花からとってもいい香りがする!
この花ってどんな植物なの?
こんな疑問にお答えします。
写真の花はクチナシという植物。
梅雨時期に、その綺麗な花の姿だけでなく、とっても良い香りで僕らを楽しませてくれます。
さらにこの植物は、名前の由来となった実であったり、面白い虫の食樹であったりと、魅力がたくさんあるんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、クチナシの特徴と魅力を紹介します。
クチナシは三大香木の一種
白くて大きな花を咲かせる
クチナシは、6〜7月頃に大きな白い花を咲かせます。
その花が、こちら。
クチナシの白い花
この花は大きいのでそれなりに目立ちますが、クチナシにはそれ以上に目立つ特徴があります。
最大の特徴は良い香り
クチナシの花の最大の特徴とは、「香り」。
実はクチナシは「三大香木」という、"良い香りのする樹木三選"のうちの一種なのです。
どんな香りかというと、"強く・甘い香り"です。
その香りの強さというと、距離が離れていても、その香りだけで存在に気付くほど。
以下は、僕が道を歩いていた時のことです。
↓
なんだか気になって信号が青になっ他にも関わらず、その香りの元を探してみることに。
↓
すると、5mくらい先にこのクチナシの花が咲いていました。
このように、クチナシは気になって探してしまうくらいに良い香りを放つ花なのです。
ちなみに三大香木の残りの二種は「ジンチョウゲ」と「キンモクセイ」。
キンモクセイの香りも遠くから気付くような香りを放ちますが、そのようなイメージです。
クチナシの花を見つけた時は、ぜひその香りを確認してみてください!
クチナシの名前の由来は果実の姿
クチナシを漢字で書くと、「口無」。
名前の由来は諸説あるようですが、僕が使っている図鑑ではどれも「実」から来た由来が掲載されていました。
その由来とは、「実が熟しても開かない=口無し」とのこと。
その実の姿が以下です。
クチナシの実
クチナシの実は写真のようにオレンジ色をしていますが、この果肉は着色料として食品に使われています。
また体に良い効能もあるようで、漢方薬としても活躍しています。
クチナシの実は姿が面白いだけでなく、人の生活も支える樹木なのですね!
クチナシはオオスカシバの食樹
クチナシと言えば、オオスカシバというガ(蛾)の食樹でもあります。
食樹については以下の記事をどうぞ↓
クチナシの葉を食べるオオスカシバの幼虫
写真の通り、オオスカシバの幼虫は大型のイモムシで、食欲旺盛。
この幼虫がいる付近の葉は結構激しく食べられ、丸坊主にされていることも。
ちなみにこの幼虫が育って羽化すると、こんな姿になります。
オオスカシバ 成虫
オオスカシバというガは、色々と面白いガで、
・昼行性
・ホバリングしながら長いストローを出して蜜を吸う
と、ガっぽくない特徴をたくさん持っています。
吸蜜する姿がハチドリのようなので、人気のあるガなのです!
クチナシは街中で生垣として植えられていることも多い。
そんなわけで、オオスカシバも街中でよく観察できるガなのですね。
葉を食い荒らされるため、クチナシにとっては災難かもしれませんが、そのおかげで身近な場所でオオスカシバを観察できるのですね。
というわけでクチナシを見かけたら、このオオスカシバも探してみてくださいね!
おわりに:クチナシを五感で観察してみよう!
クチナシは視覚(姿)だけでなく、嗅覚(香り)、味覚(果実)と、五感で僕たちを楽しませてくれる樹木です。
街中でも見つけやすい樹木なので、ぜひ本物を観察をしてみてください!
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■ クズ
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