セミが鳴いてるよ!
セミにはどんな種類がいるの?
こんな疑問にお答えします。
夏になると、「ミーンミーン」「ジリジリジリ」と様々な声が聞こえます。
これらの声の主はセミ(蝉)。
そんなセミたちの最大の特徴は鳴き声で、種類ごとに鳴き方が違うだけでなく、鳴く時間にも違いがあるのです。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、セミの種類と魅力を紹介します。
- セミ(蝉)の特徴と魅力
- セミ(蝉)の種類
- セミは幼虫時代が長い
- セミの鳴き声の仕組み
- セミ(蝉)に関連する虫たち
- セミ(蝉)と同じ分類に属する虫たち
- おわりに:セミ(蝉)を鳴き声を色々な視点で観察してみよう!
セミ(蝉)の特徴と魅力
本記事で紹介するのは、カメムシ目セミ科というグループに含まれる昆虫たち。
僕が思う、セミ(蝉)の魅力は大きく2つ。
2. 種類によって鳴く時間が違うのも面白い
1. 鳴き声が特徴的【鳴く理由はメスへのアピール】
セミの最大の特徴はなんといっても鳴き声。
そのため、セミの名前の由来も鳴き声から来ていることが多いです。
・「ジリジリジリ…」→ アブラゼミ
ちなみに、セミはオスしか鳴きません。
セミが鳴くのはメスへの求愛行動と言われており、オスが大きな声で鳴くことによって自分の魅力を伝えるのです。
野鳥も求愛行動を目的にさえずりをしますが、セミも同様に声を使ってメスにアピールするタイプの動物なのですね。
2. 種類によって鳴く時間が違うのも面白い
セミが鳴く時間に注目してみると、種類によって活発に鳴く時間が違うことに気付きます。
セミと言うと、夏の猛烈な日差しにも負けず、元気に鳴いているイメージ。
ですが、お昼に鳴くセミばかりではありません。
例えば、ヒグラシは夕方に鳴き出すセミです。
夕方に活発に鳴くヒグラシ
ヒグラシの名前の由来はこの鳴く時間で、「日が暮れる頃に鳴く」ことが名前の由来になっています。
他の種類のセミも鳴く時間帯に特徴があって、例えばクマゼミは早朝〜昼前までしかその声を聞けません。
このように、セミは種類ごとの鳴く時間が異なるという点も面白いですね!
セミ(蝉)の種類
アブラゼミ
街中では最も身近に見られると思われるセミで、家の壁などで鳴いているのも見かけます。
日本ではありふれたセミですが、不透明なはねを持つセミというのは、世界的にはかなり珍しいです。
鳴き声は「ジリジリジリジリ…」。
名前の由来は、鳴き声が油で揚げ物をしている時の音に似ていることから。
ミンミンゼミ
こちらも鳴き声が印象的で、国民的なセミの1種。
胸の緑色が美しい。
名前の由来となっている鳴き声は「ミーン、ミンミンミン…」。
クマゼミ
午前中しか鳴かない、大型のセミ。
黒色で渋い色味のセミです。
鳴き声は「シャアシャアシャア…」。
ヒグラシ
夕暮れ時によく鳴くセミ。
他のセミは木の高い位置にいることが多いですが、このセミは低い位置にいることが多く、昼間に森を散策しているとよく飛び立ちます。
鳴き声は「カナカナカナ…」とちょっと悲しげ。
ニイニイゼミ
こちらも鳴き声が名前の由来とのことですが、僕にはニイニイと鳴いているようには聞こえません。
「チィー…」と鳴きます。
あと独特なニイニイゼミの特徴としては、なぜか抜け殻が泥だらけなこと。
小さくて泥にまみれたセミの抜け殻があったら、きっとニイニイゼミです。
ニイニイゼミ 抜け殻
ツクツクボウシ
こちらもお馴染みの鳴き声のセミ。
名前の通り、「ツクツクホーシ、ツクツクホーシ…」と鳴きます。
声的な存在感はすごくあるのですが、大きさが比較的小さくて、木の上にいると少し見つけづらい気がします。
セミは幼虫時代が長い
セミは幼虫時代が長い虫としても知られています。
例えばカブトムシは幼虫の期間は1年。
今年産みつけられたカブトムシは、来年成虫になって出てきます。
しかしアブラゼミは2〜5年(環境によって期間が変わる)と、長い年月をかけて成虫になります。
カブトムシと比べると、大人になるまで遥かに長い期間を要します。
アブラゼミの幼虫
例えば今年頑張って鳴いているアブラゼミは、5歳のアブラゼミかもしれません。
そうすると、通学中や通勤中に見る、保育園児や幼稚園児たちと同級生くらいということになるんですね。
そう思うと、彼らの命の尊さを感じたり、短い成虫期間(2〜3週間程度)の活動を応援してあげたくなりませんか?
セミの鳴き声の仕組み
セミはとても大きな声で鳴きますが、それはセミの体の仕組みがあるからこそ可能なことなのです。
以下のサイトにセミの鳴く仕組みの説明が記載されていました。
発音器は腹部にある発振膜と鳴筋と共鳴室からなります。
鳴く時は鳴筋がちぢみ、発振膜が中へ引っぱられ音が出ます。
続いて鳴筋が元にもどり、発振膜がまた元にもどり弱い音が出て、これを繰り返すことによって連続的に音が出、共鳴室で拡大されてセミの鳴き声になります。
実際にセミが鳴いている時の姿を観察すると、大きく声を出す瞬間にお腹がギュッと引っ張られているのが分かります。
ギュッとなっている時がきっと、鳴筋が縮んでいる時なのでしょう。
セミには小さな体から大きな声を出す仕組みが存在しているんですね!
このように、彼らの鳴き声だけでなく、鳴いている姿を観察するのも面白いです。
以下の記事では昆虫観察の始め方や、観察に役立つ道具を紹介していますので、ぜひご覧ください!
セミ(蝉)に関連する虫たち
鳴く虫(キリギリス類)
セミ以外にも、鳴き声が特徴的な虫がいます。
以下のキリギリス類も、鳴き声が特徴的な虫たちです。
秋に鳴き声を聴かせてくれるキリギリス類
まるで音楽隊のような、秋に揃って鳴くキリギリスたちは、以下の記事で紹介しています。
おわりに:セミ(蝉)を鳴き声を色々な視点で観察してみよう!
セミが面白いのは鳴き声の「音」だけではありませんでした。
鳴く時間帯や鳴く仕組みなど、鳴き声だけでも面白い特徴がたくさんあります。
このように、虫は視点を変えるとまた面白い発見があるんですね!
ぜひ彼らを色々な視点で観察してみてくださいね!
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