枝が動いた!
この木の枝って、もしかして虫?
こんな疑問にお答えします。
この木の枝のように見えるものは、ナナフシという昆虫。
ナナフシは木の枝に似た姿をしていることで有名な虫。
僕も子供の頃から、「ナナフシ=木の枝に似た姿の虫」ということは知っていました。
こんな面白い虫のナナフシは実は一種類ではなく、色々な種類のものがいるんですよ。
種ごとに特徴が違って、面白いポイントもまた違うのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ナナフシの特徴と魅力を紹介します。
ナナフシの魅力
ナナフシは、ナナフシ目ナナフシ科というグループに含まれる虫たち。
僕が思う、ナナフシの魅力は大きく2つ。
2. 巨大な姿とのっそりした動き
1. 代表的な擬態昆虫
ナナフシというと、「擬態」という習性を持つ代表的な昆虫です。
擬態とは、自分の体を似せることで敵や獲物から見つかりにくくする行動です。
擬態を使うことで、身を守ったり、狩りにおいて獲物に逃げられにくくする効果があります。
擬態について詳しくは以下の記事で紹介しています↓
この擬態は多くの生き物が使っていて、色々なものに姿を似せています。
その中でナナフシが何に擬態をしているかというと、それは「木の枝」。
木の枝によく似た姿のナナフシ
写真の通り、ナナフシは細長い体と枝の節のようなものがたくさんある姿を持っています。
そのため、上のような場所に紛れていると、注意深く見なければ完全に木の枝で、ナナフシのことを知らないと見つけるのは至難のわざです。
またナナフシには以下のような緑色の姿のものもいて、こちらは葉の上や緑の枝にいると見つけづらくなります。
緑色のナナフシ
ちなみに、ナナフシは危険を感じると腕を伸ばしてじっとするポーズを取ることがあります。
これは「枝になりきってやり過ごそう」と考えているのでしょう。
この仕草がなんとも可愛らしく、愛きょうを感じるのです。
2. 巨大な姿とのっそりした動き
ナナフシというと、細長い大きな姿も特徴的です。
大きな姿の虫というと、存在感が強くて強いインパクトを受けるケースが多いのですが、ナナフシの場合はちょっとイメージが違います。
枝に擬態しているためか動きは緩慢で、長い体と長い手足で巨人がのっそりと動くような様子は、なんだか可愛らしい印象の方が強いのです。
とはいえ、体のサイズはかなり大きく、初めて実物を見た場合はびっくりするかもしれません。
特に日本最大の大きさを誇るアマミナナフシは15cmほどもあり、動きには力強さも感じます。
日本最大のアマミナナフシ
※なんとiPhoneと同じくらいの大きさ!
攻撃されるわけでもないし、素早く逃げるわけでもない彼らは、ゆっくり観察できることも魅力です!
ナナフシの種類
ナナフシモドキ(ナナフシ)
一般的に「ナナフシ」と呼ばれているものは、このナナフシモドキのこと。
僕がよく探索するエリアでは、一番よく見かけるナナフシです。
他のナナフシたちと比べて触角が短いこと、が見分けポイントです。
ニホントビナナフシ
トビナナフシは、名前の通り飛翔できるナナフシのこと。
ナナフシモドキと違って、短いですがはねが見えます。
このニホントビナナフシはその中でもよく見られる種です。
ただ、僕は実際にトビナナフシが飛翔している姿は見たことがないので、いつか飛翔する瞬間を見てみたいです。
ヤスマツトビナナフシ
全身緑色のトビナナフシ。
なんだか目にも違いがあって、赤いクリクリしたように見える目があります。
そのためか、なんだかキャラクター感の強いイメージのある種です。
トゲナナフシ
他のナナフシよりも太くてごついナナフシ。
名前の由来となっている、背中のトゲトゲがかっこいいです。
他のナナフシたちとは違う、トゲのある枝に擬態しているのかも?
アマミナナフシ(オキナワナナフシ)
日本最大のナナフシで、15cmほどの大きさがあります。
名前に奄美とか沖縄とつくだけあって、南方でみられる種です。(上の写真は沖縄にて撮影)
ナナフシは全般的に動きがのっそりとしていますが、アマミナナフシは歩幅が大きいので割と素早く移動してしまいます。
おわりに:ナナフシの得意技「擬態」を観察しよう!
ナナフシといえば、やはり擬態。
彼らの名人級の擬態は、やはり実物を見るのが一番!
夏の森で葉っぱや枝に見えるものは、もしかしたら彼らが擬態した姿かもしれません。
ぜひ本物を見つけ出して、その面白い姿をじっくり観察してみてくださいね!
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