今回の主役は、花に集まるハチ=「ハナバチ」たち。
ハチは、植物の花粉を運ぶ重要な役割を持つ存在ですが、その中でもこのハナバチたちは多くに植物にとって特に大切なパートナーなのです。
そんなハナバチたちですが、彼らの姿はなんだかメジャー感のある姿のものが多い。
例えば、青い色のものからモフモフなものまでいるんです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、花に集まるハチの種類と魅力を紹介します。
花に集まるハチたちの特徴
ハチたちは、ハチ目というグループに属する虫です。
今回この記事では、 ハナバチ、ハキリバチ、ツチバチといった、様々な花に集まるハチたちを紹介します。
ハチの観察に適した季節とは
あなたはハチを見るのに適した季節はいつだと思いますか?
虫のイメージの強い、春か夏、と思いますか?
良いですね!
春は確かにハチを観察するのに適した季節です。
花がたくさん咲き出す季節で、そこにハチも集まってくるからです。
一方で、夏はハチを多く見られる季節ではありません。
なぜなら、真夏に咲く花はあまり多くなく、花に集まるハチがあまり見られないからです。
実は、もう1つおすすめの季節が、秋の始め頃。
晩夏〜秋(8月後半〜10月)の時期は暑さがおさまって、また花が咲き出す季節なのです。
花に集まるハチの仲間
ヒメツツハキリバチ
このハチはハキリバチというグループに属します。
ハキリバチは、「葉を切って」巣の材料にする習性を持ちます。
これが「ハキリバチ」名前の由来になっています。
上の写真はハキリバチの中でも体の小さい種です。
(サイズや見た目からヒメツツハキリバチとしていますが、ハキリバチは似ているものが多く、あまり自信ありません…)
胸までと、腹(おしり)部分が1:1くらいの寸胴なバランスです。
このハチはおしりをクイッと反り上げる仕草をするんですが、それも可愛らしいんですよね。
なぜその仕草をするか調べてみたものの、理由はよく分からず。
アオスジハナバチ
コハナバチというグループの属するハチです。
おしりの青い筋が美しいです。
この筋の色には変異があって、緑っぽくなっていたり、黄色っぽくなっている個体もいます。
このハチは夏から見られるハチで、夏〜秋まで見頃ですよ!
ちなみに、この写真を撮った時には何匹かいたんですが、写真に写っているハナトラノオの蜜ばかり狙っていました。
近くにコスモスがあったのですが、そちらの蜜は好みではないようです。
(コスモスの方が写真は撮りやすいのに…)
ツチバチ類
このハチはツチバチというグループのハチです。
上の写真はキンケハラナガバチという種。
ハラナガバチの仲間も見分けが難しいのですが、キンケハラナガバチは「胸部に黄金の毛がある」ことが特徴です。(他の仲間はもっと白い色)
なんだか縁起の良さそうな虫ですよね?(笑)
ツチバチは「寄生バチ」の仲間で、コガネムシの幼虫に寄生します。
寄生バチについては以下の記事で紹介しています↓
なので地面の低い位置を飛んでいることが多いです。
また、ツチバチは初夏に見られもしますが、やはり秋が一番の見頃です。
よく花に集まるので観察してみましょう!
大きめなので怖いと思うかもしれませんが、基本的に大人しいハチですよ。
セイヨウミツバチ
とってもメジャーなミツバチです。
ハチミツ作りに欠かせない、人間にとってありがたい益虫です。
それだけでなく、姿も可愛らしいですよね。
ちなみにセイヨウミツバチは外来種。
日本の在来種のミツバチは「ニホンミツバチ」です。
姿は似ているんですが、スズメバチに対抗できるのはニホンミツバチだけだったりと、生態的にはかなり違いがあるんですよ。
クマバチ
ミツバチの仲間で、グループの中でも大型のハチです。
胸の黄色いフワフワの毛が特徴。
飛ぶ時も「ブーン」と大きな音がするので、近くを通るとビックリするかもしれません。
ちなみに、僕が子供の頃はその大きさから、スズメバチくらい危険なハチだと思ってかなり警戒していました。
実際は温厚な性格で、掴んだりしなければ刺されることはまずないでしょう。
というのも、自ら刺してくるハチは基本的に社会性のあるハチで、スズメバチやミツバチなど。
クマバチは社会性のあるハチではありません。
彼らは自分の命よりも巣の優先順位が高いため、巣に危険を感じると攻撃することがあるのです。
コマルハナバチ
こちら一部では大人気のハチです。
全身黄色の長い毛に覆われていて、モフモフフワフワした姿を持ちます。
でもこの種は実は、オスとメスで姿がかなり違います。
写真の個体はオスのもの。
メスは、基本黒色で、おしりの先がオレンジ色です。
オスの姿はかなりユニークなので、いたらすぐに気付けるはずです。
このかわいい姿、もっと写真に納めたいんですが、蜜を吸ってる時間があまり長くなくてなかなか良い写真が撮れないんですよね。
トラマルハナバチ
名前の通り、「虎のような模様」を持つハナバチ。
いつも忙しそうに花の蜜を集めています。
秋になると、ツリフネソウの花にすっぽりと入っていく姿を見ることができます。
ナミルリモンハナバチ
ちょっと本命的な感じで、トリに持ってきてみました。
美しい青い斑紋があるハナバチです!
僕は初めて見た時、とっても興奮しました。
しかし、興奮しすぎて焦って、初見ではまともな写真が撮れず(笑)
このハチ、とっても美しいんですが、なぜかあまりメジャーでない気がします。
このハチは秋にしか見られない種です。
ただ、個体数も少なくなく、蜜の種類はあまり選ばない雑食の印象です。
今の時期、林縁などでハチが好みそうな花を1つ1つ歩いて回ればきっと見つかるはずですよ!
マレーシアのボルネオ島で、この虫の類似種を見つけました。
あちらのルリモンハナバチの方が、より鮮やかでしたね。
以下の記事で紹介しているのでぜひご覧ください↓
花に集まるハチと同じ分類に属する虫たち
花に集まるハチはハチ目に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[ハチ目]
膜翅目(ハチ目)の昆虫まとめ|ハチやアリなど社会性を持つ昆虫がいる
おわりに:ハナバチについてもっと知ろう!
今回紹介した花に集まるハチたちはほんの一部。
まだまだ魅力的なハチはたくさんいるんですよ!
そんな魅力的なハチたちをもっと知流には、以下のハチハンドブックがおすすめです。
名前や外見的特徴だけでなく、行動や生態についても紹介されています。
身近なハチたちの魅力を知るのにピッタリですよ!
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