ネイチャーエンジニア いきものブログ

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ムクドリはうるさい鳴き声の迷惑な害鳥?ムクドリの歴史と真実の姿を紹介

ムクドリ

ムクドリって、鳴き声やフンで嫌われてるみたい…。
かわいい姿をしているけど、悪い害鳥なのかな?

こんな疑問に答えます。

 

ムクドリはとっても身近な鳥。

 

しかし実は、ムクドリには冒頭にあったような「嫌われ者」のイメージもあります。

 

メディアでも「迷惑な鳥」として扱われることがあります。

 

しかし、ムクドリは本当に一方的に人間に迷惑をかける、悪い害鳥なのでしょうか?

 

そんなムクドリたちと人間の関係の昔と今を振り返りながら、ムクドリについてお伝えしたいと思います。

 

僕はネイチャーエンジニアの亀田です。

 

年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。 

 

そんな鳥好きの僕が、ムクドリの真実の姿を紹介します。

 

 

ムクドリは都市生活に適応した身近な野鳥

ムクドリ

ずんぐり体型でよちよち歩く可愛らしい鳥

ムクドリは、大きさ24cmくらいで、スズメより2回りくらい大きいサイズです。

 

スズメよりも少しずんぐりした体型をしています。

  

歩く姿は可愛らしく、よちよち歩く感じです。

 

よちよち歩きのムクドリ

ムクドリ
 

ちなみにムクドリはオスとメスで少し体の色味が違います。

 

以下のように、オスの方が色が濃いです。

 

ムクドリ(メスが左、オスが右)

ムクドリ

 

都市生活に適応した身近な野鳥【アジア付近でしか見られない】

ムクドリは開けた場所が好き

 

郊外では農耕地に多くいます。

 

また都市生活にも適応していて、公園の芝生などで地面をついばみながら歩き回る姿をよく見られます。

 

そのため街中でも見られる、最も身近な野鳥の1種です。

 

ところが、ムクドリはアジア付近でしか見られません

 

だから欧米では珍しく、欧米のバードウォッチャーに人気の鳥なんですよ。

 

ムクドリはうるさい鳴き声の迷惑な害鳥なのか?

ムクドリがもともとは益鳥だった歴史

実はムクドリは、日本では元々「益鳥」でした。

 

なぜなら、日本人はもともと農耕民族。

 

育てている農作物につく害虫には、農家なら誰しもが手を焼いていました。

 

ムクドリはそんな農作物につく虫たちをどんどん食べてくれます

 

農家にとっては農作物を守ってくれる、ありがたい存在だったのです。

 

ムクドリは漢字で書くと「椋鳥」。

 

椋とは「ムクノキ」のことで、ムクノキの実を好んで食べることが由来です。

 

ムクドリは虫だけでなく木の実も食べます。

 

センダンの実を食べるムクドリ

ムクドリ

 

このように木の実も好きなので、農家の育てた果樹なども食べてしまいます

 

しかし、農薬などのなかった昔には、それ以上にムクドリの活躍の影響は大きかったのでしょう。

 

昔はムクドリは感謝こそされ、害鳥などにはならなかったのです。

 

現在ムクドリが害鳥扱いされている理由

そんなムクドリですが、今、特に街中では害鳥扱いされて嫌われ者になってしまっています

 

その理由は以下の通り。

・鳴き声による騒音被害
・糞害

 

ムクドリは、街中では駅前の街路樹などをねぐらにします。

 

特に夏〜秋は集団生活をする習性があります。

 

ムクドリの鳴き声は「キュルキュル」という感じで鳴くことが多く、単体では決して大きな声ではありません。

 

ただ数が多くなると、やはりその音量も大きくなります

 

また彼らも生きているので、特にねぐらではフンが多くなります。(糞害と言われます)

 

また、「果樹を食べること」も害鳥扱いされている1つの原因のようです。

 

そのため、ムクドリを追い払うために爆竹やタカを使って追い払ったりしているようです。

 

農業を営まず、鳥との距離が離れている現代人にとっては、ムクドリが身近にいることは、デメリットの方が大きいのでしょうね。

 

環境変化により都市生活に適応した

ムクドリが害鳥になった理由は、ムクドリが大きく習性や生活を変えたからでしょうか?

 

いえ、むしろ大きく生活を変えたのは人間の方です

 

人間の生活スタイルの変化は、ムクドリに大きな影響を与えました

 

前述した通り、ムクドリはもともと農耕地の虫を主なえさにしていて、付近の林や森をねぐらにしていました。

 

しかし、以下のように環境は激変してしまいました。

  • 開発によってムクドリがねぐらにしていた森や林が減った
  • 畑や田んぼが減ってえさとなる虫も減少した

 

まず、ねぐらの林や森がなくなり、ムクドリはすみかを追われました。

 

もともと開けた場所を好むムクドリは、山や森の奥地などでは暮らしづらい。

 

そのため、より開けた場所=街中に出るしかありませんでした

 

街中で唯一ねぐらにできる場所、それが街路樹だったのです。

 

また、農耕地や雑木林が減ることでえさの虫も減りました

 

虫が減った分は、木の実を食べて補うしかありません。

 

そのため、人間が育てた果樹にも手をつけざるを得ませんでした

 

このように、ムクドリは過酷な環境で生き残るために街にある果樹を食べ、街路樹で寝るようになったのです。

 

もともと開けた場所が好きなので、都市生活には適応しやすかったのでしょうが、ムクドリは好んで今の生活をしているわけではないはずです。

 

変わったのはムクドリではなく、人間の方だったのです。

 

ムクドリは今でも町を豊かにしてくれている

今では、そんなムクドリに感謝している人はあまりいないのかもしれません。

 

でも、ムクドリは今でも気づかないところで人の生活に彩りを与えてくれています

 

道ばたから、小さな木が生えているのを見たことはありませんか?

 

きっと木の種類はケヤキムクノキエノキなど。

 

その木はたいてい、電線の下や街路樹の下から生えています。

 

この多くは実はムクドリをはじめとする、街中の野鳥のしわざです。

 

鳥が木の実を食べ、電線に止まって、植物の種の入ったフンをします。

 

フンに入った種がたまたま根を張れる場所に落ちるか、雨で流れて道路脇に辿り着きます。

 

そうした運の良い種から発芽したものなのです。

 

その木を人間が刈ったりしなければ、数十年後にはそこには立派な樹木があることでしょう。

 

このように、ムクドリは今でも都会に緑を増やし続けてくれているんですよ。

 

ムクドリに関連する鳥たち

同じ分類に属する鳥たち

スズメ

スズメ目 > ムクドリ科

※リンクから各分類の紹介を見ることができます。

 

おわりに:今も緑を増やしてくれているムクドリを観察しよう!

最近は、ムクドリは嫌われ者のレッテルを貼られてばかりですが、僕はとっても好きな野鳥です

 

確かに騒音やフン害は困りますが、それは人間が鳥たちのすみかを奪ってしまったことも影響しています。

 

人間の便利な生活になるのは素晴らしいことだと思います。

 

でも、その代わりに自然から得られる豊かさを代償にして後で後悔する、といったことのないようにしたいものです。

 

僕は日本に昔からある「里山」は、人と自然とが協力関係を結ぶ共生の1つの形であると思っています。

 

里山生活では、自然から恵みを受けて人間の生活を支えてくれる一方、人間が自然を利用・管理することで、逆に自然に豊かさを還元することにも繋がっているのです。

 

そんな里山での暮らしについて以下で紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

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