虫好きの人は、何で虫がそんなに好きなの?
こんな疑問にお答えします。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
僕は虫の魅力を発信する活動をしているので、たまに「なぜそんなに虫が好きなのか?」といった質問を受けます。
僕が虫を好きな理由は、簡潔に言うと以下の2つ。
・奇抜な姿【人間とは違う仕組みの体】
というわけで、今回は虫の魅力について紹介します。
虫の魅力
冒頭で伝えた、以下の2つの魅力をもう少し詳しく解説します。
・奇抜な姿【人間とは違う仕組みの体】
多様性【虫は世界に100万種もいる!】
昆虫の種類数は世界で100万種と、他の動物たちと比べて圧倒的な種類数を誇ります。
昆虫の仲間は海を除く地球上のあらゆる場所に住みつき、わかっているだけでも世界から約100万種、日本から約3万種が記録されています。
(略)
未知の種を加えた実際の種類数は500万種とも1000万種とも考えられ、 少なくとも全動物種の8割は昆虫類で占められていると推定されています。
つまり、他の動物と比べてまさに桁違いの多様性を誇っているのです。
僕は年間100回以上虫探しをしているのですが、それでも今まで見つけた虫は2,000種弱。
まだ日本の10%にも満たない種類の虫しか見られていないのです。
しかし、逆に言えばそれは自分が見たこともない未知の虫が、今まで見た数の10倍以上もいるということ。
大変ロマンのある話です。
さらに面白いのは、昆虫の凄さは「変態」という能力を有していること。
成長に応じて、基本的には最低でも3段階以上に姿を変化させます。
ナミアゲハ (左:幼虫、右:成虫)
オスとメスで大きく姿が違うものもいますから、ただでさえ膨大な種数に掛け合わせて3倍以上の見た目のバリエーションがあるということ。
「一生のうちに1種類でも多くの虫を見てみたい」。
こんな気持ちを持たせてくれるのは、虫の大きな魅力の1つです。
奇抜な姿【人間とは違う仕組みの体】
虫は僕たちと体のつくりが違います。
・昆虫には骨がなく、外側を固い皮膚が覆う(外骨格)
このように人間と虫は、体の仕組みが全く異なるため、姿にも大きな差があります。
これは進化の過程が昆虫と人間で大きく異なるため。
昆虫たちは数億年も前から誕生している大先輩ですが、人間は違う道を選んできたのです。(ちなみに人間の起源は600万年程度)
そんな虫たちの斬新な姿は以下の通り。
ノコギリクワガタ
大きく湾曲したはさみがカッコいい昆虫。夏の人気者。
アミガサハゴロモ 幼虫
体に綿のようなものをつけていて、パラシュートのようにフワフワと舞います。
ウマノオバチ
体の数倍の長さの尾(産卵管)を持つハチ。
数は少ないですが、初夏に見られます。
アカボシゴマダラ 幼虫
まるでマスコットのような顔を持つ、チョウの幼虫。
なぜこんなにもかわらしい姿をしているのか、不思議です。
以上はほんの一例で、まるで空想上の生き物のような虫がたくさんいます。
こんな奇抜な姿を持つのも虫の大きな魅力です。
虫は大人の方がもっと楽しめる
虫と言えば、「子供が好きな生き物」というイメージですよね。
でも僕の考えでは、大人の方がもっと虫を楽しめます。
僕は小学校で生物観察クラブの講師をしていますので、子供の反応が良い虫が分かります。
子供のテンションが上がるのは、
・ダンゴムシ、バッタなど身近な虫
など。
僕の子供の頃もそうでしたが、「目立つ虫」「身近で触りやすい虫」が好きでした。
でも、僕が大人になってから虫たちの観察すると、子供の頃よりも興味の対象が広がりました。
それは経済力があるので、観察道具を揃えたり、遠出して観察したりできることが大きいと思います。
小さな虫の魅力に気付いた
例えば、1cmにも満たないような小さな虫。
虫眼鏡やマクロカメラでのぞいてみると、とっても美しくて不思議な姿をしているんです。
そんな世界を知ってしまったことで、花の上や葉の裏など、小さな自然がある場所はどこでも冒険の舞台に変わりました。
嫌われ者だった虫にも興味が出た
また、子供の頃は見向きもしなかったどころか、若干嫌われ者だったハエやアブ。
これらの虫がとても多様で魅力的な生き物だということに気付いたのも、大人になってからです。
大人になると虫と疎遠になりがち
大人になったら虫と疎遠になり、興味を持つ人が減ってしまいます。
今では考えられませんが、実は僕もかつて虫が苦手になりかけた時期もありました。
しかしそこで一歩踏み出し、大人の視点で虫の世界に目を向けてみると、子供の頃に見られなかった景色が見えます。
すると、子供時代以上に虫にハマってしまうことがあるのです。
おわりに
虫は世界中に生息していて、しかもそれぞれの土地ならではの虫がいます。
僕は年間100回以上様々な場所に生き物観察に行きますが、今でも出かけるたびに新たな虫に出会います。
海外など特別な場所に行かなくてもです。
例えば以下のような面白い姿の虫も、身近な場所で見つかります。
コウチュウの仲間のイチモンジカメノコハムシ
このように、身近な場所でたくさんの魅力的な虫たちが暮らしているのです。
あなたも身近な場所で、魅力的な虫たちの観察をしてみませんか?
以下の記事では昆虫観察の始め方や、観察に役立つ道具を紹介していますので、ぜひご覧ください!
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