あ、モンシロチョウだ!
モンシロチョウって、何でこんなに身近な場所で見られるの?
こんな疑問にお答えします。
身近なチョウの代表種の1種、モンシロチョウ。
白いチョウと言うと、真っ先に思い付くチョウですよね。
このモンシロチョウ、身近過ぎてあまりよく観察する方は多くないかもしれません。
でも、その純白のはねは、色とりどりの花と組み合わさることでとっても写真映えするチョウです。
さらに彼らは農耕地でよく見られるチョウ。
彼らがそのような場所で生活するのは、他の多くの虫にはないある能力が関係しているのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、モンシロチョウの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
- モンシロチョウは純白のはねが美しい【背景との組み合わせで写真映え】
- モンシロチョウが身近に見られる秘密
- モンシロチョウは毒を克服したすごいチョウ
- モンシロチョウに関連する虫たち
- モンシロチョウと同じ分類に属する虫たち
- おわりに:モンシロチョウの純白のはねを観察してみよう!
モンシロチョウは純白のはねが美しい【背景との組み合わせで写真映え】
モンシロチョウと言えば、その純白のはねが最大の特徴。
純白のはねを持つモンシロチョウ
その真っ白なはね単体でももちろん美しいのですが、魅力を最大限発揮するのが、花たちとのコラボレーション。
そう、目立つ模様のない真っ白なはねだからこそ、他の色(花)との組み合わせが映えるのです。
モンシロチョウは色々な花の蜜を吸いますが、集まる花によってその風景の印象が大きく変わります。
黄色い花(タンポポ)にやってきたモンシロチョウ
ピンク色の花(シソ科)にやってきたモンシロチョウ
このように、花の種類ごとに色々な写真映えを見せてくれます。
さらにモンシロチョウが写真映えするのは、花のような華やかなものとの組み合わせだけではありません。
逆に背景が寂しい場所でも、モンシロチョウの真っ白なはねはその場に彩りを与えてくれます。
枯れ草にいたモンシロチョウ
上記のように、モンシロチョウは殺風景な場所も美しい景色に変えてくれます。
むしろ背景が暗めの場所の方が白いはねが際立ち、モンシロチョウならではの絵になるかもしれません。
このように、モンシロチョウの魅力は、背景によって無限大に変化するのです!
モンシロチョウが身近に見られる秘密
人に近い場所に生息する
モンシロチョウは身近なチョウです。
例えば農耕地や公園、草地など、明るい環境が好き。
林縁で見かけることもありますが、林の内部のような暗い場所では見かけません。
上記のように、「人間に近い場所に生息する」ということがモンシロチョウが身近に感じられる理由の1つかと思います。
活動期間が長い
生息場所以外にも、モンシロチョウを身近に感じる理由があると、僕は思います。
それは、活動期間が長いこと。
なんとモンシロチョウは、冬以外の季節すべてで成虫の姿を見ることができるのです。
僕が今まで観察した中でも、3〜11月まで成虫を観察した記録があります。
チョウには夏の時期しか見ることのできないものもいて、例えば日本の国蝶オオムラサキは夏の時期しか見られません。
夏にしか見られないオオムラサキ
ならばモンシロチョウの成虫の寿命はそんなに長いのでしょうか?
実はモンシロチョウの成虫の寿命は、10日程度と言われています。
この短い命では、季節をまたぐことはできないですよね。
ではなぜ、モンシロチョウを季節をまたいで見ることができるか。
その秘密は、世代交代の回数にあります。
年に何度も世代交代する
モンシロチョウは年に5〜6回世代交代します。
なので、季節ごとに別の世代の成虫がいるイメージ。
例えば、同じ場所で春と秋にモンシロチョウを見たとしたら、秋に見たモンシロチョウは、もしかしたら春に見たモンシロチョウの孫やひ孫かもしれないのです。
モンシロチョウの世界では、人間の何百倍ものスピードで世代交代しているのです。
同じ場所でも季節を変えて訪れることで、「この子は前に見たあの子の子供かな?」と世代を超えた再会を楽しむことができる。
そんな命のサイクルを愛しむことができるのも、モンシロチョウ観察の醍醐味です。
モンシロチョウは毒を克服したすごいチョウ
幼虫はアブラナ科の植物を食べる
モンシロチョウは農耕地などでよく見かけると紹介しました。
実はそれにも、理由があります。
それはモンシロチョウの幼虫が、キャベツやブロッコリーなど、畑によくあるアブラナ科の植物を食べること。
ブロッコリーの花
アブラナ科というと、他にカラシナ、クレソン(オランダガラシ)、ワサビなど、独特の苦味や辛味があるものが多い。
実はこのアブラナ科の苦味や辛味成分は、虫たちにとっては毒になってしまうものもあるのです。
そのため、アブラナ科の植物はあまり虫に食べられません。
しかし、この毒を克服した虫がいます。
その虫が、モンシロチョウなのです。
この能力を持つおかげでアブラナ科の野菜をムシャムシャと食べることができ、結果的に農耕地でモンシロチョウをよく見かけるのですね。
ちなみに余談ですが、虫たちがえさとして食べる植物を食草または食樹と言います。
食草・食樹について詳しくは以下をどうぞ↓
モンシロチョウに関連する虫たち
スジグロシロチョウ
モンシロチョウによく似たシロチョウ科のチョウに、スジグロチョウがいます。
スジグロチョウは、名前の通り黒い筋が入ったシロチョウ。
黒い筋が特徴のスジグロシロチョウ
この姿からは、モンシロチョウとあまり似ていないと思うかもしれません。
しかし、上の写真は春に羽化したスジグロシロチョウ。
彼らは実は、夏に羽化すると、モンシロチョウそっくりな姿になるのです。
夏のスジグロシロチョウ
見分けのポイントはやはり、スジグロシロチョウには黒い筋の名残があること。
それと見られる場所にも違いがあって、モンシロチョウは明るい場所を好みますが、スジグロシロチョウは林縁のような環境で見られることが多いです。
イモムシ・ケムシ(チョウ・ガの幼虫)
チョウたちの幼虫は、他にも面白い姿のものがたくさん!
そんな幼虫たちは以下で紹介しています↓
モンシロチョウと同じ分類に属する虫たち
モンシロチョウはチョウ目シロチョウ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[シロチョウ科]
花との組み合わせで写真映えする蝶たち!シロチョウの種類と魅力
おわりに:モンシロチョウの純白のはねを観察してみよう!
モンシロチョウは背景によって様々な美しさを見せてくれるチョウ。
ぜひ色々な場所で彼らを観察して見てくださいね!
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