あ、アジサイだ!
でも、アジサイってなんで同じ花なのにこんなに色が違うの?
こんな疑問にお答えします。
アジサイ(紫陽花)は梅雨時期を代表する美しい花です。
ところで、アジサイの花って様々な色がありますよね?
あの色とりどりの花たちは、違うアジサイが混ざっているのではなく、実は同じアジサイ。
アジサイの花は、色が変化する花なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、アジサイの特徴と魅力を紹介します。
アジサイ(紫陽花)の魅力
僕が思う、アジサイの魅力は大きく2つ。
2. 色が変化する花
1. 梅雨に彩りを与えてくれる植物
アジサイが咲く季節といえば、梅雨。
冬が明けて4、5月は桜などの花々や昆虫や爬虫類などの生き物たちが続々と出てきて、とっても賑やかになる時期。
さらに、気候もちょうど良く天気も良いので非常に楽しい季節になります。
しかし一方で、5月を過ぎて6月に訪れる梅雨時期はテンションが下がりがち。
・じめじめする
・祝日もない
・4、5月が過ごしやす過ぎた
でも、じめじめと雨降りの時でも、アジサイは美しく咲いてくれます。
こんなアジサイたちの姿を見ると、ちょっとだけ嬉しい気持ちになりませんか?
そんなふうに、アジサイたちはテンションが下がる梅雨時期を彩ってくれる花なのです。
2. 色が変化する花
後述しますが、「アジサイ」には実はいくつか種類があります。
その中でも一般的にイメージされやすいのが、手まり型の「ホンアジサイ」という種類。(単に「アジサイ」と呼ばれることもあります)
ところがこのアジサイ、1色ではなく赤や青、ピンクなど様々な色のものを見た事はないでしょうか。
ピンクのホンアジサイ
青いホンアジサイ
実はアジサイは、育つ土によって色が変わる花なのです。
ざっくり言うと、以下の通り。
土が中性 or アルカリ性 → 赤系の色になる
※詳しい仕組みは以下をどうぞ。
なお、土の中でも土壌の性質が別れているところがあり、そういう場所では以下のように赤・青が混ざるような状態になるようです。
同じ株の中でも色が違うホンアジサイ
ちなみにアジサイの大きい花びらのように見える部分は実は花ではなく、がく呼ばれる部分。
色が変わるのは、花ではなくこのがくなのです。
本当のアジサイの花は真ん中の小さな部分。
アジサイを見たときには、ぜひこの色の変化と小さな花も観察してみてください。
アジサイの種類
ホンアジサイ
実はこの一般的な手まり状になっているホンアジサイは、西洋から逆輸入した園芸品種。
※園芸品種=特定の形質を持つ花にするため、人為的に掛け合わせをして作り出した種のこと
アジサイの原種であるガクアジサイ(後述)が西洋で品種改良され、それが日本に逆輸入されたのです。
そのため、ホンアジサイには様々な形をしたものや、様々な色のつき方をするものが存在します。
ガクアジサイ
日本に自生するアジサイで、ホンアジサイの原種となったもの。
名前の通り、花の周りをがくが取り囲んでいて美しいです。
この種も先述したアジサイの特徴通り、植える場所によってがくの色が変化します。
カシワバアジサイ
このアジサイは、カシワのような形をした大きな葉が特徴。
また花のつき方も他のアジサイと違って、円錐状に並びます。
他のアジサイと比べて、大型で存在感があるアジサイですね。
コアジサイ
コアジサイは他のアジサイよりも小柄で繊細な印象。
見られる場所も街中ではなく、森や山など自然度の高い場所である事が多いです。
森の中この花を見つけると、緑の中に淡い色が映えてとても美しいです。
タマアジサイ
つぼみが球状であることが名前の由来。
以下がそのつぼみの姿。
タマアジサイのつぼみ
つぼみの姿は、見た目にインパクトがありますね。
球から広がって開花する感じが面白いアジサイです。
おわりに:色々なアジサイを観察してみよう!
アジサイは街中でも目立ち、観察しやすい植物。
記事内でお伝えした通り、アジサイには様々な種類のものがあります。
街で出会えるアジサイ、森で出会えるアジサイ、山で出会えるアジサイ…
ぜひそれぞれのアジサイの魅力を観察して、感じてみてくださいね!
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