カラスって真っ黒いものだけじゃないの?
他にどんなカラスがいるの?
こんな疑問にお答えします。
カラスと言えば、真っ黒な姿の鳥をイメージする方が多いのではないでしょうか。
しかし実は、カラス科の鳥は結構"多様な姿"を持つ鳥たちです。
例えば、冒頭の写真はオナガ。
黒いカラスとはかなりイメージの異なる鳥ですよね。
他にも、カラス科には多彩な姿の鳥たちがたくさんいるんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、カラス科の野鳥の種類と魅力を紹介します。
カラス科の野鳥の特徴と魅力
カラス科は、「スズメ目」というグループに含まれる科。
僕が考える、カラス科の野鳥の主な魅力は以下の2つ。
2. ご当地カラスがたくさんいる
1. カッコいい・美しい鳥たちが多い
カラス科は「スズメ目」という分類グループに属しますが、このグループは実は巨大なグループです。
その名の通り、かわいい姿のスズメもこのグループに含まれます。
実はカラスと同じ目に属するスズメ
スズメ目には小鳥が多く含まれ、かわいい印象のものが多いです。
一方、カラス科の鳥たちはその中でも「大型の鳥」が多い。
「かわいい」タイプである他の多くのスズメ目の鳥たちに比べ、「かっこいい」「美しい」タイプの鳥が多いです。
シャープで美しい姿のオナガ
このように、他のスズメ目の鳥たちとは異なる、カッコいい・美しい姿に注目です!
2. ご当地個性派カラスがたくさんいる【海外のカラスは多彩なものも多い】
カラス科の鳥たちには、「ご当地カラス」も多いです。
どういうことかと言うと、特定の地域や環境でのみ見られるものが多いんですね。
カラス科の鳥には、海を超えて長距離移動する「渡り」をしない種が結構多いのです。
例えば、以下のルリカケスは奄美諸島でしか見られないカラス。
ルリカケス
他にも「〇〇地方にしかいない」といったものも多いし、サドカケス、ミヤマカケスなど、離島などでは本州とは異なる亜種になっているものもいます。
このように、土地ごとに異なる種類であったり、異なる特徴を持つご当地カラスがいるのもカラスたちの魅力なんですね。
さらに世界のカラスたちにも目を向けてみると、同じように地域ごとに実に個性的なカラスたちがいます。
以下は台湾のヤマムスメ。
華麗で優雅な姿のヤマムスメ
コントラストははっきりした、鮮やかな美しいカラス科の鳥です。
このように、各地域ごとに多様なカラスがいて、それぞれの場所のカラス探しはとても楽しいのです!
カラス科の野鳥の種類
ハシブトガラス
街中でも見られる、身近な2種類の黒いカラスのうちの1種。
「カラス」と言うと、このカラスをイメージする方が多いのではないでしょうか。
ちなみに、後述するハシボソガラスと似ていますが、
・おでこの部分が出っ張っている
が見分けポイントです。
ハシボソガラス
街中でも見られる、身近な2種類の黒いカラスのうちの2種目です。
ハシブトガラスは都会派のカラスですが、ハシボソガラスは農作地や郊外などでよく見られます。
ミヤマガラス
ハシブトガラス・ハシボソガラスと似ていますが、くちばしが白っぽく、とがった形をしています。
身近な2種と比べて実は見る機会が少ないカラスで、冬にしか見られません。
冬の農耕地に、たくさんのカラスが群れていたらミヤマガラスの可能性があるので、特徴を確認して見ましょう。
コクマルガラス
コクマルガラスは小型の種で、他のカラスよりも2回りくらい小さいです。
例えばハシブトガラスは57cm程で、コクマルガラスは33cm程度です。
幼鳥の頃は他のカラス同様に黒い姿ですが、成鳥になると写真のような白黒の姿になります。
ミヤマガラスの群れに、少数が混ざっていることがあります。
オナガ
淡いブルーの羽が美しい、スマートな姿の鳥です。
また、このような美しい姿とは随分とギャップのある「騒がしい鳴き声」を持つ鳥でもあります。
東日本では割と身近な種ですが、西日本ではほとんど見られないようです。
カケス
カケスは複雑な青い斑点模様がとっても綺麗な鳥です。
街中ではあまり見られず、森や山に生息。
生息環境の影響か警戒心が強く姿はなかなか見えないのですが、その鳴き声はけたたましく、存在感があります。
またカケスは、ドングリの貯食という習性も持ち、森づくりに貢献している鳥でもあるのです。
ルリカケス
こちらは鹿児島の奄美諸島の固有種。
鹿児島の焼酎の名前にもなっている、奄美を代表する野鳥です。
青、赤、黒の鮮やかな羽色がとっても美しいです。
ちなみに僕がかつて奄美大島に行ったのは、この野鳥を見ることが目的でした。
カササギ
日本では主に九州で見られる種。
近年は環境変化により分布拡大しているようです。
羽の青い部分はうまく光が当たる具合によって、とっても美しい姿になります。
カササギは、海外の台湾でも見ることができます。
僕も台湾の街中でカササギに出会いました!
ヤマムスメ
ヤマムスメは台湾の国鳥。
止まっている姿もすでに美しいのですが、飛翔すると羽が羽衣のように見えてとっても美しいんです。
もし台湾に行った際は、ヤマムスメにも注目してみてください!
ボルネオタンビヘキサン
こちらはマレーシア・ボルネオで出会った鳥。
朝バードウォッチングをしていると、前に急に飛んできた緑の鳥がこの鳥でした。
こちらはボルネオの固有種だそうで、とっても派手な鳥ですよね。
海外では特に狙って歩いていない時にも、うっかり未知の野鳥に出会えてしまうのも楽しい点です。
おわりに
このように、実はカラスは多様で様々な種類がいるのです。
僕は野鳥観察をする前までは黒いカラスしか知らなかったのですが、野鳥観察していくうちにカラスの鳥たちの面白さに気付きました。
僕は全国各地や海外にも野鳥観察に行きますが、各地それぞれに個性的なカラスたちがいるからです。
そこからそして一周回って、身近なカラスたちの魅力にも気付きました。
例えば街中でも見られる黒いカラスたち。
あんなに大きなかっこいい鳥を、間近で見られる日本のような場所はあまり多くないんですよ!
ぜひ、身近なカラスたちも含め、改めてじっくりと観察してみてください!
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