今回の主役は身近なかわいい小鳥、スズメ。
スズメは家の周りでもよく見かける最も身近な野鳥の一種ですが、実は日本には2種類のスズメがいるのです。
もう一種のスズメの名前は、ニュウナイスズメと言います。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、日本にいる2種類のスズメの違い+海外のスズメを紹介します。
日本で見られる2種類のスズメ
冒頭にお話した通り、日本には2種類のスズメがいます。
それは
・ニュウナイスズメ
の2種類です。
スズメ
こちらは家の周りでもよく見ることのできる「スズメ」。
「チュン、チュン」という鳴き声を出すかわいい小鳥です。
家の屋根や電柱など、人に近い場所に巣を作ります。
昔から人に身近なスズメであり、「舌切り雀」などの童話に出てきます。
また、日本人にとって最も身近であるスズメは鳥の指標における基準とされることが多いですよね。
このように、他の野鳥よりも近い距離で観察することのできる、嬉しい野鳥です。
スズメについては、以下の記事で詳しく紹介しています↓
ニュウナイスズメ
ニュウナイスズメは、オスとメスで姿が異なります。
赤みの強い姿のオス
目の上に白い線状の斑のあるメス
オスのオレンジ色は実際に見ると、かなり鮮やかで綺麗です。
また、スズメは都市部の街中でも見られる身近な鳥ですが、ニュウナイスズメの生息場所は、郊外の林。
スズメと違ってあまり身近な場所では見られません。
都市部ではニュウナイスズメよりもスズメの方が優位なようです。
ちなみに、僕がニュウナイスズメを初めて観察したのは新潟の山。
明るい赤に近いオレンジ色の姿をしたオスを発見しました。
当時、僕はスズメが2種類いることは知りませんでしたので、「あれ!?あのスズメ、いつもと何か違う!」となったのを覚えています。
鳴き声も「チュン、チュン」ではあるのですが、スズメとは微妙に異なるニュアンスなので、観察する機会があればその声にも注目してみてください。
スズメとニュウナイスズメの違いと見分け方
この2種の見分けポイントは、「頰の黒い斑点」です。
こちらの画像をどうぞ。
左が「スズメ」、右が「ニュウナイスズメ」。
スズメの特徴である、頰の黒い斑点がニュウナイスズメにはありません。
特にニュウナイスズメのメスの体の色は、スズメに似ています。
彼らを確実に見分けるには、頰の部分を確認しましょう。
ちなみに、ニュウナイスズメの名前の由来はいくつか説がありますが、その一説はこちら。
↓
「ニュウ」がないスズメ → ニュウナイスズメ
頰の黒い斑点は、スズメの代表的な特徴だったのですね。
このように、ニュウナイスズメの名前の由来がそのまま、スズメとの識別ポイントになっているのでした!
海外のスズメたち
ちなみに、海外のスズメも日本のスズメとは別種です。
イエスズメ
イエスズメは、ヨーロッパや中央アジアなどの広い範囲に分布します。
上で紹介した写真も、ニュージーランドで撮影したものです。
上の写真はオスの姿で、頭の灰色部が特徴的。
ちなみに、メスはニュウナイスズメのメスに似た姿をしています。
実はアジア的にはこのイエスズメが主流。
アジアでは分布していない地域の方が少なく、むしろ日本や朝鮮半島、フィリピンなどが特殊なのです。
というのも、スズメとイエスズメでは、イエスズメの方が競争力が強いため。
日本はイエスズメがいない地域だからこそ、僕らに身近なスズメが身近な場所で見られるのかもしれません。
ちなみに、僕はアジアでは台湾とマレーシアにも行きましたが、そこでは日本でお馴染みのスズメが見られました。
マレーシアで観察したスズメ
このように、世界での野鳥の分布や勢力図を確かめるのも、世界で観察をする楽しみの1つになりますね!
スズメとニュウナイスズメと同じ分類に属する鳥たち
スズメとニュウナイスズメはスズメ目スズメ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[スズメ目]
▼
[スズメ科]
おわりに:スズメのような身近な野鳥たちを観察してみよう!
今回紹介したスズメのような身近な野鳥を知っていると、日常で出会える野鳥たちに目が向くようになります。
すると自宅周辺を歩くだけでも、たくさんの野鳥たちとの出会いがあり、とっても楽しくなるんですよ!
日々の生活をもっと楽しくするのに、野鳥観察という趣味はおすすめです。
以下では、野鳥観察の始め方を観察に役立つ知識や道具とともに紹介していますので、ぜひご覧ください!
そのほかのおすすめ鳥紹介記事↓
■ サギ科の野鳥
他の鳥の紹介、鳥ゲーム・アプリ、野鳥観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓