野鳥の写真をもっときれいに撮影する方法はないかな?
そんな疑問にお答えします。
野鳥を綺麗に撮影するのは、技術と経験が必要です。
なぜなら、鳥は遠い場所にいて、警戒されると簡単に飛んで行ってしまうからです。
比較的近付ける小鳥でも、忙しく動き回るので撮影は一苦労。
僕も野鳥撮影を始めた頃は野鳥の姿をフレームにおさめることに必死で、「野鳥が写真に収められただけで嬉しい!」という感じでした。
しかし、撮影に慣れてくるうちに「野鳥をもっと綺麗に撮りたい」と思いはじめました。
撮影の仕方も試行錯誤しながら工夫し、さらに経験も重ねて、少しずつ野鳥らしい魅力を表現できる写真も収められるようになりました。
モズがこちらを向いてくれた瞬間
段々と自分なりに満足のできる写真を撮れることが多くなると、野鳥撮影はさらに楽しいものになったのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥を撮影してきました。
というわけで今回は、色々と僕が試行錯誤して学んできた美しい野鳥写真を撮影するコツを紹介します。
美しい野鳥写真を撮影するコツ
今回紹介するコツは4つあります。
- 1. カメラを使いこなす
- 2. 野鳥に近付く
- 3. 目にピントを合わせる
- 4. 見映えのする背景にする
1. カメラを使いこなす
最低限のカメラ撮影技術は必要です。
- 手ブレを減らす、鳥の素早い動きにための「シャッタースピード調整」
- 写真の明るさをコントロールするための「露出補正」
この辺りの設定が自在に調整できるようになることで、かなり撮影の幅が大きく広がります。
特に野鳥の飛翔姿を撮影したい場合、シャッタースピードは必須項目になるでしょう。
これらはマニュアルや本に載っているので、ぜひ押さえておきましょう。
というものの、カメラのマニュアルは専門用語が多く、初心者にはすんなり理解しづらい部分もあります。
ちなみに僕もそうでした。
自分で本を読むよりも、「自分の理解度に合わせて分かりやすく教えてもらいたい」という方は写真講座を受けるという方法もあります。
写真講座について詳しくは、以下の記事をどうぞ。
2. 野鳥に近付く
鳥との距離が近いほど、美しい写真が撮影できます。
カワラヒワ
30〜40m程の距離で撮影
10〜20m程の距離で撮影
このように、うまく近付かせてもらえれば、毛並みがわかるほど鮮明に撮れます。
とはいえ、野鳥にはそう簡単には近づけません。
遠くにいる野鳥をきれいに写すには、カメラの「望遠機能」が超大事です。
野鳥撮影用のカメラ選びの際は、「望遠機能」を重視しましょう。
以下の記事でカメラの望遠機能の具体的とともに紹介しています。
3. 目にピントを合わせる
鳥だけでなく、生き物全般そうなのですが、「目」にピントを合わせることで写真に命を宿らせることができます。
モズ
ピントが目にあっていない状態
ピントが目にあっている状態
ピントが目にあっている方が、写真に表情がありますよね。
どこにピントを合わせるか迷った場合は、とりあえず目に合わせておくのはオススメです。
4. 見映えのする背景にする
野鳥写真は、「背景」によっても大きく印象が違います。
野鳥を撮影するときは、「花鳥風月」を意識すると良いでしょう。
野鳥撮影の楽しみ方の紹介で、「花鳥風月」を意識した撮影を紹介しています。
「花鳥風月」を意識するとは、できるだけ自然を感じる風景を背景に入れることです。
人工物よりも自然物、特に季節感を感じられる背景にすると野鳥らしさが演出できます。
ジョウビタキ
人工物の背景
自然物の背景
自然物の背景の方が、生き物感をより演出できています。
このように、生き物感を引き出すには、できるだけ単調でない、自然らしい背景を含めることが大事なのです。
また、1つテクニックをご紹介します。
それは、「カメラの高さ」を変えること。
特に海などは単調な背景になりがち。
立って鳥を中心に撮影すると、背景は砂浜しか映らないということもあります。
そこで例えばしゃがんで撮影すると、海の青さが入り、単調にならない写真を撮影することができることがあります。
「カメラの高さ」を変えることも意識してみましょう。
美しい野鳥写真を撮影するテクニックを使いこなすために必要なこと
上で挙げた撮影のコツは、いわば撮影テクニック的なお話でした。
しかし美しい野鳥写真を撮るには、テクニックや知識を持つだけではなく、使いこなすための力が必要です。
例えば、プロスポーツ選手の技術を頭では分かっていても、それを使う力がなければそれを実践できませんよね。
野鳥撮影も同様で、それをするために大事なことが以下の2つ。
2. 野鳥観察経験を積む
1. 野鳥のことをよく知る
野鳥撮影をするにあたって、野鳥自身のことを知ることは超重要です。
野鳥のことを知らないと、そもそも野鳥に近付くのは難しいでしょう。
- 野鳥がどんな場所にいるか分からない
- 野鳥がどんな行動を取るのか知らない
この状態だと、野鳥がいても見過ごしたり、野鳥のいる場所の当たりがつけられません。
偶然野鳥が近くに来ることもありますが、すぐに飛んで行ってしまうことが多いし、野鳥が緊張していて自然な表情が撮影できない可能性も高いです。
なので逆にそれらを押さえ、
- 野鳥の好む環境や場所を知る
- できるだけ警戒されないように振る舞う
ことで、知識がない状態と比べて近付けるチャンスは何倍にもなります。
例えば、人気の野鳥がいると、カメラマンがたくさん集まるものです。
(僕もご一緒させてもらうこともあるし、集まること自体は否定していません)
しかし周りにたくさんの人がいる状況では、野鳥は緊張して自然体になれない可能性が高いです。
そういう時こそ、野鳥を見る目を使って、
・一度出直し、撮影の機会を改める
・追いかけ回したりせず、根気よく待つ
のような柔軟な対応が必要です。
ちなみに野鳥撮影のプロの方は、「ブラインド」という隠れみのとなる道具を使って、何日もかけて少しずつ野鳥に近付くこともあるとのこと。
だからこそ、他の人には撮れない写真が撮影できるわけですね。
プロと同じレベルのことをするのは難しいかもしれませんが、できる限り野鳥のことを知り、野鳥に安心して自然体になってもらうことは、美しい写真を撮影する上で重要です。
2. 野鳥観察経験を積む
野鳥観察の知識と技術は一朝一夕で身に付くものではありません。
フィールドで聞こえる鳴き声の識別なんかは、まさしく経験値の差が大きくなります。
野鳥について勉強して、たくさんの野鳥に出会って観察する経験をすることが大事です。
勉強と言っても堅苦しいものではなく、「この前出会った野鳥はどんな習性をしているんだろう」なんて感じに調べていると自然と知識が積み上がっていくものです。
また、僕の短い野鳥観察の中でも、2年ほどで野鳥の声の聞き分けができるようになり、撮影実績が大きく変化した体験をして、経験の差の影響の大きさを実感しました。
それを実感した時の話は、以下で紹介しています↓
そんな経験を積み上げるには、何よりも「楽しく」野鳥観察をすること。
楽しく続けられさえすれば、自然に経験は蓄積されていきますよ。
以下で野鳥観察の始め方を観察に役立つ知識や道具とともに紹介していますので、ぜひご覧ください!
おわりに
今回紹介したコツを使いこなせるようになると、自分ならではの野鳥写真が増えていきます。
そうすると、もっと撮影が楽しくなるので、ぜひ試して見てくださいね!
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