ネイチャーエンジニア いきものブログ

虫・鳥などの動植物の魅力や知識など、自然観察をもっと楽しむための情報を発信します。

キジバトとドバト(カワラバト)は身近だけどすごい鳩(ハト)【公園や神社にたくさんいる理由とは】

キジバト

ハトって身近にいるけど、なんであんなにたくさんいるの?

こんな疑問にお答えします。


ハトは、人にとって身近な鳥です。


僕たちが身近に見られるハトには、「ドバト(カワラバト)」「キジバト」の2種類がいます。


ハトは1年中見られるし、街中でも自由に生活しているし、何でだろうって思いませんか?


それには、ちゃんと理由があります。


それは、ハトたちが「繁栄に有利なすごい能力」を持っているからなのです。


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。


そんな鳥好きの僕が、身近な2種類のハトの特徴と魅力を紹介します。




 

キジバトとドバト(カワラバト)の特徴

キジバトとドバトは、ハト目ハト科というグループに属する鳥。


街中で見られるハトというと、ほとんどがこの2種です。


ちなみに彼らがこれだけたくさんいるのは、それだけの繁殖能力を持っているということなのです。(後述します)

ドバト(カワラバト)の特徴【伝書鳩として活躍したハト】

ドバト カワラバト

ドバトは、もともと北アフリカや中央アジアに生息するカワラバトを家禽化したもの。


家禽だったこれらが野生化したものが、今街中でも見られるドバトです。


つまり、ドバトは外来種のハトなのです。


外来種については、以下で詳しく解説しています↓


伝令用に使われる程優秀な帰巣能力【伝書鳩としての歴史】

ドバトはずんぐりむっくりした体で、「クルック」「ドゥドゥッ」などと鳴きながら歩きます。


何だか体は重そうだし、見た目上は飛ぶのは得意でなさそうです。


しかし、彼らには優秀な「帰巣能力」があります。


そのため、昔から「伝令用=伝書鳩」として人々に利用されてきました。


その帰巣能力を支えるのは、以下の能力。

・優秀な方向判定能力
・優秀な位置測定能力


なんと彼らはその能力で、1000kmも離れた場所からでも、もとの場所に帰ってくることができるようです。


ちなみに、鳩が自分の元に帰ってくる時間を競う「鳩レース」というものがあります。


これはまさしく、この能力を競うものですが、この競技で使われている鳩も元々はカワラバトです。


八幡神の使い【鳩サブレーの由来】

日本には八幡神社が2万箇所以上ありますが、ドバトはこの「八幡神」とも関係が深い鳥です


ドバトは八幡神を道案内したという逸話から、八幡神の使いとされてきました。


その証拠に、八幡神社の「八」の字はハトの姿に模されています


また、鶴岡八幡宮の代表的なお土産である「鳩サブレー」は、神奈川県鎌倉市の豊島屋が販売するお菓子。


この鳩サブレーは、鶴岡八幡宮を崇敬していたことが由来です。


このように、ドバトが僕らの身近な鳥なのは、以下のような理由があったのです。

・伝書鳩として人々のパートナーだった
・神社が手厚く守ってきた




キジバトの特徴【優れた飛翔能力を持つワイルドなハト】

キジバト

ドバトとは違い、キジバトは在来種のハトで、野性味も強いです。


羽のキジのような斑紋が名前の由来です。


身近でも見られるハトですが、森や山など、自然度の高いところでも見られます。


そのため、ヤマバトとも呼ばれます。

優れた飛翔能力を持つワイルドなハト

キジバトは街中でも見られ、公園などで見られるものはのんびりしたイメージ


しかし、山や人気のない森の中で見る彼らはイメージが変わります。


上記のような場所では、非常に警戒心が強く、人間が近付く前に素早く飛び立ちます。


よく公園で見せる、目の前でのんびりとえさをついばむような仕草は、森の中では全く見せてもらえません。


ちなみに、森の中で一気に力強く飛び立つ姿は、一瞬猛禽類かと思うほどのスピードと迫力が。


実際に観察していてもこのハトは飛翔能力が高く、野生の鳥の中でも飛翔速度は相当速いと思います。

特徴的な鳴き声の正体

キジバトは、「ゴー、ゴー」「プー」などという声で鳴きます。


しかし、上記の声よりも聞き慣れた鳴き声があるはず。


夏頃、街中でこんな鳴き声を聞いたことはありませんか?


ドゥドゥットゥドゥードゥー、ドゥドゥットゥドゥードゥー…


この鳴き方を何度も繰り返す…。


そう、この声の正体はキジバト。


このような鳴き声で、求愛行動や縄張りの主張をしているのです。

ドバトとキジバトが繁栄する理由【ピジョンミルク】

ハトは街中でもたくさん見られるほど繁栄していますが、実はこれにはハトのすごい能力が関係しています。


その能力とは、「ピジョンミルク」!


基本的に多くの野鳥が子育てする時は、親が虫や小動物などのえさを調達してきて、雛(ひな)に与えます。


しかしえさは一年中あるわけではないので、えさが多い夏頃が繁殖期となります。


なので、多くの野生動物が子供を産むことができる期間は、1年のうちのほんの一時期だけなんですね。


しかし、ハトはその制限を取っ払うことができます。


ハトは、ピジョンミルクという、たんぱく質や脂肪が多く含まれた、えさを作り出すことができます


ハトの素嚢(そのう)という場所で作られるので、日本語では素嚢乳(そのうにゅう)と言います。


つまりこれは、一年中繁殖が可能であることを意味します。


しかも驚くべきことに、人などとは違い、オス・メス両方が作り出すことができます


人間も農業などでえさを生産・貯蔵することができるようになって、今のように繁栄してきました。


自らがえさを作り出せるピジョンミルクは、繁殖活動において大変有利になる、すごい能力なのです!

キジバトとドバトに近い種類の鳥たち

アオバト

アオバト

日本には、キジバトとドバト以外にも、実はハトが生息しています。


そのうちの一種がこの緑色のアオバト


アオバトは美しく、不思議な習性を持つ面白いハトなのです。


アオバトについては、以下で詳しく紹介しています↓


おわりに:身近な鳩「キジバト」「ドバト」の面白い能力を観察しよう!

身近なハトには、こんなに不思議で面白い能力が備わっているんですね。

・かつてから人と深い関わりのある「ドバト」
・ワイルドで優秀な飛行能力を持つ「キジバト」


とっても面白い彼らは身近な公園で見られます。


このような身近な野鳥たちの魅力を再発見できるのが、野鳥観察の楽しさの1つです。


あなたも身近な場所で、彼らの観察をしてみませんか?


以下では、野鳥観察の始め方観察に役立つ知識や道具とともに紹介していますので、ぜひご覧ください!


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