ギシギシの葉の上に青い虫がいる!
この虫って、どんな虫?
写真の青い虫は、コガタルリハムシという葉虫(ハムシ)の仲間。
ギシギシという植物の上でよく見られる、青いボディの美しい虫です。
彼らを観察できるシーズンは「春」。
季節が冬から春に変わる頃、真っ先に見ることのできる甲虫なんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、コガタルリハムシの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
- コガタルリハムシはギシギシにつく青い葉虫(ハムシ)
- コガタルリハムシはシーズンの始まりを告げる甲虫
- コガタルリハムシと同じ分類に属する虫たち
- おわりに:ギシギシの上のコガタルリハムシを観察してみよう!
コガタルリハムシはギシギシにつく青い葉虫(ハムシ)
ギシギシにつく青い虫の正体
川原に行くと、「ギシギシ」という大きな葉を持つ植物をよく見ます。
大きな葉を持つギシギシ
ギシギシは川原のほか、公園や道端のような身近な場所でも見られる身近な植物です。
そしてギシギシの葉を見ると、たくさんの"虫食い跡"が。
この虫喰い跡のある葉の上や裏などでよく見つかるのが、コガタルリハムシです。
ギシギシの葉で見つかる青い甲虫「コガタルリハムシ」
コガタルリハムシは、「コウチュウ目ハムシ科」というグループに属する昆虫。
ハムシ(葉虫)の仲間は、一生を特定の植物に寄り添って生活する虫たちです。
コガタルリハムシは、「ギシギシ」に寄り添って生活するハムシです。
ギシギシでは卵から成虫まで見られる
ギシギシにいるコガタルリハムシを探すと、色々な成長段階の彼らが見つかります。
成虫だけでなく、幼虫、卵と色々な段階の姿が観察できるのです。
コガタルリハムシの幼虫
というのも、彼らは幼虫も成虫も同じ植物を食べるため。
昆虫が食べる植物のことを「食草」と言いますが、コガタルリハムシの食草は幼虫も成虫も同じくギシギシなのです。
そのため、彼らは生まれるのもギシギシの上、生殖活動を行うのもギシギシの上。(蛹の段階だけは土の中に潜ります)
なのでギシギシの葉の上では、以下のように卵でパンパンにお腹を膨らませたメスの姿なども見ることができます。
お腹を膨らませたコガタルリハムシのメス
このようにギシギシの葉の上は、様々なコガタルリハムシの姿との出会いがある場所なのです!
コガタルリハムシはシーズンの始まりを告げる甲虫
春一番に見られる虫
コガタルリハムシは春一番(3月頃)から活動を開始します。
寒さが和らいできた頃に足元を見ると出会える彼らは、春の訪れを感じさせてくれます。
初春から出会えるコガタルリハムシ
この早い時期から活動する甲虫たちは多くありません。
そのため僕の中では、コガタルリハムシはシーズンの始まりを教えてくれる虫であり、とっても嬉しい虫です。
なので僕は彼らが出てくる時期になると、ついつい道端のギシギシの葉裏をめくって彼らを探すのに夢中になってしまいます。
一見何もないような場所でずっとしゃがみこんでいるものだから、道行く人に「何をしてるんですか?」と声を掛けられることも笑
コガタルリハムシは、「成虫だけでなく幼虫もいないかな?卵はどうかな?」とシーズン最初の虫探しを楽しませてくれる、有難い虫なのです。
夏になると見られなくなる
ところで虫というと、夏のような暖かい時期に見られるイメージが強いかと思います。
しかしコガタルリハムシの場合、逆に夏真っ盛りの頃には見られません。
彼らは春〜初夏頃まで活動し、生殖活動も行います。
そしてシーズン中に生まれた個体たちは、真夏がやってくる前に、次の年に備えて眠りに入るのです。
春にはギシギシの上でたくさん見られた彼らが、夏になると見られなくなってしまうのですね。
このように虫たちは観察できる季節が限定的な種類も多く、コガタルリハムシの場合は春限定で観察できる虫なのです!
コガタルリハムシと同じ分類に属する虫たち
コガタルリハムシはコウチュウ目ハムシ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[コウチュウ目]
甲虫目(コウチュウ目)の昆虫まとめ|頑丈なはねを持つ昆虫最大のグループ
▼
[ハムシ科]
ハムシ(葉虫)の種類と魅力|植物に寄生する昆虫たち。宝石のような姿の種も
おわりに:ギシギシの上のコガタルリハムシを観察してみよう!
コガタルリハムシは、春にギシギシの上でよく見られます。
足元の葉の上にいる小さくて美しい彼らを、ぜひ観察してみてください!
むし探しを体験できるゲームアプリも配信中!こちらもぜひ、遊んでみてください↓
■ 虫探しロールプレイングゲーム「むしマスター!3」
他の虫の紹介、虫ゲーム・アプリ、虫観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓