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日本の自然は本当に豊かなの?世界における日本の森林の実態

日本の自然は豊かだってよく聞くけど、本当なのかなあ?

海外で詳しく自然を見たことがないからわからないよ。

 

ネイチャーエンジニアの亀田です。

 

テレビなどのマスメディアで、「日本の豊かな自然」というような言葉を見ますよね。

 

だけど、 国内外を自然探索してきて、僕もこの言葉に疑問を持ったことがあります。

 

それは、こんな経験をしたからです。

 

■ ニュージーランド(ルートバーン・トラック)

観光情報誌にもよく載っている、メジャーなトレッキングスポット。

 

美しい川、山に囲まれた広大な草原、と素晴らしい自然が体験でき、たくさんの野鳥たちにも出会えました。

 

そこには、間違いなく「大自然」がありました。 f:id:kkamedev:20180807171259j:plain

 

■ アメリカ(ヨセミテ)

そこには、ダイナミックな森林が広がっていました。

 

シカなどの動物も見られ、生物も多様に思えました。

 

日本とはまた違う「豊かな自然」があったのです。

 

↓ヨセミテのキャンプ場にいく途中のビュースポットで撮影した写真

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こんな経験をしていて、こう感じたのです。

 

「海外にも豊かな自然がある場所は多い。

日本が特別自然が豊かというのは、本当なのだろうか?」

 

と。

 

ということで、この疑問を晴らすため、「日本の森林」について調べて見ました。

 

■ 目次

 

 

データから見る日本の森林 

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日本の森林率は世界20位 

日本の森林率は68.46%で、20 / 225位

(データは2015年時点)

 

※森林率=国の陸地面積における森林面積の割合

 

データは下記を参照しました。

>> 世界の森林率 国別ランキング・推移 - Global Note 

 

ヨセミテの例を出したアメリカは、103位で33.90%。

 

熱帯雨林のイメージの強いマレーシアが21位。

 

なので、 日本の森林率はやはり高いようです。

 

日本の森林面積は世界23位 

日本の森林面積は、23 / 227位

(データは2015年時点)

 

データは下記を参照しました。

>> 世界の森林面積 国別ランキング・推移 - Global Note

 

こちらはもっと低いと思っていたので意外でしたが、森林面積でも世界上位でした。

 

ちなみに、国土面積では日本は 61 / 227位

 

ほぼ同じ国土面積を持つノルウェーの森林面積は45位でした。 

 

日本の森林面積は、約2,500万ha。

 

一位のロシアは、約81,493万ha。

 

面積の絶対値的には、上位の国とは実際には大きな差があります。

 

日本の森林の質 

日本の森林の「量」は上位であることがわかりました。

 

では、日本の森林の「質」は?

 

日本の森林は、様々なタイプの森林を持ち、非常に多様性があります

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  • 高山性植物(ハイマツなど)
  • 亜寒帯針葉樹林(トドマツなど)
  • 落葉広葉樹林(ブナなど)
  • 照葉樹林(カシなど)
  • 温帯性常緑針葉樹林(モミなど)
  • 沖縄の亜熱帯雨林(スダジイなど)

 

狭い国土ながら、大陸と同等レベルの植生の多様さを持ちます。

 

この多様さを実現できるのは、

 

  • 国土のほとんどが年間1000mm以上の降水量があること
    (季節風などの恩恵が得られている)
  • 縦に長く緯度の範囲が広いこと
  • 高山が存在し、標高の差が激しいこと

 

などの理由から。

 

日本程度の国土面積に、これだけ多様な自然が共存するのは珍しい貴重な場所のです。

 

また、日本では落葉広葉樹の種類が多いため、

 

紅葉が世界一美しい国

 

とも言われています。

 

これも多様な自然が存在する恩恵なのですね。

 

国民が日本の自然の恵みを実感できないのはなぜか

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こんなに広大で多様性も高い森林があるのに、冒頭の疑問が生まれたのはなぜでしょうか?

 

理由の1つに、「自然の恵みを受けた実感が少ない」ことがある気がします。

 

それを示しているのがこのデータ。

 

>> 国民一人あたりの森林面積

 

トータルの森林面積では世界上位だった日本ですが、それを国民1人あたりの面積にすると0.2haになります。

 

森林率も森林面積もほぼ同じ順位だったマレーシアは0.8ha

 

なんと4倍もの差になります。

 

国民一人が受けられる自然のキャパシティが違うのです。

 

自然の恵みとしてイメージしやすい例でいうと、 「野草や山に自生している果実」があります。

 

仮に日本国民がこれらを一斉に食べたら、きっとすぐに無くなってしまうでしょう。

 

他にも自然がキャパオーバーしている例として、登山があります。

 

人気の登山スポットに行くと、

 

  • 登山するのに行列をなす
  • 駐車場が満車

 

登山的な自然のアクティビティでこんなに人が密集しているところ、海外では見たことありません。

 

例えば、冒頭で例を挙げたルートバーン・トラック。 

 

夏のトレッキングシーズンの時期に行ったのですが、人はあまりおらず、寝転がったり、自然を十分に堪能できました。

 

日本で神奈川の金時山に登った時は、頂上に人がたくさんいて、座るだけのスペースですら探したほどでした。

 

そんな人混みだと、自然スポットと言えども、大自然感は味わいづらいですよね。

 

ちなみに日本では、人口密度の低い、離島や地方の山なんかに行った時は、大自然を感じられます。

 

※ ここは僕の勝手な考えですが、昔の日本人は、日本の自然のキャパシティというものをすごく意識していたのではないか、と思います。

 

なぜなら、昔の日本人が残した風習として、里山や雑木林があります。

 

これらは、自然から恵みをもらうだけの一方通行のものではなく、自然と共存するものだからです。

 

関連: 里山の生物を守る方法 - 雑木林の萌芽更新を分かりやすく解説

 

おわりに

データから日本の自然=森林を考察してきました。

 

その結果、

 

「日本の自然は決して少ないものではないが、国民全員が自然の恵みを受けるには少ない」

 

ということが分かりました。

 

自然の恵みを受けることだけではなく、「守る」「維持する」ということも考えないと、今後ますます自然を感じづらくなってしまうでしょう。

 

この貴重な日本の自然をこれからもみんなで考えていきたいですね。

 

では、また。

 

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