あ、綺麗なカモがいる!
このカモって、どんなカモ ?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥は、オナガガモ。
名前の通り、「長い尾羽」が特徴的なカモです。
とっても上品でオシャレなカモですよね!
この美しいオナガガモは身近な場所でも比較的観察しやすい、嬉しい鳥なんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、オナガガモの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
オナガガモの特徴的な長く美しい尾羽
上品で美しい姿
オナガガモは「カモ目カモ科」というグループに属する鳥。
「冬鳥」として、冬に北国から渡ってくるカモたちです。
オナガガモは、上品でオシャレな美しさを持つカモです。
上品でオシャレなオナガガモ
ブランド品のような高級感のある白と黒のカラーリングに、くちばしの側面は黒部分とコントラストが美しい水色。
そして何といっても、名前の由来にもなっている「細長く美しい尾羽」。
この尾羽があることで、より繊細さと上品なイメージを醸し出しています。
このような美しいカモが身近な場所でみられるなんて、とても嬉しいですね!
オスとメスの違い
先ほど紹介したオナガガモのオシャレな姿ですが、実はこの姿は「オス限定」。
メスは以下のように、随分と異なる姿をしているのです。
オナガガモのメス
体の色は茶色で、水色のくちばしも、名前の由来となっている長い尾羽もありません。
率直に言うと、「地味な姿」をしていますよね。
カモの仲間は繁殖期と非繁殖期で大きく姿が変化するものがいます。
オナガガモの美しいオスの姿は「繁殖羽(はんしょくう)」と言い、これは繁殖期にメスにアピールをするためのもの。
たくさんの鳥が繁殖期にオシャレな姿でメスをアピールしますが、カモは特に変化の大きいものが多いのです。
例えば、オスも繁殖期以外はメスと似た地味な姿(「エクリプス」とも言います)になります。
オナガガモのエクリプス
上の写真は北海道で9月に撮影したもの。
メスとよく似た姿をしていますが、くちばしをよく見るとオスの特徴である「くちばしの水色部分」が見えます。
派手な姿であることは天敵に見つかって捕食されるリスクも高まります。
そのため生き抜くためには、メスへのアピールをする必要のない時期は目立つ姿にならない方が良い。
美しい姿への変身というのは、カモたちにとって繁殖活動をするために命がけで行っている行動なのです。
オナガガモの尾羽の観察が面白い
オナガガモが見られる時期は、地域にもよると思いますが関東では11〜4月あたり。
オナガガモは比較的身近に見られるカモで、湖のような広い場所のほか、湿原や海、小さめの川など幅広い環境で見られます。
都市部の小さな川でも見られたりします。
このように、オナガガモは比較的身近な場所で見られる嬉しいカモ。
さらにぜひ注目してみて欲しいのが「尾羽の変化」です。
先述した通り、カモのオスたちは非繁殖期にエクリプスという地味な姿になりますが、繁殖期になるとまた派手な繁殖羽に変身。
オナガガモは繁殖羽になると尾羽が長くなるので、"季節と共にこの尾羽の変化を観察するのも面白い"のです。
例えば、以下は関東に飛来したばかりのオナガガモ。
尾羽はもちろん、他の部分もまだ換羽中である様子が分かります。
少し季節が進むと、大分繁殖羽らしくなりますが、まだ尾羽は長くないです。
そこからさらに季節が進み、「春が近付く頃になると、長く美しい尾羽が見られるようになる」のです。
このように、カモたちは越冬中の姿の変化を観察するのもとっても面白い。
近くでオナガガモが見られる場所があるのであれば、ぜひ季節の進みによる羽の変化にも注目してみてください!
オナガガモと同じ分類に属する鳥たち
オナガガモはカモ目カモ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[カモ目]
カモ目の野鳥まとめ|水上生活に適応した美しい水鳥たち
▼
[カモ科]
鴨(カモ)の種類と魅力|カモは地味な野鳥ではない!実は個性的で面白い姿を持つ
おわりに:オナガガモを観察しよう!
オナガガモは、水辺のよく似合う上品で美しいカモ。
ぜひ、名前の由来にもなっている尾羽にも注目して観察してみてください!
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