ほっぺが赤いかわいい鳥がいる!
この鳥ってどんな鳥?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥は、ウソ。
まるっとずんぐりした姿だし、ほっぺも赤いし…とっても愛嬌のある姿をした鳥です。
それにしても“ウソ”って、なんか変な名前ですよね?
「嘯く(うそぶく)」というとぼける的な意味の言葉がありますが、ウソの名前の由来はこの言葉に含まれる「うそ」から来ていると言われます。
そしてこの言葉とは、ウソの”ある特徴”が関係しているのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、ウソの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
ウソの特徴と魅力
赤いほっぺのかわいい鳥
ウソは「スズメ目アトリ科」というグループに属する、かわいい鳥です。
何がかわいいかというと、なんといっても”めちゃめちゃ愛嬌のある姿”。
・赤ちゃんのような赤いほっぺ
このように、エナガのような王道系のマスコット的なかわいらしさとは違って、率直にいうと「ブサカワ」なかわいさのある鳥です。
ブサカワなかわいさのあるウソ
ちなみに、上の写真のウソはオス。
実はウソのメスのほっぺの赤さは、オスに比べてかなり控えめです。
赤いほっぺの目立つオス
ほっぺの赤みの弱いウソのメス
オスに比べると、ほんのり程度の赤さになっていますよね。
それとオスの体は灰色ですが、メスの体は褐色が多くなっています。
鳥たちの多くはメスにアピールするため、オスは派手な姿をしているものが多い。
同じように、ウソのオスもほっぺが赤いほどモテたりするのかもしれませんね。
行動もかわいいウソ【太短いくちばしの役割】
ウソは姿だけでなく"その行動"にも愛嬌がある鳥です。
ウソは群れで樹木に止まって、なっている木の実を「パチッ、パチッ」と食べている場面に出会うことが多い。
観察していると、木の上でひたすら実を食べているんですが、くちばしが他の鳥よりも短いせいか、木の実に頑張って顔を口を近付けて食べるんですね。
木の枝の上でふんばりながら食べる様子が、なんだか一生懸命に見えて、とっても愛らしいのです。
さらに食事をした後にくちばしに「食べかす」がついている時などは、もう可愛さが止まりません笑
ところで、ウソの太短いくちばしは、固い実を割って食べるのに適したものになっています。
例えば、細長いくちばしを持つツグミなどは殻に覆われていない実を丸呑み。
ウソよりも小さいヤマガラは足で木の実を押さえて、くちばしで器用に木の実を割ります。
ヤマガラは器用に木の実を割ってから食べる
ウソが固い実をパチパチ割って食べられるのは、太くて強いくちばしがあるからこそなのですね。
ウソの名前の由来
嘯く(うそぶく)とは
「嘯く(うそぶく)」という言葉がありますが、ウソの名前の由来はこの言葉が関係していると言われています。
ちなみに嘯くとは、以下のような意味の言葉。
1 とぼけて知らないふりをする。
2 偉そうに大きなことを言う。豪語する。
3 猛獣などがほえる。鳥などが鳴き声をあげる。
4 口をすぼめて息や声を出す。口笛を吹く。うそむく。
5 詩歌を小声で吟じる。うそむく。
引用: コトバンク:嘯く
意味の中に「4 口をすぼめて息や声を出す。口笛を吹く。うそむく。」とあります。
昔は口笛のことを「うそ」と読んだため、「うそを吹く=うそぶく」となったんですね。
ではなぜウソがこの言葉の由来になっているか?
それは、「ウソの鳴き声が口笛のようだから」なのです。
ウソの鳴き声
僕が初めてウソの鳴き声を聞いたのは、都内の公園の雑木林ゾーンを歩いていた時のことでした。
その公園は結構人の多い場所なのですが、そのタイミングでは雑木林ゾーンを歩いていた人はちょうどいなくて、割と静かな状況でした。
雑木林ゾーンにある池で、美しい青い鳥・カワセミを見つけたので、少し観察していると、「奥から何やら不思議な声」が聞こえてきたのです。
「フィー」というような「ヒュー」というような、風が抜けるような音です。
気になったのでゆっくりと奥の方に行ってみると、そこにいたのがウソ。
そのウソは、こちらを気にもせずもぐもぐと木の実を食べていて、その太々しくもかわいらしい姿をしばらく観察させてもらったのでした。
ちなみに上の場面で出会ったのは平地の公園でしたが、ウソは山で繁殖するので、山で出会う機会も多いです。
山で出会ったウソ
山を歩いていて、「風の抜けるような美しくも不思議な声」が聞こえたら、木の上に止まっている鳥を探して見てください。
そこには、赤いほっぺをしたウソがいるかもしれません。
※鳴き声は動画版で聞くことができます▼
ウソと同じ科に属するブサカワな鳥たち
ウソが属する「スズメ目アトリ科」には、他にもブサカワな鳥がいます。
身近なブサカワな鳥の2種が「シメ」と「イカル」。
シメ
イカル
どちらも太く短いくちばしを持ち、ずんぐりした体型が特徴的。
これらのブサカワな鳥たちには、「ある共通点」があります。
それは”美しい鳴き声”を持つこと。
シメもイカルも、その姿に似合わず驚くほどに澄んだ美声を持つのです。
シメは冬鳥でそのさえずりを聞くのは難しいのですが、イカルはウソと同じく夏に森や山でそのきれいな鳴き声を聞くことができます。
夏はこれらブサカワ鳥たちの歌声にも注目してみてください!
ウソと同じ分類に属する鳥たち
ウソはスズメ目アトリ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[スズメ目]
スズメ目の野鳥まとめ|美しい声を持つ鳥類最大のグループ
▼
[アトリ科]
アトリ科の野鳥の種類と魅力|太くて短いくちばしがかわいい鳥たち
おわりに:ウソを観察しよう!
ウソは、ずんぐり姿でかわいい&美しい鳴き声を持つ鳥。
夏は山に行かないとなかなか出会えないですが、冬には平地でも出会えることがあります。
もし出会うことができたら、ぜひかわいらしい姿と美しい声に注目して観察してみてください!
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