あ、小さなかわいい花が咲いてる!
これってどんな植物なの?
こんな疑問にお答えします。
写真の植物は、キツネノマゴ。
真夏に小さな可愛らしい花をつける植物です。
キツネノマゴはその花をよくよく見ると面白い姿を発見できたり、花には夏ならではの昆虫が集まったり…。
とっても観察しがいのある植物なんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、キツネノマゴの特徴と魅力を紹介します。
キツネノマゴのピンクの小さな花
一見地味に見えるが美しい花
キツネノマゴは真夏〜秋にかけて、小さなピンク色の花を咲かせます。
その花は遠くから見ると地味に思えますが、近付いてよく見ると、花びらには複雑で繊細な模様が描かれていてとても美しいです。
キツネノマゴの小さくも美しい花
上の写真では同時にたくさんの花が咲いていますが、よく見るキツネノマゴは1〜2個の花のみが咲いていることが多いです。
同時に咲いている花は1〜2個であることが多い
このように、キツネノマゴの花はずいぶんと控えめな咲き方をします。
にも関わらず、夏の緑の景色の中に見えるピンク色の点々はなぜか目に止まってしまう、不思議と存在感の強い花なのです。
名前の由来について
キツネノマゴは、名前も独特な名前ですよね。
その由来については諸説あって不明なようですが、その名前からはなんだかセンスを感じます。
植物の名前はその姿や色から命名されることも多く、例えば「キツネノカミソリ」という植物の「キツネ」部分の由来は、花の色がキツネ色であることから。
キツネノマゴにはキツネ色の部分はないので、"形"の何かが関係している可能性があります。
ということで、その花の姿をじっと見ていると…
動物の姿を発見!
ピンクの花びらの上に白い猿のような動物がいます!
花びらの上に乗る白い動物
斜めから見た姿
なんだか猿が花の蜜を管理しているように見えて、面白いですよね。
ぶっちゃけ上記は、名前の由来とは関係ない発見かと思われます。
でも、このように観察する中で面白いものを見つけると、その動植物への愛着はさらに深まるものです。
このように何かを知りたいと思って動植物をよく観察していると、思わぬ発見があるのも面白いものです!
キツネノマゴの花に集まる虫たち
先述した通り、キツネノマゴは「真夏」から咲き始める花です。
植物にとっても夏の暑さは辛いようで、真夏は休眠する植物も多いのです。
そういうわけで、この時期は意外に花を咲かせる植物は多くない。
そのためか、キツネノマゴはこの時期に活動する虫たちにとって人気の花でもあります。
キツネノマゴで特によく見られる虫が「花に集まるハチ」たち。
例えば(ナミ)ルリモンハナバチは青い姿をした美しいハチですが、8月になるとキツネノマゴの花に訪れる姿を観察できます。
キツネノマゴに訪れるナミルリモンハナバチ
キツネノマゴは虫媒花であり、虫に受粉を手伝ってもらっています。
キツネノマゴとその花に集まるハチたちは、相互協力の関係にあるのですね。
キツネノマゴの花の前にいると、ハナバチ、ミツバチ、ハキリバチなど様々な種類のハチが訪れて、とっても楽しいのですよ。
彼らは手で掴んだりしなければまず人を刺すようなことはないので、せわしくなく花の蜜を集める様子をゆっくりと観察させてもらいましょう!
おわりに:キツネノマゴを観察してみよう!
キツネノマゴは真夏の訪れとともに咲く花。
キツネノマゴの花では同じく真夏から見られるハチたちも見られたりと、季節の変化を感じさせてくれる植物です。
ぜひキツネノマゴを観察して、夏を存分に味わってみてください!
そのほかのおすすめ植物紹介記事↓
■ マンネングサ(万年草)
他の植物の紹介、植物観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓