野鳥の識別をするのにオススメの図鑑はある?
こんな疑問に答えます。
僕は年間100回以上全国各地で野鳥観察をしています。
僕が野鳥識別に愛用している図鑑が、以下の「日本の野鳥650」!
日本の野鳥の識別において、今のところこの図鑑を超える図鑑に出会っていません。
ということで今回は、この図鑑が野鳥の識別にどれだけ役立つかを紹介します!
「日本の野鳥650」の特徴とオススメポイント
「日本の野鳥650」の主なオススメポイントは、大きく以下の3点。
2. 亜種の情報も詳しく掲載
3. 詳しい識別ポイントを記載
1. 日本で観察された野鳥をほぼ全種掲載
一番はなんと言っても、その掲載種数。
図鑑の名前に650とついている通り、約650種(今後記録される可能性も含めると700種以上)もの野鳥が掲載されています。
例えば、沖縄の南西諸島で稀に見られる、数少ない旅鳥や迷鳥なども掲載されています。
しかもその全てが鮮明な写真付き!
以下は僕がマレーシアで撮影したロクショウヒタキですが、このような日本ではほとんど記録のない野鳥たちも掲載されているのです。
マレーシアで撮影したロクショウヒタキ
しかも、図鑑に掲載している全ての写真を、1人の方が撮影したというのだから驚きです!
2. 亜種の情報も詳しく掲載
野鳥には、地域によって姿の異なる複数の「亜種」が存在するものがいます。
例えば以下は、伊豆諸島に分布するメジロの亜種「シチトウメジロ」。
伊豆諸島で出会ったシチトウメジロ
種単位での違いや比較はあっても、亜種に関する情報を掲載している図鑑は(掲載種の多い図鑑では)ほとんどありません。
そのため、そもそもその種にどのような亜種があるのかも分からないことが多い。
ですがこの図鑑では、亜種情報(種によっては亜種ごとの違いも!)が掲載されています。
この図鑑の亜種解説があれば、亜種単位での野鳥の識別・管理も可能なのです!
3. 詳しい識別ポイントを記載
この図鑑は種数だけでなく、その詳細な解説も注目ポイントです。
例えば、以下はスズガモの解説。
雄は頭部から胸、上・下尾筒、尾が黒く、頭部には緑色や紫色の光沢があり、頭頂は丸い。背は白っぽく、細かく黒い波状斑がある。脇と腹も白い。雌は…
引用: P70 スズガモの【特徴】より
このように、オス・メスの詳細な特徴、幼鳥の特徴などが超詳細に記載されているのです。
スズガモのオス
さらにはその種の識別方法の解説も同様に詳細で、ほとんどが類似種を挙げた上で、その種との識別ポイントも紹介。
もちろんこの図鑑だけで全てが完全に識別できるわけではないですが、少なくとも識別の際に見るべきポイントは分かります。
普通、種数を多くすれば代わりに説明は簡略化されたりしますが、種数と解説量を両立させている、すごい図鑑なのです!
「日本の野鳥650」の弱点
どんな武器やツールにも、「弱点」はあります。
弱点というより、「道具には使いどころがある」というのが正しいかもしれません。
日本の野鳥650でいうと「分布」「外見的特徴」「識別に関する情報」に特化しています。
一方で、鳥の生態や行動などに関しては、ほとんど書いていません。
これを弱点と捉えることも可能かもしれませんが、この図鑑の使いどころが「種の一覧化」「識別」だとするなら、生態などは重要な要素ではない(掲載優先度は高くない)とも思います。
おかげで識別においては、この図鑑だけでもかなりの場合まかなえます。
そのほかの情報は、必要に応じて別の図鑑などで補いましょう。
以下ではオススメの野鳥図鑑をまとめていますので、こちらもご覧ください。
また、識別点の説明が野鳥ならではの用語が多かったり、文字情報だけ(図説などなし)なので、野鳥初心者には言葉が難しく感じるかもしれません。
しかし各用語は、知っていた方が野鳥のことを調べる時に役立ちます。
解説に出てくる知らない用語は、前向きに吸収した方がプラスになるでしょう。
まとめ
「日本の野鳥650」は野鳥観察を始めてから1年ほどしてから購入し、それ以来ずっと愛用している、本当にオススメの本です。
野鳥識別に役立つ図鑑を探している方は、ぜひ利用してみてください!
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