山の上に可愛い花がいっぱい咲いてる!
この花たちはどんな植物なの?
上の写真で花を咲かせているのは、高山植物。
山の樹林帯を抜けた草原や、岩地のような環境に住む植物たちです。
高山植物には、夏の間だけ期間限定で見られるという特徴があります。
登山シーズンは、美しい花を見に行く人もたくさんいて、大人気の植物なんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、高山植物の種類と魅力を紹介します。
高山植物とは
「日本高山植物保護協会」では高山植物を以下のように説明しています。
「高山植物」とは、高山帯で発生分化、進化し、そこが生活の本拠となっている植物のことを言います。
しかし、一般的にはこうした高山帯で発生分化した植物だけでなく、氷河時代に氷河の南下とともにやってきて現在まで高山帯に残っている植物も含めて「高山植物」と呼んでいます。
(中略)
たとえば、亜高山帯や低山帯に生活の本拠を持つ植物でも環境に応じ、本来の高山植物に混じって生活しているものも含め「高山植物」と呼ぶことが多いようです。
高山植物たちの魅力
高山植物が生育する環境はかなり過酷です。
高山というと、気温は低く風も吹きすさぶ過酷な環境。
さらにその中でも砂礫地や岩場のような、生物が暮らすにはさらに厳しいような場所を好むものもいます。
人間が登山するにも、雪が残っているため”山開きは6月以降”のようになっていることが多い。
このように高山では雪に覆われた期間が長く、植物が成長するのに適した暖かく過ごしやすい時期は限られています。
そのため、真夏の7〜8月頃の短期間で一斉に花を咲かせ、結実させる必要があるのです。
その代わりに高山植物の開花時期はこの時期に集中するので、シーズンは一面花だらけの光景が見られます!
高山の花畑
実際、高山植物たちは登山者に大人気で、高山植物の有名な山は夏のシーズン中は多くの登山者で賑わいます。
また高山は他の環境と分断されているので、高山植物にはその土地固有の種が多いというのも魅力です。
例を挙げると、以下は岩手県の早池峰山(はやちねさん)だけに生育する「ハヤチネウスユキソウ」。
ハヤチネウスユキソウ
この植物は他の高山では見られない種になります。
高山の登山はなかなか大変な場合も多いですが、頑張って樹林帯を抜けて高山植物が目の前いっぱいに広がる光景と出会えた瞬間は、まさに”感動”の一言です!
高山植物の種類
高山で見られる植物をいくつか紹介します。
ハクサンチドリ
折り紙の鶴のような形の花をつける。
尖った感じがなんだかカッコいい。
ミヤマオダマキ
園芸品種の「オダマキ」の原種となった植物。
シックな色味もあり、エレガントな雰囲気の花。
チングルマ
高山を代表するバラ科の白い花。
花が散った後も、綿毛が生えて以下のような面白い姿に。
チングルマの花が散った後
ホソバイワベンケイ
多肉植物のような姿の、ベンケイソウ科の植物。
厚くてぷっくりとした葉が可愛らしい。
ハヤチネウスユキソウ
岩手県の早池峰山(はやちねさん)の固有種。
岩地に生える大型の白い花はとっても美しい。
コマクサ
砂地などの厳しい環境で見られる。
「高山植物の女王」と呼ばれるこの花は、ピンク色の独特の形の花をつける。
おわりに:高山植物を観察してみよう!
高山植物は、真夏の山でのみ出会える、期間限定で観察できる植物。
この高山植物の壮大な花畑を見たら、登山の疲れも吹っ飛んでしまいますよ!
ぜひ一度、高山植物の感動を体験してみてくださいね!
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