緑色のきれいなカモがいるよ!
でもよく見ると、頭の形が変?
こんな疑問にお答えします。
写真の緑色の頭がとっても美しいカモは、ヨシガモというカモの仲間。
派手な色の頭がとっても目立ちますが、よく見てみると随分変わった形をしています。
この頭の形がナポレオンの帽子に見立てられ、ヨシガモには「ナポレオンハット」という別名が。
というわけで今回は、美しくもユニークな特徴を持つヨシガモが主役です!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、ヨシガモの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
ヨシガモのナポレオンハット
頭の緑色の輝きは構造色によるもの
ヨシガモは派手でよく目立つ頭を持っています。
ナポレオンハットと呼ばれるヨシガモ
さらに、よく見てみるとその「頭の形」も随分変わっていますよね。
この頭の形がナポレオンの帽子に見立てられ、ヨシガモには「ナポレオンハット」という別名があるのです。
この美しい緑色の頭ですが、実はこの色の仕組みは色素によるものではありません。
これは「構造色」という光の反射によって見える色。
そのためこの美しい姿は、見る角度によっては輝き方が全く異なるのです。
いやむしろ実際に観察していると、緑色の輝きが見えるチャンスの方が少なく感じます。
実物に出会って、「想像していたよりも輝いていないなぁ」なんて思ったら、観察の仕方を変えてみると良いかもしれません。
観察する方向を順光になる角度に変えたり、天気の良い日に観察に行くことで、ヨシガモの美しさの真価を確認できる確率がアップします!
メスはナポレオンハットを持たない
とっても派手な印象のヨシガモですが、派手な姿を持つのはオスだけ。
メスは対照的に、以下のようなとっても地味な姿なのです。
地味な姿のメス
またヨシガモは、お尻部分の上の羽がカールしているのも特徴的。
オスほどではないですが、そのカール感はメスにも継承されています。
名前の通りヨシに生息
ヨシガモの名前は、ヨシの多いところで見られるから、という説が有力なようです。
実際、ヨシガモはヨシの生息する場所で見つかりやすいです。
僕が初めてヨシガモを見たのも、やはりヨシ原的環境でした。
ちなみに、ヨシガモは水上採餌ガモと呼ばれるグループに属し、水上でえさを探すタイプのカモです。
潜水採餌ガモと違って、潜水して長時間出てこないなんてことはないのですが、警戒するとヨシが茂る方へそそくさと移動していってしまいます。
ヨシガモは季節による姿の変化が面白い
飛来したての頃はまだナポレオンハットではない
多くのカモは秋の終わりに越冬地に飛来し、そこで春までの間で繁殖期に向けて準備をします。
オスのカモはメスにアピールするため、季節が進むにしたがって徐々に羽を入れ替えて行きます。
先ほどまで紹介してきたヨシガモたちは、繁殖期の装いモードになった姿(繁殖羽)。
実は飛来したての頃のヨシガモの姿は、以下のような姿なのです。
11月初旬に撮影したヨシガモ
今まで紹介してきた姿とは印象が違い、なんだかちんちくりんな姿ですよね笑
これが真冬になる頃にはこんな姿になるのです。
12月後半に撮影したヨシガモ
頭はナポレオンハットの形になり、カール羽も長く伸びて美しくなります。
このように、ヨシガモは季節が進むにつれて大きく姿が変化するのも魅力。
季節の移り変わりを楽しませてくれる鳥なのです!
ヨシガモとオカヨシガモの違い
ヨシガモとよく似た名前の「オカヨシガモ」というカモがいます。
名前はとってもよく似ていますが、その姿は随分異なります。
その噂のオカヨシガモの姿が、以下の姿。
オカヨシガモ
はっきり言ってしまうと、ヨシガモと比べてかなり地味な姿ですよね。
しかしながら、よく見るとオカヨシガモの姿もシックでとても美しいのです。
以下の記事では、もっと詳しくヨシガモとオカヨシガモの比較をしています↓
ヨシガモと同じ分類に属する鳥たち
ヨシガモはカモ目カモ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[カモ目]
カモ目の野鳥まとめ|水上生活に適応した美しい水鳥たち
▼
[カモ科]
鴨(カモ)の種類と魅力|カモは地味な野鳥ではない!実は個性的で面白い姿を持つ
おわりに:ヨシガモのナポレオンハットを見てみよう!
ヨシガモのナポレオンハットはとっても美しく、ユニークなので一見の価値アリです!
川やヨシ原、湖などの他、公園の大きめの池などで見られることもあるので、水辺があったらぜひ探してみてくださいね!
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