ヨコバイってどんな虫?
こんな疑問にお答えします。
「ヨコバイ」という虫、聞いたことはありますか?
僕の印象では、あまりメジャーでない昆虫です。(僕が子供の頃は知らなかった)
冒頭の写真もクロスジホソサジヨコバイという種で、随分ユニークな姿をしていますが、知っている人はほとんどいないでしょう。
ヨコバイには体の小さな虫たちが多いですが、姿も行動もひょうきんなものが多く、なんだか無性に気になる虫なのです。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ヨコバイ科の昆虫の種類と魅力を紹介します。
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ヨコバイ科の昆虫の特徴と魅力
ヨコバイ科は、カメムシ目ヨコバイ亜目というグループに含まれる科。
僕が思う、ヨコバイ科の昆虫の魅力は大きく2つ。
2. 名前の由来にもなった「横這い行動」
1. アニメキャラクターのような不思議な姿
ヨコバイの仲間たちは、目が大きくて、不恰好で、アニメキャラクターのような不思議な姿をしています。
バナナムシという別名もある変な姿のツマグロオオヨコバイ
彼らはみんなこのような不思議な姿のものばかり。
しかもカラフルで派手な柄の模様を持つものも多く、なんだか非常にテンションの高い姿なのです。
しかし彼らは研究があまり進んでいないのか、図鑑などにはあまり情報がない。
だからこそ、未知の面白い姿のものを見つけることも多く、そんな宝探し的な楽しみ方のできる虫たちなのです。
2. 名前の由来にもなった「横這い行動」
「ヨコバイ」という名前は、漢字で書くと「横這い」。
ヨコバイの仲間は、危険を感じると横移動して葉の裏などにササッと隠れます。
横移動(横這い)する面白いヨコバイたち
この行動こそがヨコバイの名前の由来。
こんなひょうきんな行動を見ると思わずクスッとなってしまう、愉快な虫たちなのです。
ヨコバイ科の昆虫の種類
ツマグロオオヨコバイ
長い名前ですが、分解すると「ツマグロ」「オオ」「ヨコバイ」。
「つま(はねの先っぽ)が黒い、大きなヨコバイ」という意味です。
ヨコバイの仲間の中でも大きな姿を持ち、目立つ存在の身近な虫です。
クロスジホソサジヨコバイ
体長5mm程度と、とても小さい虫。
ですが、その体には太い黒いライン。その周りに鮮やかな赤いラインが描かれており、よく見ると非常に美しいヨコバイです。
そして嬉しいのが、虫の少なくなる晩秋に見られること。
12月にも観察できる、貴重な虫なのです。
オオヨコバイ
名前に「大」がつきますが、それでも体長は10mm程度。
この種は鮮やかな緑色のボディを持っているのが美しいんです!
体の色味はかなり個体差があり、写真よりも鮮やかな緑や黄色を持つ個体もいます。
クロヒラタヨコバイ
ツノゼミのような、アワフキムシのような、ヨコバイとしては変わり種の姿を持つ種です。
漆黒のボディとマスコットのような大きな目が特徴的です。
ブチミャクヨコバイの一種(幼虫)
なんともヘンテコな姿のヨコバイ。
たまに幼虫の姿は見られるのですが、なぜか僕は成虫の姿を見たことがないです。
成虫になると、途切れた脈条の線があるのが特徴の、不思議なヨコバイです。
害虫としてのヨコバイ
こんな個性的で面白いヨコバイですが、実は彼らは害虫扱いされる虫です。
なぜなら、彼らの好物は植物の汁だから。
汁を吸って、植物を弱らせてしまうんですね。
そういうわけで、草食性の虫は基本的に害虫にされてしまうのです。
また、彼らは人を刺すこともある「らしい」です。
というのも、僕はこれだけ探索していて一度も刺されたことはありません。
ヨコバイは植物食なので、パニックになって防衛的に刺したり、間違えて刺すことはあり得ます。
いずれにしても積極的に指す虫ではないので、無闇に怖がる必要はないかと思います。
ヨコバイ科の昆虫と同じ分類に属する虫たち
ヨコバイ科の昆虫はカメムシ目に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[カメムシ目]
半翅目(カメムシ目)の昆虫まとめ|ストローのような口吻を持つ虫たち
おわりに:ヨコバイのひょうきんな「横這い」行動を観察してみよう!
ヨコバイの仲間は、識別が難しいのか研究が進んでいないのか、身近な種でもあまり図鑑への掲載がなかったりします。
彼らは山などに行くと普段平地で見ないヨコバイが見つかったりしますが、図鑑に載っていない種も多い。
不思議なヨコバイたちの探索は、ちょっとした宝探し気分になりますよ!
彼らのおもしろおかしな「横這い行動」もぜひ観察してみてくださいね!
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