林や森から大きな鳥の鳴き声がするんだけど…
これってどんな鳥の鳴き声なのかな?
こんな疑問にお答えします。
林から時折、大きな鳥の鳴き声が聞こえてくることがあります。
「ジェッ、ジェッ」という声、
「ビー、ビー、ビー」という声、
「ヒョイヒーヒョイヒーヒューヒューヒュー」と歌うような声。
もしあなたがその声の主の姿を見ていて、目に白いマークのある茶色い鳥であったら。
おそらく、その正体はガビチョウという、外来種の鳥です。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、ガビチョウの特徴と魅力を紹介します。
- ガビチョウは目の白いマークが特徴的な茶色い鳥
- ガビチョウの鳴き声
- ガビチョウが薮(やぶ)が好き
- ガビチョウは飼い鳥が逃げ出した外来種
- ガビチョウに関連する鳥たち
- ガビチョウと同じ分類に属する鳥たち
- おわりに:ガビチョウの特徴的な鳴き声を確認してみよう!
ガビチョウは目の白いマークが特徴的な茶色い鳥
ガビチョウは体全体が茶色い鳥で、目にある白いマークが特徴的です。
目の白いマークが特徴的なガビチョウ
体はムクドリやツグミと同じくらいの大きさ。
後述しますが、割と派手な行動をするので存在感があります。
ガビチョウの鳴き声
大きなやかましい声
ガビチョウの鳴き声は、かなりインパクトがあります。
一言でいうと、「やかましい」です。
理由は以下の通り。
・群れていることが多いので、声の総量も大きくなりがち
・「ビー、ビー、ビー」とわめくように鳴くことがある
特にさえずりは「ヒョイヒーヒョイヒーヒューヒューヒュー」と歌うような鳴き声で、複雑かつ1節が長いので、耳に残ります。
林や森の中から聞こえるうるさい鳥の鳴き声の正体
ガビチョウの声はとにかく大きい。
その大きさはというと、他の鳥たちの声がかき消されるほど。
森から離れた位置にいても、「あ、ガビチョウだ」と分かるくらいの声なので、森の中では特に目立ちます。
「森の中から大きな鳥の声が聞こえる!」と思うような鳴き声の正体は、ガビチョウかもしれません。
でも、彼らの歌うような複雑な鳴き声は、歌う側としてはとっても大変で難しいだろうな、とも感じます。
彼らに出会ったら、ぜひその複雑なメロディーをよく聴いてみてください。
ガビチョウが薮(やぶ)が好き
ガビチョウは林や森のやぶのような環境が好き。
やぶの中から、ガサガサ言う音が聞こえたら、ガビチョウの可能性があります。
やぶの中を好む鳥は、ウグイスやルリビタキなどもいますが、ガビチョウはもっと大胆な感じに移動します。
他の鳥は「カサカサッ」と言う感じなのに、ガビチョウは「ガサガサッ」という感じ。
また、「ジェッ、ジェッ」と言う地鳴き(さえずりでない素の鳴き声)も特徴的。
姿は見せると、「やっぱりガビチョウだった」と言うことが多い。
でも音は派手に出すくせに、姿が見られるとサササッとすぐに逃げ出します。
見つかるとすぐに逃げるなら、「もう少し見つかりづらいように動けばいいのに…」と感じます笑
ガビチョウは飼い鳥が逃げ出した外来種
特定外来生物に指定
ガビチョウはもともと日本に生息する鳥ではありません。
飼い鳥として輸入された個体が逃げ出し、または放たれて野生化してしまいました。
このように、人の手によって、もともと生息していなかった生物が野生化したものを外来種と言います。
さらにガビチョウは外来生物法で「特定外来生物」に指定されています。
特定外来生物は、外来生物の中でも生態系などへの影響が特に大きいとされる生物で、もっとも厳しい規制が掛かります。
飼育するのはもちろん、生きたまま持ち運ぶのもNGです。
広範囲に定着している
ガビチョウはすでに広く分布していて、九州〜東北まで分布しているようです。
僕も実際、北は宮城、南は福岡でガビチョウを見たことがあります。(声だけなら大分でも)
ガビチョウは主張が強いので存在確認しやすく、ガビチョウの声ばかりが聞こえる森、といった場所にもよく出くわします。
あれだけ幅をきかせていると、在来種への影響もかなりあるのではと感じます。
ガビチョウも被害者である
特定外来生物というレッテルがつくと、悪者のイメージを持ってしまうと思いますが、彼ら自信は何も悪くありません。
むしろガビチョウは被害者です。
彼らは自ら日本に来たわけではなく、なんとか生き抜こうとして日本という環境に適応しただけ。
そして頑張って適応すると、今度は持ち込んだ人間自身から追い払われるという、とても残酷な道を強いられているのです。
とはいえ、「人間が悪い」とだけ言っていても何も解決しません。
大切なのは、これ以上被害を増やさないために、過去の過ちから得られた経験・知識を活かすこと。
僕たち個人にできることだって、以下のようにたくさんあります。
・状況が変わってどうしても飼えない状況になっても、逃がさない(※)
・友人・知人の知らない人に情報共有してあげる
※ ペットが飼えなくなった時の対応について、自治体ごとに指針を出していることがあるので、住んでいる場所の自治体のホームページをご確認ください。以下は大阪市の例です。
また僕がこうやってブログで情報発信しているのも、個人でできることの1つです。
それぞれの地域には、その地域の特性に合わせて、多様で魅力的な生き物たちが暮らしています。
今後も土地土地固有の生き物たちが見られる状態を、残していきたいです。
ガビチョウに関連する鳥たち
日本にいる他のガビチョウ
実は日本で外来種になってしまっているガビチョウは一種類だけではありません。
以下のカオジロガビチョウもその一種。
カオジロガビチョウ
顔の大部分が白くなっており、やはり声は大きく目立ちます。
ちなみに、僕は見たことはありませんが、他にもヒゲガビチョウ、カオグロガビチョウといったガビチョウもいるようです。
外来種のインコ
インコの外来種もいて、上のワカケホンセイインコは東京でも見られます。
というか、僕の家のベランダから見られれることもあります。
緑の羽衣のような羽を持つ、とっても綺麗な鳥なんです。
できれば異国である東京ではなく、彼らが本来暮らす場所で観察したいものですね。
ワカケホンセイインコについては、以下で紹介しています↓
ガビチョウと同じ分類に属する鳥たち
ガビチョウはスズメ目チメドリ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[スズメ目]
スズメ目の野鳥まとめ|美しい声を持つ鳥類最大のグループ
▼
[チメドリ科]
おわりに:ガビチョウの特徴的な鳴き声を確認してみよう!
特定外来生物に指定されていますが、鳥自身の魅力とは関係がありません。
ガビチョウはとても個性的で面白い鳥です。
林や森の中でやかましい声が聞こえたら、彼らの姿や行動に注目してみてください!
そのほかのおすすめ鳥紹介記事↓
■ アオバト
他の鳥の紹介、鳥ゲーム・アプリ、野鳥観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓