ネイチャーエンジニア いきものブログ

虫・鳥などの動植物の魅力や知識など、自然観察をもっと楽しむための情報を発信します。

春を代表する花「スミレ科」の植物の特徴と種類【ヒョウモンチョウの食草】

スミレ

綺麗な花!

これってなんていう植物?

こんな疑問にお答えします。


上の写真は、スミレの花。


スミレ科の植物は、花を見ると「あ、スミレの花だ!」とわかるような、特徴のある花をつけます。


しかしそんなスミレの花は、ほとんどが春にしか見られません


そう、スミレの大きく目立つ綺麗な花の多くは春限定で見られるものなんですね。


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な植物にも出会ってきました。


そんな僕が、今回はスミレ科の魅力と種類を紹介します。




 

スミレ科の魅力

僕が思う、スミレ科の魅力は大きく3つ。

1. 特徴的な形の大きな花をつける
2. 春を感じさせてくれる花
3. ヒョウモンチョウの食草


1. 特徴的な形の大きな花をつける

スミレ科の仲間は、よく目立つ大きな花をつけます。


タチツボスミレの花

タチツボスミレ


スミレの花には、どれも"スミレっぽさ"があります。


複数のスミレを見た経験があると、初めて見るスミレの花でも「これはスミレの花だな」と分かるようになります。


スミレっぽさの要素を分解すると、以下の様な感じです。

・大きな5枚の花びら
・長い「距(きょ)=花びらの後ろの長い筒状の形をした部分」がある
・花びらの内側が色が違ったり、目立つ模様がある


ちなみに、このように花を目立たせている理由は動物に花粉を運んでもらうため。


スミレの花は、虫に花粉を運んでもらう虫媒花というものです。


上で挙げたスミレの花の特徴は、その多くが虫に花粉を運んでもらうための戦略になっているのですね。


例えば「花びらの内側が目立つようになっている」のは、虫を花粉がある場所に誘導するため。


距が長い」という特徴にも理由があります。


花粉の媒介者となる虫で人気者なのがハチ


なぜなら、ハチは同じ種類の花の蜜を集める習性が強いため。


だからできるだけハチに花粉を運んでもらいたい


そのため、ハエなどが届かないように距の奥に蜜を置くことでハチを優遇し、花に訪れる虫を選別しているのです。


このように虫に花粉を運んでもらうために、様々な工夫をしているのも面白いところですね!


スミレを見つけたら、この"スミレっぽい"花の特徴をぜひ確認してみてください。

2. 春を感じさせてくれる花

スミレというと、春を連想する植物です。


というのも、スミレの多くは春に花が咲き、夏にはほぼ見られません。(高山植物などには夏に見られるものもいます)


ただ面白いのが、夏は花が見えないもののその場にいないわけではなく、閉鎖花というつぼみの形態になり、自家受粉(※)を行います。


※自家受粉:虫や風など他の協力を得ず、自分自身で受粉すること


スミレは背が低く、花も地面近くにつけるので、夏になって草が生い茂ると不利になるのでしょうね。


このように春または高山に行かないと花が見られないというのも、スミレ科の魅力です。

3. ヒョウモンチョウの食草

ヒョウモンチョウというチョウ(蝶)の幼虫は、スミレ科の葉を食べます。


虫が食べる植物のことを食草と言います。


身近な場所で一番見られるヒョウモンチョウと言えば、以下のツマグロヒョウモン


ツマグロヒョウモン

ツマグロヒョウモン メス


オレンジ色と黒のはねが美しいチョウです。


実はこのツマグロヒョウモンはもともと南国のチョウだったのですが、近年その分布が北に広がっています


その要因の1つが、食草となるスミレ科のパンジーが流通していることが考えられるそうです。

ツマグロヒョウモンの幼虫はパンジーなどスミレ科の植物を食べるため、パンジーの苗の流通も、卵や幼虫を運んで分布の拡大に拍車をかけている可能性があるという。


引用: asahi.com(朝日新聞社):温暖化?チョウ「ツマグロヒョウモン」の分布が北上


パンジー

パンジー


ヒョウモンチョウが飛んでいるのを見かけたら、近くにどんなスミレがいるのか調べて見るのも面白いと思います。

スミレ科の種類

スミレ

スミレ

科名と同じ名前ですが、僕が探索する関東周辺では後述するタチツボスミレの方がよく目にします。


スミレは濃い紫色の花が綺麗ですね。


ちなみにスミレ科の葉はハート型のものが多いのですが、スミレの葉は細長い形をしています。

タチツボスミレ

タチツボスミレ

僕が探索する範囲では最も目にするスミレ。


姿が似ているものも多いのですが、識別すると大体この種です。


春になると目にするようになり、まさに春を感じさせてくれる花です。

ツボスミレ

ツボスミレ

スミレの中でも花が小さめで、かよわい感じのイメージ。


花自体は小さいながら、花の中心部の模様は濃い紫で目立ち、気付きやすいです。

オトメスミレ

オトメスミレ

シロバナタチツボスミレ(タチツボスミレの白花種)の変種。


真っ白な花が可憐です。


距は濃い紫色で、良いコントラストになっています。

エイザンスミレ

エイザンスミレ

淡いピンク色のスミレ。


特徴的なのは葉の形で、深い切れ込みがたくさん入っています。


エイザンスミレの葉

エイザンスミレ 葉


ただ、これは春の姿の葉で、夏になると大きく切れ込みのない葉をつけるようです。(僕は夏の姿をまだ見たことがありません)

パンジー

パンジー

ヨーロッパ原産のスミレで、園芸植物として緑道や公園などにもよく植えられています。


花の大きさでパンジー、ビオラと呼び分けられます。


様々な品種があり、品種によって花の色や模様、花が咲く時期も様々です。

おわりに:スミレを探すと植物観察がもっと面白くなる!

野生のスミレは、あまり公園とか都市化したような場所には多くないんですね。


森や山など、自然の多い場所で多く見られます。


しかも土地土地で様々なご当地スミレなどもいます。


さらに彼らが住むところに足を踏み入れると、スミレだけでなくたくさんの魅力的な植物にも出会えます。


このように、彼らの観察を始めると、植物の魅力がどんどん見つかること間違いなし


ぜひそんなスミレたちを観察してみてください!


なお、以下で紹介している図鑑ではスミレの種類がたくさん紹介されているので、彼らを観察するのにおすすめです!


合わせて以下もお読みください↓

色々な植物の魅力を知りたい!

植物の魅力紹介まとめ【年間100回以上、全国各地で探索する筆者が紹介】

植物観察の魅力は何?

植物観察が面白い3つの理由【面白いのは動物だけではない】