ネイチャーエンジニア いきものブログ

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カブトムシ|大きなツノを持つ昆虫の王様!強いカブトムシの天敵とは?

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カブトムシ

カブトムシだ!

カブトムシ、やっぱり大きくてカッコいいなぁ!

ところで、大きくて強いカブトムシにも天敵っているの?

こんな疑問にお答えします。


人気昆虫」と聞いて一番にイメージするのは、やはりカブトムシ


カブトムシは「昆虫の王様」と呼ばれるほどの人気を持つ昆虫です。


そんなカブトムシの最大の特徴は、"大きなツノ"。


また、大きくて強いカブトムシですが、そんな彼らにも「天敵」がいます。


その天敵の正体についても、紹介していきます!


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。


そんな虫好きの僕が、カブトムシの特徴と魅力を紹介します。


※動画版はこちら▼




 

カブトムシの特徴と魅力

「昆虫の王様」と呼ばれる人気昆虫

カブトムシは「コウチュウ目コガネムシ科」に属する昆虫。


重戦車のような体を持つ、カッコいい虫です。


カブトムシは人気昆虫でもあり、「昆虫の王様」などと呼ばれるほど。


そんなカブトムシの最大の特徴が、その大きなツノ


大きなツノがかっこいいカブトムシ
カブトムシ


日本の他のコガネムシの仲間には、カブトムシほど大きく目立つツノを持つものはほぼいません。


この大きなツノこそ、"昆虫の王様の象徴"となっているのです!

カブトムシのツノは強力な武器

カブトムシ最大の特徴であるツノはただの飾りではなく、"強力な武器"になっています。


カブトムシが他の虫と戦うときの必殺技は、その大きなツノを使った「すくい投げ」。


自身のツノを相手の体の下に差し込み、テコの原理で遠くに投げ飛ばしてしまうのです。


ちなみにその強力な技を可能としているのは、「強靭な足腰と首の筋肉」があってこそ。


カブトムシを手に持つとガッツリ掴んでなかなか離してくれませんが、あの強い足腰こそが、すくい投げという必殺技を可能にしているのです。

カブトムシのメスの特技

カブトムシの最大の特徴であるツノですが、実はツノがあるのはオスのみ


メスにはツノがありません


ツノがない、カブトムシのメス
カブトムシ メス


ツノこそありませんが、オスと同じように強靭な足腰を持ち、まつげのような触角はチャーミングなかわいらしさがあって、とても魅力的な昆虫なんです。


しかし、ツノのないメスは、子供たちにあんまり人気がありません


僕は小学校で講師として子供に生き物観察について伝えていたことがありますが、カブトムシのメスの写真を見せても、あまり食い付きが良くありませんでした。


その分のアピールではないのですが、メスは"オスにはない特技"を持っています。


その特技とは、「地面に潜る能力」。


オスは大きなツノを持っている分、土に潜るのがあまり得意ではありません。


一方でメスはツノがないからこそ、素早く土の中に潜ることができるのです。


パートナーの奪い合いはオスが行うため、メスは同種のライバルと争うことはありません。


そのようなメスの生活的には、武器を持つよりも、"確実に産卵することや命を守ること"を重視した方が良い。


そのため、産卵や身を守るために有利な「地面に潜る能力」はオスよりもメスの方が優れる結果になったと思われます。


このように、機能を足すことはデメリットを含むこともあり、「足すか足さないか」ことは、生存戦略において重要な選択になります。


この話は、著書「弱虫の生きざま」のカブトムシの項で人間社会の例と交えて詳しく紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください!


ちなみに野外でメスを見つけると、以下のように頭に泥がついてしまっている場面に出会うこともあります。


頭に泥がついたカブトムシのメス
カブトムシ メス


この姿、可愛らしくないですか?


こんな姿をみられるのも、メスならではの魅力なのです。




カブトムシの天敵

昆虫界では大型でかなり強い存在であるカブトムシですが、彼らにも「天敵」がいます。


雑木林などで、樹液場付近などで「カブトムシがバラバラになった姿」が散乱している場面に出くわしたことはないでしょうか?


以前の僕は「胴体がなく、頭だけが残るカブトムシがたくさん落ちている」という衝撃的な現場を見て、「一体ここで何があったんだ…?」と恐怖を感じていたものでした。


このような現場を作った犯人が、まさに「カブトムシの天敵たち」です。


カブトムシを捕まえようとする人間も天敵と言えるのかもしれませんが、「野生動物」に限定すると、主に以下の動物たちが該当します。


ハシブトガラス

ハシブトガラス


タヌキ

ホンドタヌキ


以下のサイトでは、「カブトムシの残骸を作った正体を解明する研究」が紹介されていました。

その結果、日中にはハシブトガラスがカブトムシを捕食していることがわかりました。


さらに、ハシブトガラスだけでなく、タヌキもカブトムシを食べるために頻繁に樹液を訪れていることがわかりました。


(中略)


その結果、残骸にはオスの割合が高いこと、残骸に含まれるオスはトラップで捕獲された個体に比べ長い角をもつことがわかりました。


引用: カブトムシを食べたのは誰? - 東京大学大学院農学生命科学研究科


上記の通り、天敵には「ツノの長いオス」が狙われやすいようで、ここでもメスの紹介の時に触れた「機能を足すことのデメリット」が現れています。


別の視点で考えてみると、カブトムシにとっては、天敵に狙われやすくなるリスクをとってでも、"ライバルと戦うことのできる武器を持つことは重要"であるのかもしれません。


昆虫の王様」と呼ばれるほど強いカブトムシであっても、自然界には天敵がいて、生き残るのは厳しい世界


それでも毎年、そのカッコいい姿を僕たちに見させてくれることは、本当にありがたいことですね!




カブトムシを見つけるポイント

カブトムシは、えさ場であるクヌギなどの樹液が出ている場所ではボス的存在です。


カブトムシのシーズンである7〜8月は、特等席で樹液をなめている姿をよく見ます。


樹液をなめるカブトムシ

カブトムシ


カブトムシを見つけるには、このようなカブトムシが好む場所を知るのが大切


カブトムシを見つける上で大事なポイントは、以下の記事で紹介しています↓


一方で意識しておきたいのは、カブトムシを探すことだけに夢中になり過ぎず、"彼らが翌年以降も暮らす環境を残す"こと。


具体的には、以下のようなことを守りましょう。

・落ち葉などをめくったりしたら元に戻す
・木を傷付けない
・えさを仕掛けた場合は必ず回収する


このようにカブトムシに優しい観察をして、未来もずっとその姿を楽しませてもらいたいですね!

カブトムシと同じ分類に属する虫たち

コガネムシ

カブトムシはコウチュウ目コガネムシ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。


[コウチュウ目]
甲虫目(コウチュウ目)の昆虫まとめ|頑丈なはねを持つ昆虫最大のグループ

[コガネムシ科]
コガネムシ(黄金虫)の種類と魅力|キラキラ輝くメジャー昆虫たち


おわりに:カブトムシをもっと楽しもう!

カブトムシは、かっこよくて、出会えるととっても嬉しい昆虫です。


夏の季節は、ぜひ「昆虫の王様」をじっくりと観察してみてください!


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