季節ごとに旬の野鳥を観察したい!
どうしたら野鳥たちに出会える?
こんな疑問にお答えします。
日本には、季節に応じて様々な野鳥がやってきます。
でも、彼らを闇雲に探してもなかなか出会えません。
この公園で綺麗な夏鳥が見られるって聞いたけど、どこを探してもいないよ!
僕もこのような経験をたくさんしてきました。
季節ごとの野鳥に出会うには、
2. 野鳥が訪れる時期を知る
が重要です。
1. の鳥が好む環境については、以下の記事で紹介しました。
でも、1. だけを知っていても、2. の「野鳥が訪れる時期」を知らないと、お目当ての野鳥に出会うことはできないんですね。
野鳥が訪れる時期を知ることも、とっても大切なのです。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、野鳥と季節の関係を紹介します。
野鳥と季節の関係【「渡り」を知ることが大切】
なぜ夏や冬など、特定の季節にしか見られない鳥がいるか?
それは鳥が「渡り」という行動をするからです。
渡りとは、以下のような行動です。
渡り = 季節に応じて遠距離を移動する行動のこと
そして見られる季節ごとに、各野鳥たちは以下のような呼ばれ方をします↓
冬にやってくる = 冬鳥
日本を通過する = 旅鳥
渡りをしない = 留鳥
この野鳥の「渡り」を理解することが、季節ごとに旬な野鳥に出会うための第一歩です。
渡りについて詳しくは、以下の記事で紹介しています↓
野鳥の渡りの時期のずれ【野鳥の季節は四季よりも細かい】
「冬鳥」「夏鳥」など、春夏秋冬の四季に合わせた呼ばれ方になっています。
しかし、現実の渡りは綺麗に4等分されるわけではなく、もっと複雑です。
例えば、夏鳥は夏の時期になると一斉にやってくるのかというと、そういうわけではありません。
・4月後半:キビタキやオオルリが飛来
・5月以降:ホトトギス、格好などが飛来
と、同じ夏鳥でも微妙に飛来時期がずれているのです。
これは逆に夏鳥が、越冬地に帰る時も同様です。
四季というのは、人間が勝手に決めた枠組みであって、野生の生き物たちは、もっと細かく季節の移り変わりを感じ取っているのですね。
野鳥の渡りを野鳥観察に活かす方法
渡りのスケジュール感はかなり正確です。
僕は先日、以下のツイートのように、今年初のジョウビタキを観察しました。
冬鳥のジョビちゃん(ジョウビタキ)が到着していた!
— 亀田恭平@ネイチャーエンジニア (@kkamedev) 2018年10月21日
10月にジョウビタキを見つけたのは初めて。
来月あたりから冬鳥が続々とやって来るはず。
鳥たちで街がにぎわっていくのが楽しみですね♪#ジョウビタキ #野鳥 #冬鳥 pic.twitter.com/YpZup0Uew6
しかしその後、WebやTwitterを眺めていると、上記のあたりからほぼ同時にジョウビタキの観察報告がされるようになりました。
群れで渡る野鳥もいますが、個体で渡る野鳥もいるわけで、それなのに図ったようなタイミングで多くの個体が到着するのは本当に不思議かつすごいですよね。
夏鳥や冬鳥の過去の観察記録を見ると、毎年渡りのスケジュールはかなり正確で、「去年もほぼ同じ日に観察してた!」ということも多い。
ちなみに、上記ツイートで10月に観察したのは初めてという投稿でしたが、去年初めてジョウビタキを観察したのは11月1日と、やはり大きな時期のずれはありませんでした。
そのため、昨年などに観察された時期を狙って訪れると、その鳥と再会できる可能性が高まります。
野鳥観察経験が多いこと=野鳥に出会う情報をたくさん持っている、となるのです。
経験を積むほど強くなる、まるでロールプレイングゲームみたいですね。
このように、渡り鳥を観察する上で、「渡りのスケジュール」を押さえることは大変重要なのです。
ちなみに、野鳥の渡りは本能的な行動との考え方もありますが、ある場所に同じ個体が毎年単独で飛来するなど、学習的な行動とも見られることもあります。
野鳥の渡りは不思議でとても興味深い行動なのです。
おわりに
季節ごとに飛来する野鳥に出会うことで、「季節感」を味わうことができます。
彼らと出会って、日本の季節を一層楽しみましょう!
※ 野鳥を観察する時は、驚かしたり、追い回し過ぎてストレスをかけないよう、彼らに配慮して観察しましょう
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