ネイチャーエンジニア いきものブログ

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ベニシジミはオレンジ色のシジミチョウ!春と夏で姿が異なる

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ベニシジミ

あ、オレンジ色の小さなチョウがいるよ!

このチョウってどんな虫?

こんな疑問に答えます。


写真の虫は、ベニシジミ


名前の通り、きれいな紅色(オレンジ色)が特徴的なシジミチョウです。


このベニシジミは草地などでよく見られる身近なシジミチョウなのですが、なんと春と夏で姿が変化する特徴を持つチョウでもあるのです!


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。


そんな虫好きの僕が、ベニシジミの特徴と魅力を紹介します。




 

ベニシジミはオレンジ色のシジミチョウ

ベニシジミは「チョウ目シジミチョウ科」というグループに属する昆虫。


名前の通り、きれいな紅色(オレンジ色)が特徴的なシジミチョウの仲間です。


オレンジ色が美しいベニシジミ
ベニシジミ


今見えている面のはねは「裏ばね」なんですが、ベニシジミははねをひらいて見える「表ばね」もオレンジ色。


ベニシジミの表ばね
ベニシジミ 春型


名前に「ベニ」の名を持つだけあって、どの方向から見ても美しいオレンジ色が見られるチョウなんです!

ベニシジミが見られる場所

本州では最もメジャーだと思われるヤマトシジミというシジミチョウがいます。


よく見られるヤマトシジミ
ヤマトシジミ


ベニシジミは、このヤマトシジミに並んでよく見られるシジミチョウでもあります。


ただ、ベニシジミはヤマトシジミとは見られる場所に違いがあります。


ヤマトシジミは公園や街中でもよく見られますが、ベニシジミは「草地」や「河川敷」のような場所の方がよく見られます。


その違いの理由は、「食草」。


ヤマトシジミの幼虫が街中でもよく見られる「カタバミ」という植物の葉を食べるのに対して、ベニシジミの幼虫が食べるのは「スイバ」や「ギシギシ」。


スイバの葉にいたベニシジミの幼虫
ベニシジミ 幼虫


スイバやギシギシが草地や河川敷でよく見られるので、結果的にベニシジミもそれらの環境で見られるんですね。


僕の地元は川が近くにあるんですが、子供の頃は公園で遊ぶことが多く、ヤマトシジミの方が馴染み深いシジミチョウでした。


でも大人になって地元の川に行ったら、ベニシジミが実にたくさんいて「子供の頃は全然身近な生き物に気づけていなかったなあ」と改めて思いました。


「家の近くでベニシジミなんて見ないよー!」なんて場合は、川の土手沿いや草地のような環境に出かけると、きっとベニシジミに出会えるはずです!




ベニシジミの春型と夏型

ベニシジミは、実は春に発生するものと夏に発生するもので姿が違います。


違いとしては、「夏に見られるものの方が、表ばねが黒っぽい」のです。


先ほども紹介した以下の姿は春に見られる姿で、「春型」と呼ばれます。


ベニシジミ(春型)
ベニシジミ 春型


一方の夏に見られる姿は「夏型」と呼ばれます。


ベニシジミ(夏型)
ベニシジミ 夏型


夏型の方が、黒っぽいしオレンジの上に乗っている黒い斑点も大きいですね。


実は季節によって姿が変化するチョウは他にもいて、チョウのこのような現象のことを「季節型」と言います。


中には、春と夏で別種のように見えるほど変化が大きいものもいたりします。


この変化は、春と夏で「幼虫が食べるえさの量が違うこと」などが関係したりするようです。


全ての種の変化がそれ由来なのかは分かりませんが、単純に季節によって姿が変化するという事象自体にワクワクしますよね。


ちなみに昆虫はとっても多様な生き物で、日本には分かっているだけでも3万種いると言われています。


さらに昆虫は「変態」という、成長に応じて姿が大きく変化する能力を持ちます。


完全変態を考慮しないとしても、ほとんど同じ種で「卵」「幼虫」「成虫」の最低3段階の姿が見られる。


ということで、「3万 × 3 = 9万通り」の姿があるわけで、ここに季節型なども含めるとさらに増えちゃう。


昆虫という生き物は、驚くべき多様性を持つ生き物なのですね。


まとめると、ベニシジミを含むチョウは「季節による姿の変化」にも注目してみると、さらに面白い観察になるのでオススメなのです!

ベニシジミと同じ分類に属する虫たち

ウラナミアカシジミ

ベニシジミはチョウ目シジミチョウ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。


[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち

[シジミチョウ科]
シジミチョウの種類と魅力|シジミ貝のようなはねを持つかわいい蝶たち


おわりに:ベニシジミを観察してみよう!

ベニシジミは、美しいオレンジ色を持つシジミチョウです。


ありがたいことに、こんなにきれいなチョウは僕らのごく身近な場所で見ることが出来るんですね。


しかも身近なため季節を通じて観察しやすいチョウです。


なので、ぜひ「季節型」も合わせて観察してみてください!


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