野鳥は見分けるのが難しい!
どうやったら見分けられるようになるの?
こんな疑問にお答えします。
野鳥観察をしたことがない、または野鳥観察したての方にとっては、野鳥を見分けるのは大変です。
僕も野鳥観察を始めたばかりの頃は、全く野鳥の種類を知らなかったので全然見分けができませんでした。
例えば、「身近な場所で見る小鳥はみんなスズメだと思う」という状態だったんですね。
その理由は、”知っている鳥がスズメくらいだった”から。
ところが、その後図鑑などで他の野鳥を知ってからでも「多くの小鳥をスズメだと思ってしまう」のです。
ここからを脱却するには、まずはスズメのことを観察してちゃんと知る、というのが重要!
今回はその理由を解説します。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、野鳥の見分けにスズメを知ることが大切な理由を紹介します。
スズメは日本人にとって最も身近な野鳥
スズメは人里近くで見られ、僕たちにとって最も身近な野鳥と言えます。
人里近くで見られるスズメ
スズメはイネを好んで食べることから、かつてから田んぼの近くで見られました。
現代の街中でも、瓦や屋根の隙間、電柱などの人工物に巣を作って生活します。
そのため、スズメは他の野鳥と比べて近い距離で観察することができます。
通常、野鳥観察では双眼鏡や高倍率ズームのカメラが必要になることが多いですが、スズメの場合は「肉眼」でも観察可能。
普通に生活しているだけでも、じっくりと彼らを観察できます。
例えば以下はスズメが水たまりで「水浴び」をしている姿ですが、このような行動を装備なしでも観察することができます。
水浴びをするスズメ
このように、スズメは他の野鳥と比べて近い距離で観察することができる、最も身近な野鳥とも言えるのです。
野鳥の見分けにスズメを知ることが重要な理由
野鳥の見分けをする上で、スズメを知ることは非常に重要です。
その理由は、大きく以下の2点。
2. スズメとの違いに気付けるようになる
1. 「スズメ大」を理解できる
「スズメ大」という言葉があります。
図鑑や本、それ以外の場所でも、鳥の大きさを表す時に「スズメ大」「スズメと比べて…」という表現がよくされます。
なぜなら、日本人にとっては最も身近な野鳥であるスズメの大きさが、一番イメージしやすいからですね。
ところが、野鳥観察をしない生活においてのスズメ大というのは、結構ざっくり(曖昧)なイメージです。
しかし、野鳥観察においては「正確なスズメ大」を知っているととても役立ちます。
例えば、スズメの大きさは15cm程度ですが、以下のメジロの大きさは12cm程度。
桜や梅によく集まるメジロ
数字でいうとたった3cm程度の違いですが、野鳥観察をする場合、この大きさの差は結構大きいです。
なぜなら、身近な場所にも15cm前後の大きさの鳥ってかなりたくさんいて、大体数cmの違いしかないからです。
パッと鳥を見た時に、スズメよりも「大きい」「小さい」「同じくらい」を正確に判断できるようになると、一気に野鳥識別の効率が上がるのです。
ちなみに僕は海外で野鳥観察などもしていますが、こういった"土地勘のない場所での観察"でも非常に役立ちます。
初めて訪れる土地でどんな野鳥が見られるかなど把握していませんので、出会った鳥が何なのか瞬時には分かりません。
しかしそこで出会った鳥が「スズメ大以下」と判断できる場合には、図鑑で15cm以下の野鳥から探せばよい。
ニュージーランドで出会ったハイイロオウギビタキ(Fantail)
「スズメ大」を正確に知ることは、情報がない(少ない)場所での野鳥を識別する時にも、有効な武器となるのです!
2. スズメとの違いに気付けるようになる
身近な場所にも、スズメによく似た鳥はたくさんいます。
以下の記事でも紹介していますが、カワラヒワ、アオジ、ホオジロなど、野鳥観察初心者にとって紛らわしいと感じる鳥が結構いるのです。
僕が最初の頃によくスズメと間違えたカワラヒワ
野鳥は基本的に至近距離では観察できないので、遠くからでも識別できる必要があります。
そこで役立つのが、スズメを観察して”スズメの特徴を正確に理解すること”。
スズメの外見や行動の特徴をよく観察していると、”スズメと他の鳥との違い”がクリアになってきます。
外見で言えば、
・羽の茶色の濃さ
・体上面と下面の色の差
・くちばしの形や色
行動で言えば、
・樹木のどの位置に止まるのを好むか
・鳴き声
といった情報が大きなヒントになります。
スズメは人工物にもよく止まる
スズメの特徴を明確に知っていると、その特徴から外れた鳥を見た時に「違和感」を感じるようになります。
この違和感が結構大事で。
例えば、自然豊かな場所に行った時に、鳥がたくさん飛び交っていて、全ての鳥を1羽ずつじっくり見ることができないことがあります。
そんな時、「あ!あの鳥、雰囲気が違う」と、観察対象のあたりをつけて絞り込むこともできるんですね。(普段見ない鳥を観察したい場合であれば)
ある鳥を深く知って他の鳥との違いを浮かび上がらせる、というのも野鳥観察において大変重要。
身近な場所の観察ではスズメを見ることが多いので、まずはスズメのことをよく知ると、野鳥観察力が大きくアップするのです!
野鳥の識別に役立つツール
野鳥の識別には、野鳥の種類を知っている必要があります。
野鳥の種類を知るのに役立つツールの1つが「野鳥図鑑」。
僕が野鳥の識別に使っている図鑑は、以下の「日本の野鳥 650」です。
専門用語もたくさん出て来るので、最初はちょっと難しく感じると思いますが、日本で見られる鳥のほぼ全てが掲載されているので、識別において強力な味方になってくれます。
もう少し身近な野鳥や、識別だけでなく魅力に焦点を当てた図鑑については以下で紹介していますので、こちらもぜひご覧ください!
おわりに:色々な鳥の観察を楽しもう!
スズメをよく知ると、他の野鳥の存在にも気付けるようになり、世界が広がった感覚になります。
そうなると、普段よく通る道や景色がとっても楽しいものに変化しますよ!
身近なスズメを観察してよく知り、日常をさらに楽しいものにしましょう!
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