あ、オレンジ色の鳥がいる!
この鳥ってどんな鳥 ?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥は、アトリ。
日本では冬鳥の、オレンジ色がよく目立つかわいい小鳥です。
ただし、アトリは年によって大きく飛来数が異なる鳥です。
そのためなかなか出会えない年もあるのですが、逆にたくさん飛来する「当たり年」もあり、渡り鳥ならではの特徴を持つ鳥なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、アトリの特徴と魅力を紹介します。
アトリはオレンジ色のかわいい冬鳥
アトリは「スズメ目アトリ科」というグループに属する鳥。
オレンジ色の体が特徴的で、なんだか温かみのある色合いの鳥です。
オレンジ色の体を持つアトリ
アトリは日本では冬だけに見られる「冬鳥」で、北国のロシアなどから長距離飛行(渡り)をしてやってきます。
長距離とはどれくらいのものかというと、何千キロもの距離。
例えば3000キロだとすると、車で時速50kmで走っても「60時間」もかかってしまいます。
これほどの距離を、全長16cmという小さな体で渡ってくるのだから、すごいものです。
アトリのオスとメスの違い
アトリはオスとメスで姿が違います。
冬羽ではオスとメス似た姿をしていますが、オスは夏羽になると頭が黒くなります。
アトリのオス
アトリのメス
ところがアトリは冬鳥であるため、残念ながらオスの真っ黒な頭を見るチャンスはあまりありません。
ただ、春が近付くと少しずつ夏羽に換羽を始めるので、「換羽中の黒くなりかけている姿」なら日本でも観察することができるのです。(上の写真も春頃のもの)
このオレンジと黒の色の組み合わせの鳥には、他にジョウビタキやヤマガラなどがいます。
オレンジ色のジョウビタキ
この色味の鳥たちはなんだか温かみがあって、出会えるとほっこりした気分になれるのも良いのです。
渡り鳥の当たり年とは
アトリはいつも「群れ」で行動しています。
冬の季節、木の枝にたくさん止まっている鳥がいたり、小さな鳥がバーッと飛んで枝に止まったりしたら、アトリであることも多いです。
群れで行動するアトリ
ちなみにアトリには「当たり年」というものがあります。
渡り鳥は、年によって飛来数が大きく変わることがあります。
アトリは特に年による渡来数の変動の大きな鳥であり、年によっては飛来数が非常に多いことがあります。
このようなたくさんの個体が飛来する年のことを「当たり年」と言うのです。
例えば、2017年はアトリの当たり年でした。
その頃の僕は野鳥観察を始めたばかりの頃で、鳥を見つけるのもままならない感じでしたが、それにも関わらずその年はアトリによく出会ったものです。
アトリは基本的に林や森で出会うことが多いのですが、その年は低地の公園でもよくアトリを見かけた記憶があります。
当たり年には身近な場所でも見つけやすい
時には100羽ほどの群れに出会った時もあり、僕の中でアトリが身近な鳥になった年でした。
渡来数の変動の理由には、木の実の豊凶などが関係していると言われています。
例えば凶作の場合には、繁殖地の近くにえさとなる実が少なくなり、遠くまで足を伸ばす、といった感じです。
このように、鳥の行動には生息環境も大きく関わっており、様々な自然や動植物のバランスが関係しています。
周辺環境や関連した生き物についても意識を向けてみると、野鳥観察がより深く面白いものになると思います!
アトリと同じ分類に属する鳥たち
アトリはスズメ目アトリ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[スズメ目]
スズメ目の野鳥まとめ|美しい声を持つ鳥類最大のグループ
▼
[アトリ科]
アトリ科の野鳥の種類と魅力|太くて短いくちばしがかわいい鳥たち
おわりに:アトリを観察しよう!
アトリはオレンジ色の温かみのある姿をしており、出会うとほっこりした気持ちなる小鳥です。
また、アトリは年によって飛来数が大きく変化する鳥であることから、「野鳥の渡り」について意識したり観察するのにピッタリの鳥です。
年によっては、アトリの巨大な群れが見られることもありますので、冬にはぜひアトリを探して観察してみてください!
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