あ、真っ白なはねのチョウがいるよ!
このチョウってどんなチョウ?
こんな疑問にお答えします。
写真のチョウは、ウラギンシジミ。
ウラギンシジミは「真っ白なはね」が特徴的なチョウです。
しかし彼らがはねをひらくと、その真っ白な姿とはギャップのある美しい姿が見られます。
しかも、"オスとメスでその模様(紋)が異なる"という、面白い特徴を持つチョウなのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ウラギンシジミの特徴と魅力を紹介します。
ウラギンシジミは真っ白なシジミチョウ
名前の由来となった裏ばね
ウラギンシジミは「チョウ目シジミチョウ科」というグループに属するチョウ。
「真っ白な裏ばね」が特徴的なシジミチョウです。
真っ白な裏ばねを持つウラギンシジミ
このはねの色は、名前の由来にもなっています。
白い裏ばねが銀色に見立てられて、「ウラギン=裏銀」となっているのです。
シジミチョウらしくない姿
ところで僕は最初にウラギンシジミを見た時、「シジミチョウっぽくないな」と感じました。
なぜなら、他のシジミチョウの仲間ははねに丸みがあって、かわいらしいイメージが強いからです。
例えば都会でもよく見るヤマトシジミも、丸みのあるかわいらしいはねを持ちます。
多くのシジミチョウははねに丸みがある(以下はヤマトシジミ)
それに対してウラギンシジミは、はねの形が角張っており、体も大きめ。
ヤマトシジミのはねの長さ(前翅長)は9〜16ミリくらいですが、ウラギンシジミは19〜27ミリくらいあります。
なんと、ヤマトシジミと比べて2倍近くの大きさがあるのですね。
また、後ほど紹介するようにオスとメスで姿が全然違ったり、幼虫の姿も特徴的。
このように、ウラギンシジミは他のシジミチョウとは異なる特徴を持つ、ユニークなシジミチョウなのです。
ウラギンシジミは表ばねも美しい
ウラギンシジミの裏ばねも純白の美しい姿ですが、彼らははねをひらいた「表ばね」の姿もまた美しいです。
オレンジ色の紋を持つウラギンシジミ
「鮮やかなオレンジ色の紋」がとっても美しいですよね!
他のシジミチョウの仲間は、青や緑色に輝く紋を持つものが多いのですが、ウラギンシジミのように暖色系の紋を持つものは少ないです。
なお、このオレンジ色の紋を持つのはオス。
メスは紋の色が異なり、白色なのです。
メスは白色の紋を持つ
白の紋も、これはこれで綺麗ですよね!
ちなみに先ほど少し触れた通り、鮮やかな表ばねを持つ別種のシジミチョウたちがいますが、彼らは朝の活動し始めの頃しかはねを開かないことが多い。
そのため、なかなかその美しい姿が観察できないことが多いです。
一方で、嬉しいことにウラギンシジミは割とはねをひらく頻度が高い。
その上に、地面など低い位置ではねをひらいてくれることが多く、その美しい紋を観察しやすいシジミチョウなのです。
しかし、1点だけ問題があります。
それはウラギンシジミははねを目一杯に広げることは少なく、半開き状態のことが多いこと。
少しずつはねをひらいてくれることもあるので、はねを広げ始めたら、開いてくれるまでじっと我慢して観察しましょう!
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ウラギンシジミの幼虫も面白い
ウラギンシジミは、幼虫も特徴的な姿をしています。
それが、こちら。
ウラギンシジミの幼虫
目のような突起が飛び出ていて、ナメクジみたいな姿です。
でもこの目のようなものがあるのは、おしり側。
顔があるのは、突起のついていない方です。
このウラギンシジミの幼虫の食草は、マメ科の植物で、クズ、フジなどの葉を食べます。
先ほど紹介した写真も、クズの上で見つけたもの。
クズは、林縁や住宅地近くでも見られる身近な植物です。
秋の七草でもあるクズ
クズは「秋の七草」に含まれる植物で、大きくて華やかな花を咲かせます。
クズがあるところでは、秋にはこの美しい花に加えて、美しいウラギンシジミも見ることができる可能性があるのですね。
もしクズを見つけたら、ぜひクズに集まっているチョウや幼虫達にも注目してみてください!
ウラギンシジミと同じ分類に属する虫たち
ウラギンシジミはチョウ目シジミチョウ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[シジミチョウ科]
シジミチョウの種類と魅力|シジミ貝のようなはねを持つかわいい蝶たち
おわりに:ウラギンシジミのはねを観察してみよう!
ウラギンシジミは、表ばね・裏ばね、オス・メスと明らかな違いがあって、はねの観察がとっても面白いです。
記事内でも紹介した通り、身近な場所でも見られるチョウなので、ぜひその特徴的なはねを観察してみてくださいね!
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