海に行ったらトンビがたくさんいた!
トンビってお弁当とか盗むっていうけど、悪い鳥なの?
こんな疑問にお答えします。
通称トンビは、標準和名(動物の正式な名称)では、「トビ」と言います。
トビと言えば「トビに油揚げをさらわれる」という言葉があり、人の食べ物を盗んでいく、迷惑な鳥のイメージもありますよね。
そんなトビは、最も身近に見られる大型の猛禽類でもあり、よく見るととってもカッコいいタカなのです。
さらに、トビはもとから迷惑な鳥だったわけではありません。
そんな彼らの魅力を知らないのは、とっても勿体無いですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、トビの特徴と魅力を紹介します。
トビ(トンビ)は大型でかっこいい最も身近な猛禽類
大型でかっこいい最も身近な猛禽類
トビは最も身近に見られる大型の猛禽類です。
身近過ぎてあまり注目されませんが、よく見ると彼らは迫力があってとてもカッコいい鳥なんです。
実にカッコいい姿をしているトビ
また、翼を広げると160cmもの大きさになります。
飛翔中のトビ
トビの鳴き声は印象的で、「ピーヒョロヒョロ」という夜店のおもちゃの笛のようなかわいらしい鳴き声です。
この声は実に特徴的なので、この声ですぐにトビがいることが分かります。
多くの猛禽類は警戒心が強く、なかなか近付かせてもらえません。
トビのようなカッコいい大型猛禽類が、比較的近い距離で観察できるなんて、実はとっても珍しいことなんです。
トビは東京では絶滅危惧種
トビは特に、海岸や郊外の田んぼなどでよく見られます。
僕は神奈川の海沿いの生まれなので、トビは毎日のように見ていました。(上空からフンの爆撃が落ちてくることもよくあります笑)
このように、トビはありふれた野鳥に思えます。
しかし実は、トビは東京では絶滅危惧種。
ビルの立ち並ぶような都市環境には適応できていないようです。
もともと海や郊外のひらけた場所で獲物を探す鳥なので、ビルなどの建物が立ち並ぶような視界が遮られる環境では生息しづらいのかもしれません。
身近な生き物も、環境の変化によって減少したり、見られなくなってしまうものなのですね。
トビ(トンビ)は迷惑な鳥なのか?
ゴミや動物の死骸を漁るスカベンジャー
トビの特徴として、スカベンジャーという習性があります。
猛禽類の多くは、主には生きた獲物を捉えて食べるものが多い。
それに対してトビは、積極的に獲物を追うよりも、動物の死骸を食べることが多いのです。
なので、他の猛禽よりもカラスに近い食性を持っているのです。
カラスは猛禽を警戒して、集団で追い払うのですが、このトビもよくカラスに追い回されています。
トビが直接カラスを狙うことはほぼないはずですが、自分たちのえさの確保という面ではライバルなのでしょう。
迷惑な鳥と思われる理由
トビは迷惑な鳥という印象もあります。
なぜなら、人間の食べ物を持ち去ることがあるからです。
「トビに油揚げをさらわれる」なんて言葉もありますよね。
神奈川の江ノ島に行くと、比較的低空を飛んでいるトビが多いことに気づきます。
彼らは観光客の持つ弁当や軽食を狙っているのですね。
油断すると、サッと食べ物を奪い去っていきます。
トビがこういう行動を取る理由は、先ほど紹介した「スカベンジャー」の習性との関連はあるのだとは思いますが、トビたちはもともとそういう行動をしていたわけではありません。
もともとは人間の餌付けによって始めた行動のようです。(食べ物をサッと盗む器用さは、もともとのトビの能力としてあった)
こういう歴史を知ると、今の問題にはちゃんと背景があり、トビが一方的に悪さを始めたわけではないことが分かります。
クマが人を襲う事件も、人間が出したゴミや餌付けが起因するものも多い。
問題の背景をきちんと知ることは大切ですね。
トビの餌付けの話については、以下の本で紹介されています↓
トビだけでなく、身近な野鳥たちの特徴について、学者視点で解説してくれていて面白い本です。
カラスの学者の方が書いているので、特にカラスの話が深掘りされています。
トビ(トンビ)と同じ分類に属する鳥たち
トビ(トンビ)はタカ目タカ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[タカ目]
タカ目の野鳥まとめ|代表的な猛禽類たち
▼
[タカ科]
タカ科の野鳥の種類と魅力|かっこいい猛禽類!タカとワシの違いは?
おわりに:トビのかっこいい姿を観察しよう!
トビほど近い距離で、じっくりと観察できる大型の猛禽はあまりいません。
特に猛禽類で、飛翔姿を最も至近距離でゆっくり観察できるのはトビでしょう。
空を舞うことができるのは鳥の最大の特徴なので、飛翔姿を観察することは野鳥ならではの楽しみ方の1つです。
以下では、野鳥観察の始め方を観察に役立つ知識や道具とともに紹介していますので、ぜひご覧ください!
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