今回の主役は、かっこいい甲虫たちです。
しかも彼らは特別な場所に行かないと見れない虫たちではなく、身近な場所でも見られる虫たち。
僕たちの身の回りには、こんなカッコいい虫たちがたくさんいるんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、身近なかっこいい甲虫たち7種を紹介します。
甲虫はかっこいい【代表種はカブトムシ】
甲虫(コウチュウ)とは、コウチュウ目というグループに含まれる虫たちのこと。
日本で最も有名で人気の甲虫は、以下のカブトムシです。
カブトムシの魅力はなんといってもそのツノ!
ツノで相手をぶっ飛ばすその迫力に、少年時代の男の子は誰しもが憧れたハズ。
このように、カブトムシは誰もが認めるカッコいい昆虫ですが、日本にはこのカブトムシ以外にも、かっこよくて魅力的な甲虫がたくさんいるんですよ。
それを今から、紹介していきます。
かっこいい日本の甲虫7選
アオジョウカイ
ジョウカイボン科の甲虫。
体は美しい青色で、胸の側面が黄色。
クールビューティーです。
無骨なかっこよさというより、騎士的なかっこよさ。
近似種に「ジョウカイボン」がいるんですが、そちらはもう少し荒々しい感じ。
勝手なイメージですが。
でも実際、ジョウカイボンはたまに威嚇するような仕草も見せるんですが、アオジョウカイは大抵逃げようとします。
アオジョウカイは冷静沈着な判断をする騎士なのです。
アナアキゾウムシの仲間
アナアキゾウムシの魅力は、なんと言ってもその重厚さ!
どっしりと構える姿がかっこいい。
ゾウムシは、口を隠すように足を縮こまらせてポトッて落ちる、いわゆる「死んだふり」をします。
でもこのアナアキゾウムシは、見つかっても比較的のんびりとしていることが多いです。
ちなみに、アナアキゾウムシの仲間に、「オリーブアナアキゾウムシ」という面白い種がいます。
香川大学農学部附属農場のFacebookページに、こんなことが書いてあります。
オリーブですが、果実は生食できません。ものすごく苦いです。その原因物質はオリュロペイン(オレウロペイン)と呼ばれるポリフェノールです。
植物が昆虫や動物に食べられないために作り出している物質なので、普通は食べようという考えが出てこないはずですが、
オリュロペインはオリーブの害虫であるオリーブアナアキゾウムシの摂食を刺激するそうです。
ヨーロッパではこのようなゾウムシの被害はありません。
他の虫は食べられないオリーブの実を、オリーブアナアキゾウムシは克服したとのこと。
その結果、オリーブに卵を産み付けて枯死させてしまうということで、残念なことに害虫扱いされてしまっています。
しかし、海外のどんな国でも克服できなかったオリーブを制したアナアキゾウムシ。
おそるべしです。
ゴマダラカミキリ
僕にとって、カミキリと言えば最初に思い浮かぶのがこの「ゴマダラカミキリ」。
僕が小学生の頃、家にもよく飛んできて馴染みがあったからです。
でも今では実家に帰っても、家の近くでこのカミキリムシを見ることはできなくなってしまいました。
実はこのゴマダラカミキリは、農家にとって害虫。
クワやミカン、バラなど幅広い植物を食害してしまうんですね。
でもこのカミキリを見かけなくなったということは、悲しいことに実家近くに虫が住める木がなくなってしまったということでしょう。
そんな農業にとっては迷惑な存在ですが、よく見るとかっこいい虫です。
ダークブルーの体に白い斑点、長い触角。
サイズも大きめなので、大物感もあります。
こんなメリハリが効いたゴマダラカミキリ。
僕は大好きな虫です。
オサムシの仲間
オサムシは「歩く宝石」とも言われ、一部の虫好きに大変人気のある昆虫です。
ガッツリ肉食性で、獲物を狩っているところなんかに出くわすと、かなり迫力があります。
琵琶湖博物館がかなりオサムシを推していて、オサムシの企画展をやったり、本も出版してます。
公式ページはこちら↓
オサムシの魅力は、
- 色とりどり(緑、青、オレンジなど)の種がいること
→「歩く宝石」の所以 - はねが退化していて、地域によって見られるオサムシが異なる
→ご当地感 - 大型種でかっこいい!
といった点。
ただオサムシの識別はかなり大変で、正確に見分けるには交尾器を見る必要があります。
でもオサムシを知るには、オサムシをよく観察する必要があることで、ハマっていくのかもしれないですね。
ベニヒラタムシ
名前の通り、体が平べったい虫です。
体を平べったくすることで、樹皮などに入り込みやすくしています。
また、顔に注目してください。
顔が鬼のようにいかつい虫です。
体の大きさと比べて、顔やアゴの割合が大きいのです。
クワガタみたいでかっこいい!
でもこのヒラタムシ、なかなか見つけられないんですよね。
基本樹皮で生活しているからなかなか出てこないし、低地よりも山とかに多いから、探索回数も少なくなりがち。
上の写真も、山で休憩してたらたまたま飛んできたところを撮影したもの。
でも、だからこそ見つけた時はとんでもなく嬉しいですよ!
ヨツスジトラカミキリ
この種もカミキリの仲間です。
- 黄色と黒のコントラスト
- 黒の模様の複雑さ
- スマートな体つき
がとってもかっこいいです!
ちなみにこの黄色と黒の体は、「アシナガバチに擬態」していると言われています。
擬態について詳しくはこちら↓
また、先述したゴマダラカミキリもカミキリですが、あちらは「フトカミキリ亜科」で、この種は「カミキリ亜科」。
カミキリ亜科の方がスマートな種が多めで、ごついよりも美麗な模様を持つカミキリが多いです。
強いものに擬態している種は数があまり多くないので、出会えたらラッキーですね!
ノコギリクワガタ
最後の7種目の甲虫ですが、やっぱり出してしまいました!
クワガタ!
カブトムシと並んで大人気の昆虫です。
ノコギリクワガタは、通称「赤牛(アカウシ)」。
これは、赤い体と、アゴの形からつけられた呼び名です。
実は地域によって呼び名が違っていて、色々な呼び方があります。
それくらい、身近で大人気の種ってことですね。
ノコギリクワガタのかっこいいのが、「湾曲した牛のようなアゴ」です。
クワガタって、個体によってアゴの形にかなり違いがあります。
ノコギリクワガタは、「大歯・中歯・小歯」の3つのタイプに分かれます。
上の写真は「大歯型」。
この大歯型しか、赤牛の特徴の「アゴの反り」がないんです。
なので、このタイプの個体を見つけた時は大興奮してしまいます。
今年の夏も、赤牛様にはたくさん楽しませてもらいました。
ノコギリクワガタ
— 亀田恭平(ネイチャーエンジニア) (@kkamedev) July 25, 2018
大人になってもやっぱりカッコいい。
探索にでかけるとこういう出会いがあるからたまらない。
さ、こんな虫の魅力を伝えるコンテンツ考えるぞ! pic.twitter.com/Q6NNuxo313
あの時撮ったやつが、ようやく紹介できました。
もう夏も後半ですが、クワガタは9月でも見られることがあるのでぜひ観察して見てくださいね!
おわりに:かっこいい甲虫たちをもっと楽しもう!
今回は、日本のかっこいい甲虫7種を紹介しました。
その姿を見ているだけでもワクワクするカッコいい甲虫たち、ぜひじっくりと観察してみてください!
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