ネイチャーエンジニア いきものブログ

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花に集まるかわいい昆虫「ハナアブ」の種類と魅力

オオハナアブ

ネイチャーエンジニアの亀田です。


あなたは「ハナアブ」という虫を知っていますか?


ハナアブは一般的にはあまり知られていないですが、ハエ目の昆虫の仲間です。


ハエというと不潔なイメージを持たれがちですが、ハエでも種類によって様々なエサを食べます。


ちなみに、このハナアブは主に花に集まります


ハナアブは実に多彩な仲間たちがいて、とっても面白い虫なんですよ!


ということで、今回は「ハナアブ(ハナアブ科)」の種類と魅力について紹介します。




 

ハナアブってどんな虫?

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ハナアブはハエの仲間

ハエ目には以下の2つの下目があります。

・ハエ下目
・アブ下目


ハナアブは、「ハエ目ハエ下目ハナアブ科」に属する虫たちです。


あれ?アブなのにハエ下目なの?


そう、ハナアブは「アブ下目」ではなく「ハエ下目」


つまり、「アブ」という名前がつくくせに、分類的には「ハエ」の仲間なんですね。


なんと紛らわしい…。


ちなみに、アブとハエは以下の点で区別されます。

・ハエ → さなぎが環状に開く(環縫短角群)
・アブ → さなぎが縦に開く(直縫短角群)


ハナアブはさなぎが環状に開くので、「ハエ」の仲間なのです。


目とか科とか、生き物の分類については、以下の記事で詳しく解説しています。


ハナアブは益虫

ハナアブは益虫とされます。


その理由は、以下のため。

・ヒラタアブ亜科の幼虫の多くは、害虫であるアブラムシを食べる
・花粉を媒介して農作物の受粉を助ける


農家の方にとってハナアブは、とってもありがたい存在なんですね。


ちなみに、ヒラタアブの幼虫は以下のような姿をしています。

ヒラタアブ 幼虫


また、ハナアブの仲間は、ハチの姿に似た姿をしているものが多いですが、これは擬態


実際に人を刺したりなどの害はありません


こういったことから、昔から「益虫」とされていた虫だったのです。


アブの仲間たちについては、以下の記事で紹介しています↓


ハナアブの種類

ハナアブ科には、以下の3つの下位グループ「亜科」があります。

・ハナアブ亜科
・ヒラタアブ亜科
・アリノスアブ亜科


グループごとに、ハナアブの仲間たちを紹介していきます。

ハナアブ亜科

ナミハナアブ

ナミハナアブ

ナミ」とは、よく昆虫につけられる枕詞のようなもので、「標準的」「よく見られる」みたいな意味。


他の虫で言うと、

・アゲハチョウの「ナミアゲハ
・テントウムシの「ナミテントウ

などがあります。


このナミハナアブは、もっとも標準的なハナアブということになります。


その姿も、ハナアブらしいずんぐりしたかわいい体型をしています。


オオハナアブ

オオハナアブ

名前の通り、少し大きめのハナアブ。


真っ黒の体に、オレンジの腹巻きのような模様が特徴的。


秋頃〜冬にかけて、よく観察できます。


キゴシハナアブ

キゴシハナアブ

名前を漢字で書くと、「黄腰花虻」。


しかし僕の印象では、黄色い腰よりも粉がついたような目の方が印象に残ってしまいます。


この複眼が不思議で興味深いし、なんだか可愛らしいんですよね。


クロベッコウハナアブ

クロベッコウハナアブ

ベッコウハナアブはまだらのはねが美しいんです。


また、体も実はオオハナアブよりも大きいので、印象に残るハナアブ。


数はあまり多くない印象です。


マツムラナガハナアブ

マツムラナガハナアブ

他のハナアブ類もハチに似せた姿をしていますが、この種は特にスズメバチに寄せた姿をしています。


これは、強者に似せて身を守る「ベイツ型擬態」という種類の擬態。


ベイツ型擬態をする生き物は、自身に毒や武器はありません


まさに「虎の威を借る狐」ですが、数は少なくてあまり見れない種です


ヒラタアブ亜科

ホソヒラタアブ

ホソヒラタアブ

街中の花壇にもよく集まっているハナアブです。


腹の黄・黒・銀の模様が特徴的。


小さくて、普段あまりじっくり見る機会はないかもしれませんが、よく見るととても繊細で美しい種ですよ。


ヘリヒラタアブ

ヘリヒラタアブ

青色の帯が美しい種です。


ホソヒラタアブなどは無音でホバリングするのですが、この種は普通に羽音を出します。


そしてなかなかじっとしないので、写真が撮りづらいです。


クロヒラタアブ

ヘリヒラタアブ

腹が黒っぽいヒラタアブ。


ヒラタアブの幼虫情報ってあまりないのですが、この種の幼虫は何故か情報があるので特定できます。


その幼虫の姿がこちら↓

クロヒラタアブ 幼虫


フタスジヒラタアブ

クロヒラタアブ 幼虫

ヒラタアブの仲間は黄色い模様の違いで見分けられるものが多いです。


この種は、波打つような模様が特徴的


僕は春頃に見ることが多いです。


アリノスアブ亜科

アリノスアブ

アリノスアブ

「アリノス」とは「蟻の巣」のこと。


そう、このハナアブは成虫になるまでの間、アリの巣で暮らす習性があるのです。


幼虫は、アリの巣でアリの幼虫を食べて育ちます。


巣の中でアリに攻撃されないのは、アリノスアブが何らかの「化学擬態」を使っていると思われます。


アリノスアブは成虫の生態も変わっていて、幼虫時代に蓄えた栄養を使って生きるため、何も食べません


花に集まらないハナアブなのです。


キンアリノスアブ

アリアリノスアブ

金色の姿を持つアリノスアブ


とても美しい光沢のボディを持ちます。


ちなみに、アリノスアブは種類によって、寄生するアリの種類が違います


アリノスアブの中でもうまく棲み分けをして共存しているんですね。

おわりに

色々なハナアブを紹介してきましたが、ハナアブの多彩な魅力、伝わったでしょうか?


1種ごとに、本当に様々な個性と魅力が隠れています。


ハナアブは種類によっては、12月頃の遅い時期まで見られ、逆に暖かくなると3月頃から見られる昆虫です。


長い期間楽しませてくれる存在であるのも魅力的。


あなたもぜひ、いろんなハナアブを見つけてみてくださいね。


合わせて以下の記事もどうぞ↓

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「かわいい・きれい・かっこいい」虫を知ろう!魅力的な昆虫まとめ

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見つけた虫を識別したい!虫の名前を調べる3つの方法


では、また。