ガ(蛾)って暗くて地味なイメージ。
綺麗なガなんて本当にいるの?
こんな疑問にお答えします。
ガ(蛾)というと、どのようなイメージがありますか?
僕の周りの知人や友人たちと話をしていると、
「地味」
「気持ち悪い」
などと、ガに対してマイナスなイメージを持ちがちなように感じます。
しかしながら、実はガはとっても多様な昆虫。
ガは「チョウ目」という、5000種ほどのチョウとガが含まれるグループに属しますが、そのうちなんと95%がガ。
なのでガと言っても様々な姿や生態のものがいて、とても綺麗な姿を持つものもたくさんいるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、美しいはね模様を持つガたちを選抜して紹介します。
※動画版はこちら▼
綺麗な蛾が多くいるのには理由がある
蛾は多様性の高い昆虫である
ガは「チョウ目(鱗翅目(りんしもく))」というグループに属する昆虫たちです。
このグループに含まれるのは蝶(チョウ)と蛾(ガ)の仲間で、日本には5,000種ほどが知られています。
このグループの中のチョウとガの比率ですが、なんと95%がガ!
チョウには、アゲハチョウやシジミチョウ、タテハチョウなど、実に様々な種類のものがいます。
チョウだけでもこれだけ多くの仲間がいるのに、なんとガにはチョウの20倍近くの多様さがあるのですね。
だからこそ、ほとんどの人が見たことのないようなガも多くいて、姿も生態も様々。
その中には「綺麗な姿を持つ蛾」もたくさんいるのです。
この記事の中だけではその美しいガたちの全ての紹介はできませんが、"数多くの候補から厳選した何種かの蛾たち"を紹介していきます!
綺麗な蛾たちの紹介
クロマイコモドキ
小さな姿ですが、細長く金色の美しく輝くはねを持つ蛾。
その目立つはねのため、サイズの割に意外と存在感があります。
夏の林では個体数が多く発生していることもあり、昼行性でもあるため比較的観察しやすい種です。
セスジナミシャク
セスジナミシャクが含まれるのは「シャクガ科」 という巨大なグループで、グループ内の蛾たちのはね模様も実に多岐に渡ります。
その中でも複雑で繊細なはね模様を持つ種で、まるで"稲妻"のような模様が特徴的です。
キンモンガ
一見しただけでは、「え、本当に蛾なの?」と思うような姿の蛾。
多様な蛾の仲間には、まるで蝶に見えるような姿のものもいます。
キンモンガのはねは、"黒地に黄色(金色)の紋"が映えて美しい。
生態も一般的な蛾のイメージとは異なる「昼行性」であり、明るい時間にヒラヒラと舞います。
マドガ
黒地のはねに散りばめられた白と黄色の斑紋が綺麗。
マドガも小さな蛾ですが、そのはねをよく観察すると、繊細なデザインになっているのですね。
名前もこのはねが由来で、はねの中央にある白い斑紋を「窓」に見立てたようです。
オオミズアオ
「最も美しい蛾」と言われることもある種。
羽衣のように透き通った薄緑色のはねが美しいです。
もう一つ特徴的なのが、その"大きさ"。
オオミズアオは「ヤママユガ科」という大型の蛾の多いグループに属し、なんと10cm前後ほどのサイズになります!
ビロウドハマキ
繊細な斑点のある美しいはねが目立つハマキガ。
また、ハマキガの仲間の中では大型の種です。
さらに飛翔時には、鮮やかなオレンジ色の後翅(こうし)が見えます。
キシタバ
一見地味な姿に見えても、「後翅(こうし)」に鮮やかな姿を隠し持っているものもいます。
「シタバガ」の仲間には、そのような"隠された美しさ"を持つものが多い。
キシタバは、黄色い鮮やかな後翅を持つ種です。
サツマニシキ
「マダラガ科」というグループに属する蛾。
マダラガの仲間は、シックな姿ながら、美しい色彩が入っているものが多い。
その中でもこのサツマニシキは、全体が色鮮やかなはねを持つ種です。
綺麗な蛾と同じ分類に属する虫たち
綺麗な蛾はチョウ目に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
おわりに:多様なガたちを観察してみよう!
今回紹介したものはほんの一部。
見ていただいたように蛾には綺麗な姿を持つものも多く、とても魅力的な虫たちなのです。
登場した蛾たちには、山などに行かないと見られないものもいますが、実は半分以上は「身近な場所」でも暮らしているものたちです。
普段身近な場所で出会っている蛾の中にも、よく見ると美しいものがいたりします。
そんな蛾たちにも、ぜひ注目して観察してみてください!
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