双翅目(ハエ目)ってどんなグループ?
このグループの虫には、どんな魅力があるの?
こんな疑問にお答えします。
双翅目(ハエ目)は昆虫の分類グループ。
このグループの虫ははねが退化していて、多くの種が2枚のはねしかありません。
また、ハエやアブ、カなど、人間に嫌われがちな虫たちも多い。
でも、彼らはとっても多様な姿や生態を持っていて、魅力的な虫たちばかりなんです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、双翅目(ハエ目)の昆虫たちの魅力を紹介します。
双翅目(ハエ目)の特徴
2枚のはねが退化した虫たち【人間に嫌われがち】
双翅目(ハエ目)は、昆虫を分類するグループの1つ。(※双翅目=そうしもく)
このグループは日本では6,000種ほどが含まれるグループで、ハエ、アブ、カなどが含まれています。
共通した特徴としては、一部のはねが退化して平均棍(へいきんこん)という棒状の形になっていること。
ガガンボの平均棍
双翅目という名前も、基本的に昆虫は4枚のはねを持つのに対し、上記の理由でこのグループの虫の多くがはねを2枚しか持たないことが由来です。
ちなみにはねが退化しているので「彼らが飛行が苦手か」というと、そういうわけではありません。
平均棍はジャイロスコープ的な役割を担っているようで、その結果ハエたちのアクロバティックな飛行を可能にしているのです。
※ジャイロスコープ=物体の角度(姿勢)や角速度または角加速度を検出する装置
また残念ながら、彼らは血を吸ったり、食卓の食べ物に寄ってくる習性があるものが多いので、人間に嫌われがちな虫でもあります。
双翅目(ハエ目)の昆虫の魅力紹介
ハナアブ
ハナアブは花の蜜に集まる虫たち。
花の蜜を吸うかわいらしい姿は、結構写真映えします。
花の蜜を吸うオオハナアブ
彼らは「アブ」と名前が付いていますが、実は分類的にはハエの仲間。
ハエというと「汚い」といったマイナスなイメージが強い虫ですが、上記の通りハナアブの主な食料は花の蜜なのです。
ムシヒキアブ
ムシヒキアブは、肉食性のアブ。
忍者さながらの暗殺による狩りを得意とするアブたち。
忍者のような狩りを得意とするムシヒキアブ
彼らは種によっては、スズメバチをもターゲットにしてしまう、すごいアブなのです。
ガガンボ
ガガンボはカを大きくしたような姿の虫で、漢字でその名を書くと「大蚊」。
大きな蚊のような姿のガガンボ
しかしその迫力のある姿に反して、人を刺すこともないし、実はか弱く、なんだかかわいらしい虫なのです。
アブ
アブというと人を刺すイメージを持たれがち。
しかし実際は、多くのアブは人を刺すことはありません。
以下は実際に人を刺すことがあるアカウシアブ
アブにも様々な種類のものがいて、実に魅力的な虫たちなんですよ!
美しいハエ
ハエというと、汚いなど悪いイメージを持っている人も多いかと思います。
しかし実は、ハエの仲間には美しい姿のものも多い!
美しい姿のハエたち
僕はハエたちの姿を見て、その美しさに感動したことはたくさんあります。
先入観をなくし、身近なハエたちを見ると、実は魅力的な姿のものがたくさんいるんですよ!
双翅目(ハエ目)の昆虫たちはなぜ嫌われてしまうのか?
冒頭でお伝えした通り、ハエ目の昆虫たちは人間に嫌われがち。
彼らが嫌われる理由は以下のようなところでしょう。
・動物の糞に集まるなど汚いイメージがある
・食卓の食べ物に寄ってきて食事の邪魔をしがち
確かに上記のように人に害のあるものもいるし、状況によっては病原菌を媒介してしまうものもいます。
しかし、ハエ目の虫たちは多様であり、人を不快にさせるものばかりではありません。
また「糞などに集まるから汚い」というマイナスイメージも持たれがちですが、実は彼らが動物の糞などを食べて分解してくれるからこそ、僕らが快適に生活できるという面もあるのです。
このように、彼らにはとっても多くの種類がいて、それぞれが個性を持った生き物たちなのです。
彼らのことをよく知ると、嫌な面ばかりでないということに気付き、印象が変わるかもしれませんよ!
おわりに:双翅目(ハエ目)以外の魅力的な虫たちも楽しもう!
僕たちの身の回りには、他にも魅力的な虫たちがたくさん暮らしています。
以下の記事で色々な昆虫たちの魅力を紹介していますので、ぜひご覧ください!
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などができますので、こちらもぜひご活用ください。
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