ハエトリグモって、名前は聞いたことがあるけど、どんなクモ?
こんな疑問にお答えします。
ハエトリグモという名前、聞いたことのある方は多いと思います。
このクモは、森にも草地にも、家の中、色んな場所に様々な種類が生息。
小さな姿なので、その種類や生態を意識することは少ないと思います。
でも、このクモ、よく見ると冒頭の写真のように大きな瞳を持っていてかわいいです。
さらに、かわいいだけでなくとっても多彩な個性を持っていて面白い虫なんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ハエトリグモの特徴と魅力を紹介します。
ハエトリグモ(蠅捕蜘蛛)の特徴と魅力
小さな体に大きな瞳を持つ【日本にも100種類以上】
ハエトリグモは、大きさは1cmにも満たないものがほとんど。
写真の通り、クリクリと大きな瞳を持ちます。
ハエトリグモは日本だけでも100種類以上いて、鮮やかで美しい姿のものも多いです。
瞳の大きなかわいい姿と、美しく多彩な姿を持つことから、一部にはかなり人気の虫。
多彩な姿を持つハエトリグモたちの仲間については、後述します。
ちなみに、クモは脚が8本あり、昆虫ではないです。
昆虫との違いは以下の記事で詳しく書いています↓
ハエトリグモ(蠅捕蜘蛛)の名前の由来
ハエトリグモ(蠅捕蜘蛛)とは、名前の通り「ハエ」を捕るクモ。
クモといえば「クモの巣」のイメージがありますが、ハエトリグモはクモの巣を張る「待ち伏せ作戦」ではなく、自ら積極的に獲物を狩ります。
ハエ以外にも、カやダニ、小型のガなども食べます。
そう、ハエトリグモは生粋のハンター。
人に害のある虫を食べる肉食の動物は大事にされますが、ハエトリグモも例にならって益虫とされます。
この記事で後ほどもう一度登場しますが、アダンソンハエトリは、家の中にも出没するハエトリグモ。
アダンソンハエトリ
この種は家の中に出るゴキブリの幼虫を食べるので、家の中に現れる虫だけどありがたがられることもあります。(自分よりもはるかに大きいゴキブリの成虫は食べられません)
英明はジャンピングスパイダー
先述した通り、ハエトリグモは肉食でハンター。
小さな姿なのに、とっても気が強い。
ハエトリグモは体が小さいので、かなり近づかないとうまく撮影できないのですが、他の虫と比べて逃げずにいるものが多いです。
僕にとっては、撮影しやすくて助かります笑
さらに、時にはこちらにジャンプして飛びかかってくるものも。
ハエトリグモの英名は「ジャンピングスパイダー」。
名前に違わない性格を持ったクモです。
ちなみに、日本のハエトリグモは人間を咬んだり、毒を持っていたりはしないのでご安心を。
ハエトリグモの種類
では、多彩なハエトリグモの仲間たちを紹介します。
アダンソンハエトリ
先述した、家の中で生活するハエトリグモで、ダニやゴキブリの幼虫を食べるので、人間にとって有益な虫。
最も身近に見られるハエトリグモです。
マミジロハエトリ
マミジロとは漢字で「眉白」。
オスの額部分に白い線があるのが特徴です。
冒頭の写真はマミジロハエトリのメスの写真でした。
ハエトリグモはこのように、オス・メスで姿が大きく異なるものも多いんです。
アオオビハエトリ
紫のボディに水色のラインが美しいハエトリグモ。
体型も他のハエトリグモと比べてスラッとシャープな感じです。
ヨダンハエトリ
腹部分にオレンジ色の帯が4本入る、ちょっと派手なハエトリグモ。
他の種と間違えにくいハエトリグモです。
マスラオハエトリ
こちらも鮮やかで美しい南国のハエトリグモ。
この写真は台湾で撮影しましたが、日本でも沖縄の南西諸島に生息しています。
アリグモ
アリに擬態したクモ。
上の写真はオスのもので、アゴが長くて見分けやすいですが、メスはアゴが短いため、よりアリにそっくりです。
明確な見分けは、脚の本数です。アリグモは8本あります。
擬態について、詳しくは以下の記事をどうぞ↓
ハエトリグモをもっと知る【ハエトリグモの図鑑】
思いのほかハエトリグモが多彩な姿を持っていて、驚いたのではないでしょうか?
でも、この記事で紹介できていないクモたちがたくさんいます。
もっとハエトリグモのことを知りたいなら、「ハエトリグモ ハンドブック」をどうぞ。
僕はもともと昆虫をメインに観察していて、クモはついでに見る程度でした。
なぜなら、ハエトリグモの見分けができなくて、特徴の違いをあまり感じられなかったから。
しかし、この本を入手して見分けられるようになったらハエトリグモへの興味が高まり、より観察が楽しくなりました。
ハエトリグモをここまでまとめてくれている一般向けの図鑑はほとんどないと思うので、ぜひご覧になってみてください。
おわりに:ハエトリグモは実は多彩で面白い虫!
ハエトリグモって、一般的には地味なイメージだったり、キワモノ扱いされていると思うのですが、実はとっても面白い虫です!
姿も多彩ですが、よく動くので行動を観察するのも楽しいです。
昆虫よりも少し遅い時期(12月くらい)まで活動しているものも多いので、ぜひ観察してみてくださいね!
以下の記事では昆虫観察の始め方や、観察に役立つ道具を紹介していますので、ぜひご覧ください!
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