薮の中からかわいい小鳥が出てきた!
この鳥ってどんな鳥?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥は、アオジ。
黄色味の強い緑色の姿をした、かわいい小鳥です。
アオジは多くの場所では冬に身近な場所で見られる鳥ですが、冬は鳥たちのさえずりを聞くことはできません。
そのためアオジのさえずりを聞く機会はあまりありません。
しかし、夏は北海道など日本北部の低地で見られるので、癒しの美しいさえずりを聞くこともできる鳥なんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、アオジの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
- アオジは緑色のかわいい小鳥【オスはサングラス模様が特徴的】
- アオジ(青鵐)の名前の意味
- アオジの季節による見られる場所の違い
- アオジが薮の中から出てきてくれると嬉しい
- アオジの美しいさえずり
- アオジに関連する鳥たち
- アオジと同じ分類に属する鳥たち
- おわりに:アオジの行動を観察してみよう!
アオジは緑色のかわいい小鳥【オスはサングラス模様が特徴的】
アオジは「黄色味の強い緑色」をした、かわいらしい姿の小鳥です。
オスとメスで少し姿が異なり、オスは目の周りにサングラスのような黒い模様があります。
アオジ オス
アオジ メス
アオジ(青鵐)の名前の意味
アオジは漢字で「青鵐」と書きます。
「青」という漢字が使われていますが、生き物の名前は緑色のことを「アオ」と表現することがよくあります。
青信号の緑色のことを「青」と呼ぶのと同じです。
ちなみに一般的な青色を表現をする時は「瑠璃(ルリ)」を使うことが多いです。
ではアオジの「ジ」はどのような意味なのでしょうか?
アオジの「ジ=鵐」はシトドと読み、「ホオジロ類」という意味。
アオジは「スズメ目ホオジロ科」というグループに属する鳥だからです。
ホオジロ科には、"オスの頭部が特徴的な鳥"が多くいるグループです。
ホオジロ
ということで、アオジ=「緑色のホオジロ類」という意味になるのです。
アオジの季節による見られる場所の違い
関東の平地では冬鳥
アオジは関東の平地では、冬に見られる冬鳥。
晩秋頃(10月後半〜11月初め)から見られるようになります。
秋〜冬に関東でアオジを見る時は、足元や草やぶなど低い位置にいることが多いです。
北海道では夏鳥
一方、夏は本州中部以北の山地や、北海道で過ごします。
僕は夏の時期に何度か北海道で探索をしましたが、北海道では平地でもアオジにたくさん出会えます。
が、北海道では樹の高い位置にいることが多い。
木の高い位置に止まるアオジ
関東で上記のような位置に止まっているのは、カワラヒワのイメージが強い。
木の高い位置に止まりがちなカワラヒワ
なので、北海道では「アトリ科の仲間かな?と思って見たら、アオジだった」なんてこともよくありました。
このように、冬に見るアオジの行動との違いが見られるのも興味深いですよね。
生活する時期や場所によって、行動が変わるのも野生動物たちの面白いところですね!
アオジが薮の中から出てきてくれると嬉しい
先述した通り、冬に関東で出会うアオジは草やぶなどにいることが多いです。
特に渡ってきたばかりの秋ごろの時期は警戒心が強い。
草やぶや茂みから、「チッ」「ジッ」という声は聞こえるのですが、なかなか姿を見せてはくれません。
でもだからこそ、そんな彼らが薮から出てきてくれた時は、とっても嬉しい!
薮から出てきてくれたアオジ
また真冬になって年明けくらいの時期になると、人前に出て、地面にある食べ物をよくついばむようになります。
公園など人通りの多い場所でも、比較的近い距離でその姿を見ることができます。
冬の後半は彼らをじっくり観察できるチャンスなので、藪の近くを歩く場合は鳥に注意を払ってみてください!
アオジの美しいさえずり
野鳥はさえずりは、基本的に繁殖期である「夏」に聞くことができます。
アオジも同様に、さえずりが聴けるのは夏です。
多くの地域ではアオジは冬に見られるので、彼らのさえずりを聴く機会はあまりありません。
しかし、彼らのさえずりもとっても美しいです。
「チョッ、ピッ、チョッ、チリリー」と、高めの声で短い節で切ってさえずります。
野鳥のさえずりは、「にぎやか」「気分が高揚する」というようなものも多い。
※鳴き声は動画版で聞くことができます▼
しかし、アオジのさえずりは鈴の音を聴いているような、なんだか心が落ち着く歌なのです。
このアオジの鳴き声はどこで聞けるのかというと、「東北より北」であれば低地で夏にアオジに出会うことができます。
僕は北海道では、夏にアオジのさえずりを聞いた経験が多いです。
夕方の時間帯の、周りが静まった広大な湿原。
そこでアオジの澄んださえずりを聴いた時は、めちゃめちゃ癒し効果がありました。
北海道でさえずっていたアオジ
ちなみに、関東に冬にやってきたアオジは、春先まで滞在します。
彼らは春先になると「ぐぜり」という行動を取ることがあります。
ぐぜりとは、さえずりを練習している時の鳴き声。
未完成ながら、実は関東でもアオジの鳴き声を聴くことができるのです。
春先の時期(3月後半以降〜)には是非、アオジがぐぜっている姿も探してみてください!
アオジに関連する鳥たち
スズメに似た鳥
アオジはスズメと間違えがちな鳥の1種です。
近くで見るとそれほど似ていないようにも見えますが、
・大きさが同じくらいであること
・色味が近い
ため、遠目で見ると意外と見間違えがちなのです。
アオジ以外にも、スズメに似た野鳥たちはたくさんいます。
そんな「スズメに似た野鳥たち」は、以下の記事で紹介しています↓
アオジと同じ分類に属する鳥たち
アオジはスズメ目ホオジロ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[スズメ目]
スズメ目の野鳥まとめ|美しい声を持つ鳥類最大のグループ
▼
[ホオジロ科]
ホオジロ科の野鳥の種類と特徴|オスの頭部が個性的!サングラスから白黒頭まで
おわりに:アオジの行動を観察してみよう!
アオジは公園のほか、林や農耕地など、草藪があれば幅広い環境で見られる野鳥です。
また、移動すれば国内でもさえずりが聞くことのできる鳥。
身近な場所で観察するのも良いですし、機会があれば北海道など繁殖地でも観察してみてくださいね!
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