ネイチャーエンジニア いきものブログ

虫・鳥などの動植物の魅力や知識など、自然観察をもっと楽しむための情報を発信します。

ツマグロヒョウモンはヒョウ柄のはねを持つ美しいチョウ【分布拡大中の南国出身のチョウ】

ツマグロヒョウモン メス

きれいなヒョウ柄のチョウ!

このチョウってどんな虫?

こんな疑問にお答えします。


写真のチョウは、ツマグロヒョウモン


美しいヒョウ柄のはねを持つ、美しいチョウです。


彼らは関東地方の街中でもよく見られますが、元々は南国のチョウ


それが今ではアゲハチョウなどに混ざって普通に見られるようになりました。


分布拡大の要因として、街中によくある植物の関係が考えらえるようなのです。


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。


そんな虫好きの僕が、ツマグロヒョウモンの特徴と魅力、分布拡大の要因を紹介します。




 

ツマグロヒョウモンはヒョウ柄のはねを持つ美しい蝶

ツマグロヒョウモン メス

ヒョウ柄模様の美しいはね【ヒョウモンチョウの名前の由来】

ヒョウモンチョウ(豹紋蝶)全体の特徴ではあるのですが、ツマグロヒョウモンはヒョウ柄模様の美しいはねを持ちます。


言わずもがな、ヒョウモンチョウの名前の由来はこのヒョウ柄模様です。


ヒョウモンチョウは姿の似ているものが多いのですが、ツマグロヒョウモンははね(後翅)のふちが黒いことで見分けられます。


ツマグロヒョウモンの後翅は黒い

ツマグロヒョウモン オス


ツマグロヒョウモンはこのふちがあることで、他のヒョウモンチョウよりもメリハリが効いており、さらに鮮やかさを感じられるチョウです。


オスとメスで姿が異なる【メスの方が鮮やか】

ツマグロヒョウモンはオスとメスで姿が異なります


ツマグロヒョウモンのオス

ツマグロヒョウモン オス


ツマグロヒョウモンのメス

ツマグロヒョウモン メス


上記の通り、ツマグロヒョウモンはメスの方が複雑なはね模様をしています。


オレンジと群青色のコントラストがとても美しい姿ですね!


生物たちにはオスの方が派手なものが多いのですが、ツマグロヒョウモンはメスの方が個性が強いようです。(人から見た印象なので、虫の世界では違うのかもしれませんが)

街中でもよく見られるチョウ

これほど鮮やかなオレンジ色のツマグロヒョウモンですが、実は彼らはとっても身近に見られるチョウです。


僕は東京を中心に探索をしていますが、人口の多い都内の街中でさえ頻繁に目にします


その秘密は、実は街中でもよく見かけるパンジー


パンジー

パンジー


ツマグロヒョウモンの幼虫のえさはスミレ科であり、街中にパンジーがあるおかげで都会に進出可能なのです。




ツマグロヒョウモンの分布拡大について

都会に進出した南国のチョウ

ツマグロヒョウモンは都会にも進出した、最も身近なヒョウモンチョウです。


しかし、彼らは南国出身のチョウ


今は東京でも身近に見られるチョウですが、もともとこちらには分布していないチョウでした。


しかし近年、その分布が北に広がっているのです

パンジーが要因の1つと考えられている

その要因の1つと考えられるのが、食草となるスミレ科のパンジーが流通していること。


先ほど紹介した通り、パンジーはツマグロヒョウモンの幼虫のえさとなります。

ツマグロヒョウモンの幼虫はパンジーなどスミレ科の植物を食べるため、パンジーの苗の流通も、卵や幼虫を運んで分布の拡大に拍車をかけている可能性があるという。


引用: asahi.com(朝日新聞社):温暖化?チョウ「ツマグロヒョウモン」の分布が北上


パンジー

パンジー


確かにパンジーは街中にたくさんあるので、これらがあればえさには困りづらいのかもしれません。


ちなみに、そのパンジーを食べるツマグロヒョウモンの幼虫の姿はこちら。


ツマグロヒョウモンの幼虫

ツマグロヒョウモン 幼虫


まるで毛虫のようなトゲトゲした姿です。


でも、彼らに毒はありませんし、トゲトゲに触れても痛くないので安心してください。


この毒がありそうな姿も、彼らが身を守るための手段なのでしょう。


なお、ツマグロヒョウモンは元々南国で暮らしていたので、寒さに弱い


秋までに幼虫が大きくなっても、多くは冬の寒さで死んでしまうそうです。


ただ、今は関東でもたくさん見られ、僕も実際春を迎える前の時期に幼虫を見たこともあるので、越冬に成功している個体は少なくないのでしょう。

外来種ではない

元々その場所に生息していなかった種は外来種と間違われがちです。


しかし、人の手を介して移動していないものは外来種ではありません


つまり、ツマグロヒョウモンも外来種ではないのです。


一方で、ツマグロヒョウモンのえさとなっているパンジーは人の手を介して移動したもの。


このパンジーが大きな影響を与えているとすれば、直接移動をさせてはいなくても人の行為が生態系に影響を与えている、とは言えるかもしれません。

ツマグロヒョウモンに関連する虫たち

同じ分類に属する虫たち

ルリタテハ

※リンクから各分類の紹介を見ることができます。

おわりに:ツマグロヒョウモンを街で観察してみよう!

ツマグロヒョウモンは東京の街中でも見られる、珍しいヒョウモンチョウ。


また、オスとメスの姿が大きく異なり、その美しい姿を比べて楽しむのも面白いです。


こんな魅力的なチョウが身近で見られるなんてラッキー!


ぜひ彼らをゆっくりと観察してみてください!


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