この間見つけたチョウ、春に見たチョウと姿が違うような…?
こんな疑問にお答えします。
同じチョウでも、季節によって雰囲気が変わるチョウを見たことはありませんか?
夏は地味な感じだったのに、秋は目立って印象に残る姿だった、など。
そう、実は季節によって姿が変わるチョウがいるのです。
これは、チョウの「季節型」と言います。
意外と身近なチョウでも、この季節型を持つものがたくさんいるんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、チョウの季節型を紹介します。
チョウの季節型の種類。春型・夏型・秋型
チョウは、1年の中で何回か発生するものがいます。
つまり、同じ年の中で何度も世代交代をするのです。
例えばアゲハチョウの代表種、ナミアゲハは年に2〜5回発生します。
チョウが成虫になる季節に応じて、「春型」「夏型」「秋型」などと呼ばれます。
・夏型 = 夏に見られる姿
・秋型 = 秋に見られる姿
そして面白いことに、見られる時期によって、大きく姿が変わるものがいるんですね。
ちなみに、基本的に「冬型」はいません。
冬に羽化するチョウはいないからです。
ちなみに、冬に成虫の姿のチョウが見られるものがいますが、それらは前シーズンに羽化したもの。
その多くは秋に羽化します。
秋に羽化したチョウは、寒さを防げる場所で身を守りながら越冬し、春になると外に出てきます。
ですが真冬でも暖かい日にはたまに外に出てくるので、その時に姿を見ることがあります。
チョウの季節型の例
チョウたちの実際の季節型を紹介します。
ナミアゲハ(春型・夏型・秋型)
春型
夏型
秋型
春型よりも夏型の方が大きく、はねの色が黒くなります。
上の写真でも、夏型は黒い模様の面積が大きくなっていますね。
秋型はちょうど中間くらいの色味です。
ナミアゲハについては、以下の記事でも紹介しています↓
スジグロシロチョウ(春型・夏型)
春型
夏型
スジグロシロチョウの名前の通り、はねの「黒い筋」が目立つシロチョウです。
春型はこの黒い筋が目立ちますが、夏型ではあまり目立たなくなります。
スジグロシロチョウについては、以下の記事でも紹介しています↓
キタテハ(夏型・秋型)
夏型
秋型
キタテハは、夏型では薄めのオレンジ色のはねを持ちます。
秋型になると、はねの色は赤みを増し、はねもとがった形になります。
キタテハについては、以下の記事でも紹介しています↓
なぜ季節によって姿が変わるのか
季節によって大きさが変わるのは、幼虫時代に食べる餌の量によると言われています。
例えば、夏型のチョウは葉の多い初夏の頃に育つため、餌が豊富にあり大きくなるという理由。
しかし、個人的には以下の点で謎が残ります。
・大きさだけでなく、姿まで変わる(しかも同世代は同じように変化)
いずれにしても、季節によって様々な姿を見せてくれる彼らは、より不思議で魅力的な存在であることは事実。
科学が進歩してもまだまだ面白い多くの謎があるのも、また生き物の面白いところですね!
おわりに:チョウ(蝶)の様々な姿を観察しよう!
本記事で紹介した以外にも、姿が変わるチョウはたくさんいます。
ただでさえたくさん種類がいるのに、季節によってさらに別の姿を見せてくれる虫たち、ぜひじっくりと観察してみてください!
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