大きなバッタがいるよ!
このバッタって、どんなバッタ?
こんな疑問に答えます。
写真のバッタはショウリョウバッタ。
ショウリョウバッタの最大の特徴は、「日本最大級のバッタ」であること。
その大きさは、昆虫の王様と呼ばれるカブトムシを大きく上回るほどなのです。
ちなみにショウリョウバッタはオスとメスで姿が異なり、その違いも面白いのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ショウリョウバッタの特徴と魅力を紹介します。
ショウリョウバッタの特徴と魅力
日本最大級のバッタ
ショウリョウバッタは「バッタ目バッタ科」というグループに属する昆虫。
その最大の特徴は、なんといっても大きさで、日本最大級のバッタです。
そのサイズはというと、"全長80mmオーバー"。
巨大な姿のショウリョウバッタ
写真の通り、大人の手の平いっぱいほどの巨大さを持ち、かなりの存在感を持つバッタです。
ちなみに「昆虫の王様」と呼ばれるカブトムシの大きさは、平均で50-60mm。大きいものでも70mm程度。
ということは、なんと"昆虫の王様よりもはるかに大きいサイズ"を持つバッタなのです。
また、ショウリョウバッタも他のバッタ同様にジャンプをして移動します。
ただ、大きな体を宙に浮かせるため、その脚(あし)も大きく力強い。
その巨体が飛び跳ねる様子は、「ドスッ、ドスッ」とパワーを感じます。
このように、ショウリョウバッタを観察する時はその「大きさ」に注目です!
体は草に擬態
ショウリョウバッタは、体が大きい分、一発で遠くに飛ぶことはできません。
そのため、すぐに茂みの潜るように移動していきます。
その体の大きさから「隠れるのは難しいのでは」と思いきや、茂みに入られると、意外と見つかりません。
それはショウリョウバッタが草に体を「擬態」させているため。
草に紛れると意外と見つからないショウリョウバッタ
細長い緑色の姿は、草に紛れやすくなっているのです。
茂みの中にいるショウリョウバッタを見ると、「うまく草に擬態するなあ」といつも思います。
虫たちは生息環境に擬態しているものも多くいて、そのような生き残る知恵を観察するのも面白いのです。
オスとメスの違い【コメツキバッタとキチキチバッタ】
ショウリョウバッタは、オスとメスで大きさが大きく異なります。
実は、日本最大級の大きさを持つのはメス。
オスの大きさは、2/3くらいの大きさの50mmくらいと、メスに比べてかなり小さいのです。
メスよりもとても小さいオス
写真の通り、体型も細くスマートな印象です。
また姿だけでなく、「ジャンプ力」もメスとはかなり違います。
先ほど紹介した通り、メスは長い距離を飛ぶことはできません。
しかし、オスのショウリョウバッタは飛翔力が高く、10mくらい飛行することができるのです。
なのでオスの場合、飛び立つとかなり遠くに飛んでいってしまいます。
ちなみにショウリョウバッタには別名があります。
それは「コメツキバッタ」と「キチキチバッタ」。
別名が2つあるのは、オス・メスそれぞれに付けられているためです。
■ コメツキバッタ
こちらはメスにつけられた別名。
メスの後ろ足をつかむと、体を大きく上下に動かします。
その体の動きが、「米をついているように見える」ということからつけられました。
■ キチキチバッタ
こちらはオスにつけられた別名。
オスは、飛ぶときに「キチキチ…」という音を出しながら飛翔しますが、この音からつけられたものです。
ちなみに僕が子供の頃はショウリョウバッタではなく、この別名で呼んでいた記憶があります。
夏の季節を象徴するバッタ
ショウリョウバッタは、夏を象徴するバッタでもあります。
というのも、その名前が夏を表しているからです。
ショウリョウバッタの名前の「ショウリョウ」は漢字で「精霊」と書きます。
これは、ショウリョウバッタが、8月の精霊祭(しょうりょうまつり)の時期に現れることが由来と言われています。
なお、ショウリョウバッタの幼虫は初夏頃からよく見られるようになり、季節が進むにつれて段々と大きくなっていきます。
そして7月中旬くらいになると、ようやく成虫が見られ始めます。
ショウリョウバッタの成虫に出会える頃は、もう真夏の暑い季節。
大きくなって羽が生えそろったショウリョウバッタの姿を見ると、「夏もピークだなあ」と感じるものです。
このような季節感があるのも、昆虫観察の醍醐味ですね!
ショウリョウバッタと同じ分類に属する虫たち
ショウリョウバッタはバッタ目バッタ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[バッタ目]
直翅目(バッタ目)の昆虫まとめ|脚(あし)が強く発達した虫たち
▼
[バッタ科]
おわりに
僕にとって、ショウリョウバッタは子供の頃から身近で思い入れのある虫です。
昔は街中にちょっとした空き地の草むらがよくあって、そこでバッタ探しをして楽しませてもらったものでした。
今でも草むらが残されているような環境があれば、比較的身近に見られる虫なので、ぜひ探し観察してみてください!
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