足に木の実を挟んでつついてる器用な鳥がいる!
この鳥ってどんな鳥?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥の名前は、ヤマガラ。
足に木の実を挟んでつつくなんて、とっても器用ですよね!
かつては、その器用さを活かして芸をする鳥として、馴染みのある鳥だったようです。
今では鳥獣保護法で野鳥の捕獲・飼育が禁止になったので、ヤマガラが芸をする姿は見られません。
でも、野生の中での彼らの魅力的な行動を観察することは、今もこれからもできますよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、ヤマガラの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
- ヤマガラはオレンジ色のかわいい小鳥
- ヤマガラは器用な鳥【木の実をつつく姿が器用すぎる】
- ヤマガラの芸
- 手乗りヤマガラの問題
- ヤマガラは留鳥または漂鳥
- ヤマガラの亜種
- ヤマガラに関連する鳥たち
- ヤマガラと同じ分類に属する鳥たち
- おわりに:ヤマガラの器用さを観察してみよう!
ヤマガラはオレンジ色のかわいい小鳥
ヤマガラは「スズメ目シジュウカラ科」というグループに属する鳥。
オレンジ色の体が印象的な、可愛らしい小鳥です。
オレンジ色の小鳥、ヤマガラ
「〇〇カラ」という名前の小鳥たちをカラ類と呼びますが、ヤマガラもカラ類の仲間です。
ヤマガラは「鳴き声」もかわいい鳥です。
カラ類の多くは「ツー」や「ピー」といった高い音で鳴きますが、ヤマガラもこのような音を組み合わせた声を出します。
ヤマガラの鳴き声は「ツーツーピー」「ニーニーニー」と、音を伸ばす感じ。
特に「ニーニーニー」は特徴的。
近くでこのような声が聞こえたら、木の枝の上にいる鳥などに注目してヤマガラを探してみましょう!
※鳴き声は動画版で聞くことができます▼
ヤマガラは器用な鳥【木の実をつつく姿が器用すぎる】
ヤマガラは姿や声以外にも、とっても特徴的な能力があります。
それは、とっても「器用」なこと。
ヤマガラは雑食性であり、「昆虫類」のほかに「植物の実」も食べますが、この植物の実を食べる姿にその器用さを垣間見る事ができます。
その姿が、こちら。
木の実をつつくヤマガラ
小さな実を両足で固定して、木の実の殻をつついています。
しかもそれをやる場所は、細い木の枝の上。
多少風が吹いて枝が揺れても、うまくバランスをとってつつく行動を続けます。
ヤマガラを観察しているとよくこの姿をみるのですが、その器用さにはいつも驚かされます。
他のシジュウカラ科の仲間もこのような行動を取ることはありますが、僕が観察している中ではヤマガラがこの行動をしていることが特に多い。
僕の写真を振り返ると、ヤマガラを撮影した時の5回に1回くらい、木の実割りをしている写真がありました。
このように、同じグループの中でもヤマガラは特に器用な鳥なのではないかと思います。
ヤマガラの芸
鳥獣保護法で野鳥の捕獲・飼育が禁止になる前の時代の日本では、ヤマガラに「芸」を仕込む文化があったとのこと。
「おみくじ引き」という芸は、硬貨をお賽銭箱に入れ、社の扉を開けて中のおみくじを取ってくる、というものです。
これだけでも十分に複雑な芸ですが、他にもさらに高度な芸があったようです。
いやー、ヤマガラの器用さには感服しますね。
おみくじ芸はかつて神社などで普通に見られたようで、かつてヤマガラは日本人にとってとても身近な鳥だったのだと思います。
手乗りヤマガラの問題
今でも場所によっては、「人馴れしたヤマガラ」がいることがあります。
そんな場所で手を差し出してみると、なんとヤマガラが手乗りしてくることがあります。
手乗りヤマガラ
こういう場所では普段からヤマガラが「餌付け」されている可能性があります。
普段野鳥に触れる機会などないので、彼らが自ら近付いてくれるのはとっても嬉しいですよね。
でも実は餌付けというのは、鳥たちにとって良くない影響を与えてしまう可能性もあります。
例えば、
→ 野生動物としての生存能力に影響を与える
・餌やりによって個体数が増える
→ 糞や騒音問題で結果的に厄介者扱いされてしまう
など。
前者の例をもう少し言うと、餌付けをした野鳥が「渡り鳥」である場合、法律で鳥が保護されていない国に渡った時など、人間への警戒心の薄さは文字通り命取りになります。
ただ、施設や団体によって適切に管理されている時など「餌付け=全て問題がある」とは言えないと思います。
僕たちが気を付けたいのは、「餌をあげると鳥が喜ぶから、近付いてきてくれるから」などの理由で餌をあげてしまうこと。
鳥が喜ぶと思ってした行為が、「むしろ鳥を苦しめてしまう」というのは悲しいものです。
僕自身知識がなく、野生動物によくないことをしてしまったこともあり、そんな時は反省をして同じことを繰り返さないようにしています。
最初から全てのマナーや影響を把握して行動するのは難しいと思うので、
・生き物たちへの配慮を心がけること
が大切ではないかと、僕は思います。
ヤマガラは留鳥または漂鳥
野鳥は季節によって遠距離移動する鳥(=渡り鳥)がいますが、ヤマガラは留鳥または漂鳥。
つまり、遠距離移動しない鳥です。
1年中同じ場所か、移動しても付近の山と平地程度の移動範囲で生息しているのです。
ヤマガラの亜種
遠距離移動をせずに地域に根ざす生活をする留鳥は、地域ごとに独自の進化を遂げやすく、ヤマガラも例外ではありません。
例えば、本州にいるヤマガラと離島にいるヤマガラは交わることがないので、それぞれの環境に適応した形態・行動をするように分岐していくのですね。
というわけでヤマガラは日本でも色々な亜種が存在します。
その中でも、見た目上特に違いが大きいのが、以下のオーストンヤマガラという亜種。
伊豆諸島に生息するオーストンヤマガラ
体の色が全体的に濃く、本州のヤマガラとはかなり印象が違います。
このように、地域ごとにご当地ヤマガラがいる点も、ヤマガラの面白いところですね!
ヤマガラに関連する鳥たち
カラ類
ヤマガラが属するカラ類。(上の写真はヒガラ)
ちなみにヤマガラはオレンジ色が特徴的なので、白・灰色姿の多いカラ類の中ではかなり目立つ存在です。
その他のカラ類についても以下で紹介していますので、ぜひご覧ください↓
ヤマガラと同じ分類に属する鳥たち
ヤマガラはスズメ目シジュウカラ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[スズメ目]
スズメ目の野鳥まとめ|美しい声を持つ鳥類最大のグループ
▼
[シジュウカラ科]
おわりに:ヤマガラの器用さを観察してみよう!
ヤマガラはとっても器用な小鳥。
その器用さが見られるのが、木の実をつつく姿。
夏は山に移動しているヤマガラも冬は平地に戻ってくるので、ぜひ木の実をつつく姿を観察してみてくださいね!
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