めちゃめちゃ派手な鳥がいる!
この鳥ってどんな鳥?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥は、オシドリ。
「おしどり夫婦」の言葉はよく耳にすると思いますが、この言葉の由来になった鳥です。
見ての通り、オシドリは驚くほど派手でカラフルな羽を持つカモ。
でも実は、季節によってオシドリは「地味な姿」にも変身するんです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、オシドリの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
オシドリはカラフルで美しい羽を持つ鳥
世界一美しいカモと言われることもある
オシドリはとにかくカラフルで美しい羽を持つ、カモの仲間です。
カラフルで美しい羽を持つオシドリ
これほどまでにオシャレな姿の鳥は、他にはなかなかいないでしょう。
その派手な姿から、オシドリは「世界一美しいカモ」なんて言われることもあります。
僕がオシドリを初めて見たのは動物園に行った時でしたが、最初にその姿を見た時は"南国の鳥"だと思いました。
その時はこんな姿の鳥が日本に野生で生息している姿なんて、全く想像できなかったのですが、なんと僕らの周りに普通に暮らしているんですね。
といっても単に「普通」というと語弊があるかもしれないのでもう少し詳細に言うと。
オシドリは他のカモたちと比べると自然の多い場所にいることが多く、少なくとも関東付近では出会う頻度はそんなに高くありません。
ただ一方で、冬には都会の池で越冬したり、意外に身近な場所で見られるチャンスのある鳥なのです。
夏は地味な姿に変身
先ほどのカラフルな姿はオスのもので、実はオシドリのメスはオスと比べてはるかに地味な姿をしています。
地味な姿のメス
オスの派手な姿を「繁殖羽(はんしょくう)」と呼び、繁殖期にメスにアピールするために着飾った姿なのです。
ちなみに、換羽中はうまく飛べなくなる上、換羽後も天敵に見つかりやすくなり捕食される危険も増えます。
しかしそれでもなお着飾るというのは、動物たちにとって繁殖のための行動は、"大きなリスクを負ってまでも行うべき、とても大事なこと"なのですね。
上記の通り、繁殖羽の姿でいることはリスクを伴うため、オスも繁殖期以外は派手な姿である必要がありません。
そのため、繁殖期を過ぎると(繁殖期は4〜7月くらい)、オスも以下のように地味な姿になります。
オスも非繁殖期は地味な姿
写真は夏に撮ったもので、ちなみにこの姿を非繁殖羽(エクリプス)と言います。
オスのエクリプスはメスとよく似ていますが、オスはくちばしが赤いです。
カモの仲間は、冠羽によって大変身するものが多いので、季節による姿の違いを比較するのも面白いですよ!
オシドリは1年を通して見られる珍しいカモ
カモの多くは「渡り鳥」であり、冬に北国から日本に飛来します。
ところがオシドリは、1年を通して日本で見られることのできる数少ないカモなのです。
夏は主に山(の湖や渓流など)で見られ、冬は低地で過ごすので身近な公園や池などでも見られることがあります。
先ほど紹介した通り、以下の写真は夏に日本で撮影したもの。
夏でも見られるオシドリ
これはとても嬉しいことで、他の多くのカモは、夏に活動する姿はほとんど見られないのです。(北海道では、繁殖するカモもいます)
ちなみに、仲の良い夫婦という意味の「おしどり夫婦」という言葉がありますが、オシドリはこの言葉の由来になった鳥です。
オシドリは日本で1年中見られる身近なカモだからこそ、「おしどり夫婦」の言葉が定着しているのかもしれませんね。
余談ですが、オシドリは毎年パートナーを変える鳥であり、実態は「おしどり夫婦」のイメージとは違います笑
オシドリと同じ分類に属する鳥たち
オシドリはカモ目カモ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[カモ目]
カモ目の野鳥まとめ|水上生活に適応した美しい水鳥たち
▼
[カモ科]
鴨(カモ)の種類と魅力|カモは地味な野鳥ではない!実は個性的で面白い姿を持つ
おわりに:オシドリを観察しよう!
オシドリは、1年を通して日本で生活するとっても美しいカモ。
こんなに美しい鳥を身近な場所でも見ることができるなんて、とっても幸せなことですよね。
もしオシドリと出会ったら、ぜひその美しい羽を観察してみてください!
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