ネイチャーエンジニア いきものブログ

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テントウムシ(天道虫)は幸運を呼ぶラッキーな虫?それとも怖い虫?

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> コウチュウ目 > テントウムシ科

ナナホシテントウ

テントウムシだ!

テントウムシって幸運を呼ぶ虫なんだよね?

こんな疑問に答えます。


テントウムシは、みんなに人気の虫。


日本だけでなく、海外でも幸運を運んで来る虫とされています。


このブログのイメージキャラクターとして、アイコンにも使っている虫です。


しかしテントウムシは、実はかわいいだけでなく「恐れられる存在」でもあるのです。


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。


そんな虫好きの僕が、テントウムシの種類と魅力を紹介します。




 

テントウムシ(天道虫)の特徴と魅力

テントウムシは、コウチュウ目テントウムシ科というグループに属する虫。


僕が思う、テントウムシの魅力は大きく2つ。

1. 幸運のシンボルにされる虫
2. 海外でも神聖視される虫【Lady bird】


1. 幸運のシンボルにされる虫【アブラムシを食べる益虫】

テントウムシは小さくて丸い、かわいらしい虫です。


彼らは幸運を呼ぶ虫とも呼ばれ、縁起の良い虫とされています。


一般的に特にメジャーなテントウムシは、ナナホシテントウですね。


最もメジャーなナナホシテントウ

ナナホシテントウ


テントウムシを手に乗せたことはありますか?


彼らを手に乗せると、忙しく手の上の方に登って行き、指先まで登り切るとはねを開いて太陽に向かって飛んでいきます


太陽のことを「お天道様」とも言いますが、この太陽に向かっていく習性から「テントウムシ(天道虫)」と名付けられたとのことです。


ちなみに太陽には「太陽神(天照大神)」がいると考えられていて、その神様のもとに行く天の道を教えてくれる虫ということで神聖な虫とされているんですね。


ただテントウムシはスピリチュアル面でのありがたさだけでなく、実益もある虫です


かわいい姿をしたテントウムシですが、彼らは肉食のものも多い


肉食のテントウムシはアブラムシを食べます。


なんと中には1日あたり100匹以上のアブラムシを食べるものもいるとか。


そんな彼らは農家にとっては大変ありがたい存在なのです。


こういった人間に実益があることが、縁起の良い虫とされている理由の1つにもなっていると思われます。

2. 海外でも神聖視される虫【Lady bird】

テントウムシは日本だけでなく、海外(欧米)でも神聖視されています。


テントウムシの英名は「Lady bird」。


Ladyとは聖母マリアのことで、テントウムシは「聖母マリアの化身」と言われ、丁重に扱われています。


このように、テントウムシは海外でもありがたがられる存在なのです。




テントウムシは怖い虫?

ナミテントウ

テントウムシは肉食な上に毒を持つ

冒頭でお話ししたテントウムシの意外な一面を紹介します。


テントウムシはかわいい神聖な虫として紹介してきましたが、虫界ではきっと怖い存在です。


そう思う理由は3つ。

・肉食性
・アルカノイドという毒を持つ
・テントウムシの姿を真似する虫がいる


肉食性

先述したようにテントウムシは肉食。(草食のテントウムシもいます)


そしてテントウムシの成虫はかわいい姿ですが、幼虫は結構いかつい姿


以下はナナホシテントウの幼虫。

ナナホシテントウ 幼虫


かわいらしい成虫のイメージとはかなり違うのではないでしょうか。


彼らを観察していると、かなり積極的に動いてアブラムシをバリバリ食べる様子が見られます


それは幼虫だけではなく、成虫でも。


アブラムシにとっては、テントウムシのかわいい星マークは、死神のドクロマークのように見えているかもしれませんね。

アルカノイドという毒を持つ

テントウムシは、アルカノイドという毒を持ちます。


これは、黄色くて苦い味のする液体です。


テントウムシはこの毒を持つことで身を守ります。


そのおかげで多くの虫の天敵である鳥からも狙われません


そう、テントウムシは攻撃だけでなく防御も兼ね備えているのです。


このテントウムシの強さを象徴するように、テントウムシに擬態する虫は、かなり多い


以下の記事で詳しく紹介していますが、強者の真似をする「ミュラー型擬態」だと思われます↓


このように、かわいいテントウムシは意外にも虫界では強者の存在なのです。

テントウムシの姿を真似する虫がいる

虫界には、テントウムシに姿を似せているものがたくさんいます。


この姿を真似するというのは、実は強者である証


これは強者に姿を似せて自分の身を守るためで、スズメバチなども姿を真似されることの多い虫なのです。


そのテントウムシに似た虫たちが、以下。


ヘリグロテントウノミハムシ

ヘリグロテントウノミハムシ

一見完全にテントウムシですが、よく見ると触角が違います。


ヨツボシテントウムシダマシ

ヨツボシテントウムシダマシ

カラーリングがテントウムシな、テントウムシダマシ科の虫です。


ニジゴミムシダマシ

ニジゴミムシダマシ

「ゴミムシダマシ科」というグループに属する虫ですが、姿は他のゴミムシダマシの仲間よりテントウムシに似ています。


キボシマルウンカ

キボシマルウンカ

こちらはもはや甲虫ではなく、「カメムシ目」というグループに含まれる虫です。



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テントウムシの種類

ナナホシテントウ

ナナホシテントウ

最もポピュラーなテントウムシ。


名前の通り、7つの黒い星(紋)が特徴です。



ナミテントウ

ナミテントウ

「ナミ」とは、「普通の」とか「一般的な」という意味。


ナナホシテントウがメジャーですが、分類的にはこちらのテントウムシが一般的な種。


以下のように斑紋のバリエーションが様々で、まるで別種のようですが、これらは種としてはナミテントウ1種です。

ナミテントウ

ナミテントウ


トホシテントウ

トホシテントウ

10の黒い星があるテントウムシです。


トホシテントウは草食性


草食性の虫といえば害虫扱いされがちですが、トホシテントウは農作物は食べないので害虫扱いはされません。



キイロテントウ

キイロテントウ

"黄色いはね"が特徴的なかわいらしいテントウムシ。


サイズも上で紹介したものより小さめです。


テントウムシには肉食性のもの・草食性のものがいますが、キイロテントウはまた別で「菌類」を食べます。



ダンダラテントウ

ダンダラテントウ

まるでハロウィンのかぼちゃような斑紋を持つテントウムシ。


先述したナミテントウと同じくダンダラテントウの斑紋にも様々なバリエーションがあり、ハロウィンマークはその一種です。


ダンダラテントウは関東にもいますが斑紋が違います。



カメノコテントウ

カメノコテントウ

日本最大級のサイズ」を持つテントウムシ。


その大きな姿は、やはり存在感があります。


カメノコテントウは肉食性ですが、大きな姿なだけあって、その獲物も大物なのです。



テントウムシ(天道虫)と同じ分類に属する虫たち

カブトムシ

テントウムシ(天道虫)はコウチュウ目に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。


[コウチュウ目]
甲虫目(コウチュウ目)の昆虫まとめ|頑丈なはねを持つ昆虫最大のグループ


おわりに:テントウムシの意外な姿を観察しよう!

とってもかわいらしい姿のテントウムシですが、その姿からは想像できない能力をたくさん備えています


このように、身近な虫たちの面白い能力を見たり確認するのも昆虫観察の魅力です。


あなたも身近な場所で、魅力的な虫たちの観察をしてみませんか?


以下の記事では昆虫観察の始め方や、観察に役立つ道具を紹介していますので、ぜひご覧ください!


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