あ、スズメバチだ!
スズメバチって、他にどんな種類がいるの?
こんな疑問にお答えします。
スズメバチは黄色と黒の配色が特徴的な、大型のハチ。
彼らはその配色から、英語でも「yellow jacket(イエロージャケット)」と呼ばれます。
スズメバチの特徴は毒針と社会性。
スズメバチの高い攻撃力は、この2つが組み合わさるからこそ発揮されるのです。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、スズメバチの種類と魅力を紹介します。
スズメバチの特徴と魅力
スズメバチは、ハチ目スズメバチ科というグループに含まれる虫たち。
このグループには、〇〇スズメバチと名の付くものだけでなく、〇〇アシナガバチも含まれます。
僕が思う、スズメバチの魅力は大きく3つ。
2. 毒針を持つのはメスだけ
3. 社会性昆虫を持つ昆虫【女性社会】
1. 人間を恐れさせるほどの攻撃力【英名はyellow jacket(イエロージャケット)】
スズメバチの仲間の大きな特徴と言えば、その攻撃力。
ハチの多くは黄色と黒の配色をしていますが、この特徴的な配色は警戒色と言います。
この色をもって、相手に自分は怖い存在であることをアピールして身を守るのです。
ちなみに英語では、その配色から「yellow jacket(イエロージャケット)」と呼ばれます。
黄色と黒の配色のスズメバチ
スズメバチの獲物は、バッタやコガネムシだけでなくセミやトンボなど、自分の体以上の大きさの虫たちもターゲットとなります。
さらに、自分たちとは別種のハチを襲うことも。
ターゲットとなりやすいのは、ミツバチ。
セイヨウミツバチ
上記記事でも紹介しましたが、ニホンミツバチは長年の付き合いからオオスズメバチへの対抗手段「熱殺蜂球」を編み出しました。
しかし、海外からやってきたセイヨウミツバチはスズメバチへの対抗手段を持っていません。
そのため、スズメバチにセイヨウミツバチの巣が襲われると、なすすべもなくやられてしまうのです。
このようなスズメバチの強さを支える武器が、強力な毒針。
その攻撃力(毒性)はと言うと、人ほど大きな動物でも多数のスズメバチに刺されると命を脅かされるほど。
これほどの体格差がある動物を恐れさせるほど、すごい攻撃力を持つ虫なのです。
2. 毒針を持つのはメスだけ
スズメバチの武器である毒針ですが、この強力な毒針を持つのは実はメスのハチのみ。
というのも、ハチの毒針というのは産卵管が変化してできたもの。
つまりオスには毒針の元となる産卵管がないため、毒針も持たないのです。
じゃあ、メスバチにだけ気をつければ安心だね!
…とはならず。
なぜなら、普段僕らが目にするスズメバチのほとんどはメス。
オスバチの役割は交尾以外にはなく、外で活発に活動しているのはメスバチたちなのです。
3. 社会性昆虫を持つ昆虫【女性社会】
スズメバチは、ハチ目の一部の虫が持つ社会性昆虫でもあります。
彼らは群れを持ち、群れの中には大きく3つの役割があります。
・働きバチ: メスバチ。えさ集め、幼虫へのえさやり、巣を守ること、などを担う。
・オスバチ: 女王蜂との交尾が唯一の役割。交尾後死んでしまう。
例えば働きバチは巣を守ることが使命。
そのため巣が脅かされるようなことがあると、命をかけて戦います。
ちなみに僕は以前、ハチの社会性について強く実感したエピソードがあります。
それは気付かずにヒメスズメバチの巣に近付いてしまった時のこと。
最初は巣の入り口に2匹ほどの働きバチだけが配備されている状態でした。
しかし、僕がうっかり近付いたら働きバチがすぐに何匹か外に出てきて警戒態勢に。
巣の周りに出てきた働きバチたち
その後しばらくして警戒が弱まると、何匹かのハチは巣に戻り、何匹かはパトロールに出かけていきました。
彼らが巣の周りの雰囲気に応じて警戒度を強めたり、役割分担する様子を観察していて、「本当に兵隊みたいだな」と思って感心したものです。
スズメバチは強力な毒針が特徴的ですが、この社会性による連携プレーがあるからこそ、恐ろしいほどの攻撃力が発揮されるのだと思います。
スズメバチの種類
オオスズメバチ
世界最大のスズメバチ。
その攻撃力も高く、昆虫界でも最強クラスのハンターです。
ミツバチの他、別種のスズメバチすら襲うことがあります。
ヒメスズメバチ
社会性の話に登場したスズメバチ。
赤いパーツが多い種です。
オオスズメバチなどと比べると大人しめの印象。
チャイロスズメバチ
茶色と名前が付きますが、頭から胸部が赤っぽく、腹は真っ黒。
これはこれでカッコいい配色ですよね。
ちなみに攻撃性は低く、ヒメスズメバチよりもさらに温厚なイメージ。
実際チャイロスズメバチに刺された事故も少ないようです。
クロスズメバチ
食用にされる「蜂の子」はスズメバチ、ミツバチやアシナガバチなど色々あるようですが、一番一般的なのはこのクロスズメバチの幼虫。
クロスズメバチは、地方によって「ジバチ」「ヘボ」など様々な呼び名があるようです。
サイズは上で紹介したスズメバチたちよりも小さめ。
セグロアシナガバチ
アシナガバチ類は、スズメバチと名の付くものよりも小型で細身。
このセグロアシナガバチも、スレンダーかつメリハリの効いた配色でカッコいいハチです。
ちなみにアシナガバチ類も人を刺すことはありますが、スズメバチより攻撃性は低いです。
実際に観察している感じでも、スズメバチはこちらに気付いても「気にしない」ようなことが多いですが、アシナガバチは逃げていくようなケースが多いですね。
ムモンホソアシナガバチ
アシナガバチ類の配色は黄色(またはオレンジ)と黒の配色が多いですが、このハチは黄色と赤の配色。
他のアシナガバチ類とはまた違ったカッコ良さがあります。
フタモンアシナガバチ
上の写真ではそうなっていないのですが、触角がくるんと巻いていることがあります。
また体の随所に丸い紋がありますが、それが水玉模様にも見え、ちょっとファンシーな印象のアシナガバチ笑
スズメバチをもっと知る【ハチの図鑑】
スズメバチは、この記事で紹介したハチ以外にもたくさんの種類がいます。
スズメバチをもっと知りたい場合におすすめなのが、以下の「ハチ ハンドブック」。
スズメバチはもちろん、他にも魅力的なハチたちの特徴を知ることができます。
識別点や生態も紹介されているので、ハチのことにもっと詳しくなれますよ!
スズメバチに関連する虫たち
スズメバチに擬態した虫
スズメバチは昆虫界で最上位に位置する強さを持つ昆虫。
彼らのその強さに便乗し、彼らに姿を擬態させる虫たちもいます。
スズメバチのような姿に擬態したアブ
このようにスズメバチに擬態した虫はかなり多い。
以下では、そんな擬態した虫たちを紹介しています↓
おわりに:スズメバチをもっと楽しもう!
スズメバチは昆虫界でも最強クラスのハンターで、カッコいい虫。
しかし刺激をしなければ大丈夫とはいえ、あまり本物に近付いてじっくり観察しやすいとは言いづらいですよね?
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