うわー、かっこいいツノ!
昆虫たちは、他にどんなかっこいい武器を持っているの?
こんな疑問にお答えします。
上の写真はカブトムシ。
あのかっこいい姿には、僕も子供の頃からずっと魅せられてきました。
昆虫たちはとっても多様な生き物で、実はカブトムシ以外にもかっこいい武器を持つものがたくさんいます。
そんな彼らの武器は姿だけでなく、使い方や役割、虫の習性との関係性を知ることで、さらに深く・面白くなります。
そうすると、昆虫たちとの出会いと観察がより楽しくなるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、昆虫たちのかっこいい武器の種類と魅力を紹介します。
昆虫のかっこいい武器まとめ
カブトムシ(大きなツノ)
カブトムシは「昆虫の王様」と呼ばれるほど、かっこよくて人気の昆虫です。
カブトムシの武器といえば、やはりその「大きなツノ」。
このツノを使って、相手を遠くに投げ飛ばすという、荒々しい技を持っています。
でもその技を繰り出すことができる秘密は、強靭な足腰と首の筋肉。
カブトムシにガシッと掴まれると、手で離そうとしてもなかなか取れないですよね。
カブトムシの大技は、彼らの身体能力が揃ってこそ成せる技だったのです。
カミキリムシ(強力なあご)
カミキリムシも、僕が子供の頃から大好きな虫でした。
彼らの最大の武器は、「強力なアゴ」。
そのアゴの強さはというと、固い樹木にも穴を開けることができるほどなのです。
カミキリムシの強力なアゴ
カミキリムシは幹に穴を開けて木の中に産卵をします。
幼虫が樹木の内部を食べることによって樹木を枯らしてしまうこともあり、そのためカーデニングをしている方や農家の方からは嫌われがちな虫でもあります。
紹介した写真はゴマダラカミキリという種ですが、カミキリムシにはたくさんの種類がいます。
樹種によって集まる種類が違う他、花に集まるものもいるので、ぜひ色々なカミキリムシを探して観察してみてください!
スズメバチ(強力な毒針)
ご存知の方も多いと思いますが、スズメバチの武器は「強力な毒針」。
その強力な毒は、人の命を脅かすこともあるほど強力です。
この毒針は、産卵管という部分が変化したものであり、毒針はメスのみが持っています。
また彼らは「社会性」を持ち、群れの中で役割が分かれている虫たちです。
スズメバチには「働きバチ」の役割を持つものがいて、彼らは巣と女王バチを守ることこそが最重要ミッションです。
彼らはそのミッションを守り抜くため、兵隊のように命をかけて敵と戦います。
この役割分担の習性こそが、スズメバチの攻撃性を高める理由となっているのです。
カメムシ(におい)
カメムシのイメージというと、「臭いにおい」ではないでしょうか。
実際、このにおいはカメムシたちにとっての武器として機能しています。
ちなみにこのにおいは常に出しているわけではなく、普通に止まっているカメムシに鼻を近付けても、大抵の場合まったく臭くありません。
ではどういう時にそのにおいを発するのかというと、それは「身の危険を感じた時」。
例えば手で彼らのことをつかもうとすると、その臭いにおいを出します。
実はこのにおいはただ敵に攻撃するだけでなく、「ここは危ないから逃げろ!」と仲間に危険を知らせる効果もあります。
また、逆ににおいで他のカメムシを集めることもできるのだとか。
そう、カメムシはにおいを仲間とのコミュニケーションに使っているのです。
カメムシのにおいは、僕たち人間でいう声やジェスチャーと同じような役割を持っているのです。
カマキリ(大きな鎌)
大きくて迫力のある武器を持つ虫、カマキリ。
カマキリの目立つ武器というと、その「大きな鎌」ですよね。
カマキリの「カマ」の名前の由来も、やはりその鎌です。
カマキリは生粋のハンターというべき虫で、習性も攻撃に特化しています。
例えばカマキリは植物の葉に似た姿をしていますが、これは獲物に気付かれずに待ち伏せ型の狩りをするのに役立つと言われています。
多くの生き物の擬態は自身の身を守るために使いますが、カマキリの場合は攻撃を有利にするための擬態なのです。
ちなみにこのタイプの擬態を「ペッカム型擬態」といいます。
・一度引っかかると獲物を逃しにくい形状
こんな特徴を持つ大鎌は、待ち伏せ型の狩りをするにあたって有効な武器になっていると思われます。
このように、とにかく攻撃に特化したカマキリの武器や習性に注目です!
トノサマバッタ(ジャンプ力と相変異)
トノサマバッタは、殿様の名を持つバッタですが、名前負けしないだけの強力な能力を持っています。
まずはその「ジャンプ力」。
なんと彼らは50m以上は難なくと飛び、なんと100m以上を飛ぶこともできます。
その飛行距離は、他のバッタとの識別ポイントにもなるほどです。
また彼らには「相変異」という恐るべき能力も持ちます。
トノサマバッタは幼虫時代の生活環境によって、体が変化し、さらにはその性格まで変化するというもの。
僕らが普段見ているのは「孤独相」であり、「群生相」になると以下のようになります。
・はねが長くなり、飛行距離が長くなる
・攻撃性が高くなる
・群れて行動するにようになる
群生相になった彼らはえさに飢えた状態になり、その場の植物を食べ尽くし、食べ尽くしたらまた次へと移動します。
こうなると農家の方々にとって、トノサマバッタの襲来は大打撃。
彼らが集団でやってきて植物を食べ尽くす行動は「蝗害(こうがい)」と呼ばれ、災害の1つとして人々に恐れられていた程でした。
このように、トノサマバッタはかっこいい虫ですが、昔から人々に恐れられていた虫でもあったのです。
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おわりに:虫たちのかっこいい武器を見てみよう!
かっこいい武器を持つ虫たちはたくさんいます。
しかも、今回紹介した虫たちは身近に見られるものばかり。
他にも魅力的な武器を持つ虫たちはたくさんいるので、ぜひ色々な虫たちを観察してみてください!
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