゴマダラを紹介します。

 

 

アカボシゴマダラの特徴と魅力

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幼虫は可愛らしいゆるキャラな虫【エノキの葉を食べる】

以下は、アカボシゴマダラの幼虫の全体像。

 

アカボシゴマダラの幼虫

アカボシゴマダラ幼虫

 

写真のように、彼らと出会うと多くの場合顔を伏せた姿勢で葉の上にいるところを見つけます。

 

この伏せた顔をのぞかせてもらうことができると、以下のようなゆるキャラな顔が拝めます。

 

アカボシゴマダラの幼虫のかわいい顔

アカボシゴマダラの幼虫

 

幼虫が乗っかっているのはエノキの葉。

 

虫たちが食べる植物を食草食樹と言いますが、アカボシゴマダラはこのエノキの葉を食べます。

 

ちなみに、エノキはこんな木です。

 

エノキ

エノキ

 

エノキは樹皮がザラザラしていて、大きな凸凹がないのが特徴的です。

 

国蝶オオムラサキの親戚【幼虫の見分け方も紹介】

アカボシゴマダラは、コムラサキ亜科というグループに属する昆虫です。

 

コムラサキ亜科といえば、国蝶「オオムラサキ」に近縁のチョウ。

 

オオムラサキ

オオムラサキ

 

さらに「ゴマダラチョウ」という親戚もいて、これら3種の幼虫の姿がとても似ているのです。 

 

そして食べる葉も同じエノキ

 

なのでエノキでこの姿の幼虫を見つけた時、どのチョウの幼虫か見分けるのが難しい。

 

そこで、アカボシゴマダラの幼虫の見分けかたですが、以下の2点で見分けができます。

  • 背中に2列4つずつある突起の、上から3番目の突起が大きい
  • 尻尾部分が閉じている(オオムラサキは開いている)

 

アカボシゴマダラ幼虫

写真を見ると、やはり上から3番目の突起が大きいことが確認できます。 

 

ゴマダラチョウの幼虫は人気の虫

ゴマダラチョウの仲間は、人気の虫であるようです。

 

その証拠に、彼らに関連する本もいくつか出版されています。

 

 

 

確かに彼らはとってもかわいいですし、日本人が昔から暮らす里山で生きる虫たちですからね。

 

これらの本からも、虫たちを好きになってくれる人が増えると嬉しいです。

 

成虫も魅力的【赤い斑紋のある美しいチョウ】

アカボシゴマダラは幼虫だけでなく、成虫の姿もとっても魅力的。

 

その成虫の姿が、以下です。

 

アカボシゴマダラの成虫

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黒、白、赤の組み合わせがとても美しいですよね。

 

この赤い斑紋、これが「アカボシ(赤星)」の名前の由来です。

 

でもこの赤い星がはっきりと見える姿は夏限定バージョン

 

このチョウは春型・夏型があって、春の成虫は赤い星がほとんど見えないのです。

 

アカボシゴマダラは「特定外来生物」 

見出しにある通り、関東で見るアカボシゴマダラは実は外来種

 

本来、アカボシゴマダラは国内だと奄美大島(鹿児島県)でのみ分布しているチョウだったのですが、人の手によって放たれてしまい、その地で繁殖してしまったのです。

 

外来種についての詳しい話は以下の記事でどうぞ。

 

アカボシゴマダラは現在、「特定外来生物」に指定されています。

 

特定外来生物被害防止法」では外来生物の危険度ランク的なものが規定されていまして、このランクが高いほど生態系や農産物への影響が大きいとされ、規制が厳しくなります。

 

「特定外来生物」のランクはもっとも高いランクで、輸入や販売のほか、飼育・保持・運搬などが禁止されます。

 

なので例えば、公園でアカボシゴマダラを捕まえて家に持ち帰った場合、違法になってしまいます

 

このようにアカボシゴマダラが厳しく規制されている理由は、在来種であるオオゴマダラ」「ゴマダラチョウ」の生態系に悪影響を与える可能性があるため

 

先述した通り、この3種はみなエノキを食樹とするチョウたちであり、えさや生息環境が競合してしまうのです。

 

東京付近の低地において、3種の中で今一番多く見られる種は、残念ながらアカボシゴマダラでしょう

 

地球温暖化の影響で、本来の生息地より北の地域でも適応しやすくなっているのかもしれませんね。

 

ただ、決して外来種の生物そのものが悪者なワケではありません。

 

外来種を持ち運ぶのも人、地球温暖化に一番大きな影響を与えるのも人です。

 

しかし一方で、逆にそれらに歯止めをかける力を持つのも人であると僕は思います。

 

生き物たちへの関心と知識を持って、彼らの環境を守っていきたいものですね。

  

アカボシゴマダラに関連する虫たち

イモムシ・ケムシ(チョウ・ガの幼虫)

ナミアゲハ 終齢幼虫

 

同じ分類に属する虫たち

ルリタテハ

※リンクから各分類の紹介を見ることができます。

 

おわりに:アカボシゴマダラを観察してみよう!

アカボシゴマダラは関東などでは特定外来生物であり、持ち帰ったり飼育はできません

 

しかしながらこの虫自身はとっても魅力的な虫です!

 

観察するだけなら問題ないので、もし見つけたら、ぜひその美しい・可愛い姿をよく見てみてください!

 

合わせて以下もお読みください↓

「他の虫の紹介」を読みたい!

虫の魅力紹介まとめ【甲虫目、チョウ目など分類ごとに紹介】

「昆虫観察」について知りたい!

昆虫観察の始め方【観察に必要な知識・道具などを紹介】